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14:青年実業家編の詳細化

 今度は年下の男の子編の詳細化。


ソル「この章は当初のプロットと大きく変わりましたわよね。最初の予定では、私が相手のために献身的な働きをするっていうのがテーマでしたのに。そういうじゃありませんでしたし」


 あーうん。それね。そうなんだよねえ。

 実際、ソルの成長の証として、愛を求めるだけじゃなく与える側になるっていう経験が必要だと思っていたのよ。

 これまでは、求める方に傾いた精神だったし。

 でも、愛ってそういうもんじゃないよなあって。贈りあう関係だよなあって。

 とまあ、賢者の贈り物を思い出しながら思った。


ソル「愛について語れるほど経験あるのかと思ったら。参考それですの」


 いいじゃん。でも、長く語り継がれるお話だけあって、これは正しいと思うよ。

 一方的というか、不公平な関係になったらこういうのって長続きしないだろうし。恋愛に限ったことじゃないだろうけど。


ソル「まあ、そうですわね」


 ただ、何を贈るかにしても、相手が本当に望むものを与えないといけないよねと。

 それが、どんなに相手を想ったことを理由としたものであっても、相手が望まないのならそれは独り善がりってもんだ。

 そういう、自分の気持ちの押し付けによる失敗と学びをして貰おう。というのが、当初の狙いだったんだけど。


ソル「悪くない狙いだと思いますけれど。何でそうしなかったんですの?」


 これについては、自分の技術不足だったのかもだけど。その流れだと、なぁんかしっくりくる形に話を詳細化出来なかった。


ソル「どういうことですの?」


 このときのソルがどこまで自分の気持ちに気付いていたかっていう話になるんだけれど。

 まず、もう彼の正体に気付いていたから、いまいち相手にのめり込めるかっていうと、どっかでブレーキが掛かった。

 頭の中では、尽くす気だし想おうとしているんだけど、やり過ぎて体ぶっ壊すほどのところまでいけるかなあって考えるとね。


ソル「ああ、うん」


 これは、プロット考えた時点でソルの心情変化を想像しきれなかったミスです。

 それと、理由はまだ他にもあります。


ソル「というと?」


 作中時間の時間的な制約です。

 一言で言うと、相手を助けるために「え? この〇〇をこの✕✕で?」「できらぁ!」展開をやろうとしたのですが。

 流石に、いくらファンタジーでも非現実的に過ぎることになるし。

 ただでさえ、ソルの研究開発時間とか勉強時間とかいつ捻出しているんだという、突っ込まれたらファンタジーな要素あるのに。

 これ以上は流石になあと。


ソル「なるほどね」


 …………。


ソル「という建前は置いておいて、本音は?」


 ネタがマジで思い付きませんでした。

 いや、作中の時間的制約っていうのも嘘じゃないけど。


ソル「それで、大幅にプロットを変更したというわけですのね」


 はい。最終章に繋がる話なのですが。

 ソルは自分と同じ境遇の人間がいるということそのこと自体が許せない人間であり。そういう境遇の人間のためならば、自己犠牲も覚悟するし尽くす。そういうことを説明する物語へと変更することにしました。

 これもこれで、ここで出しておくべき話かなと思ったので。最終章のためにも


ソル「何かしら後続の話に必要な話として用意するっていうのは変わらないんですのね」


 そういうことです。何のテーマも無い話になると、それこそ薄く無意味な話になっちゃうので。


ソル「そこから、その辺こうしたテーマに合わせて、どう考えたんですの?」


 それまでのソルもそうなんだけれど。

 相手を手に入れるために小賢しい策を考えるのって、要するに臆病だからなんですね。

 でも、そうして臆病になってしまう理由も、その気持ちももうよく分かっているのが、この頃のソルな訳で。


ソル「つまり?」


 そういうことをする相手を見たら、絶対に許せないだろうなあって。

 自分自身を見ているようで。

 そういう訳で、相手には心に傷を負った臆病な人間になって貰いました。

 まあ、そういう相手だという事自体は、当初の予定と変わりないです。だからこそ、最初のプロットでもその心の傷を癒やしたくて頑張りすぎてしまうんですけどね。

 そんなソルの姿を見て、相手は心の傷は癒えるものの、同時に身を引いてしまうんですが。


ソル「そうですわね。そういう人間は、絶対に許せないっていうのは変わりませんわね」


 そんなわけで、この章の構成はかなり単純になりました。


 相手をなんかソルが気に食わない。

 相手がソルの事を意識し始めるけれどソルは邪険にする。

 相手の小賢しい策をソルが見抜く。

 自分がどうしてここまで気に入らないのか考えるソル。

 どうなれば相手の想いに応えられるのか。相手にどうなって欲しいのかを考えるソル。

 ソルの出した問題の答えが分かるものの、分かる故に去る相手。


 こんな感じで行こうかと。

 何だかんだで、これまた字数は増えたように思います。

 我ながら、詰め切れているかというと自信は無かったので、当時は本当に筆が引っ掛かりながらの執筆でした。


ソル「何度も『過去の俺の馬鹿野郎』って喚いていましたわね」


 いや全く。

 ドラえもんで、未来ののび太が過去ののび太に「勉強しろ」とタイムマシンに乗ってやってくる来る話とか。ドラえもんが未来のドラえもんを次々読んで手伝わせる話とかあるけどさ。

 まさに、そんな気分だった。


ソル「そこ、ちゃんと反省なさいよ?」


 はい。マジで反省しています。

 プロット時点で、最初からガチガチに展開を考える必要は無いにしても。具体的にどうするかという大まかな方針というか、ネタはきちんと固めておくべきだと思いました。

 あと、その時点でのキャラの心情がどうなっているだろうかというのも、整理しておくべきだったと思います。

 そこ、押さえていなかったから、章が近付いてズレが出て来たことに気付いて慌てることになった思うので。

 ただ、こういう反省じゃない学びもあったように思います。


ソル「学び?」


 どういう要素がその章で必要になるだろうかということさえ見出せていれば。割と直前でも、大きな話の差し替えは可能だということ。


ソル「そういうのを喉元過ぎれば熱さを忘れるって言うんですのよっ!!」

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