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1話【おはようはおやすみの後で】

1月25日】


「ただいま......。」

誰も居ないアパートの一室に寂しく木霊する。

時計を見ると22:00、普段通りの帰宅時間だ。

夕食は外で済ませたため、シャワーを浴び寝巻きに着替える。

親はいない。幼いころに母が交通事故で死んで。父は単身赴任で同居はしていない。

毎月の仕送りで一人暮らしをしている。

中学2年のころからだったから高校に入っても平気だった。

「──おやすみ......。」

23:00、自室のベッドに横たわった。

目に映るのは白い天井と電気の消えた照明。

(──別におきている理由も無いか......)

目を閉じて意識を現実から切り離す。

すると、背中に感じていた毛布の柔らかい感触が消え宙に浮いたような感覚に襲われる。

しかしそれは突然に硬く冷たいモノに変わる。

目を開けると白い綺麗な天井ではなく大きい樹とその葉に覆われた薄暗い天井が見える。

着ていた寝巻きは黒いコートに変わり、首にはマフラーが巻かれている。

涼しく優しい風がどこからか吹く。

「やっぱ非現実的だなぁ・・・・・・

 まぁここが現実かと問われたらはっきり『YES』と答えられる自信はないけどね......。」

独り言が辺りに木霊する。しかしそんな戯言に返事を返す人は居ない。

──そもそも何故こんな所に居るのか。始まりは大体1年前くらいの事だった。



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