第二話 魔法の針と新たな仲間 (2/6)
そうだ!
肝心なことをまだ聞いてなかった!!
私は咲歩の手の上で咲歩に撫でられて嬉しそうなぷっぷちゃんにたずねた。
「ぷっぷちゃん、えっと、わたしたちと話せる?」
「ぷっ!」
ぷっぷちゃんは『もちろん』みたいな顔で答えてくれたけど、これってやっぱり……。
「今日、さーちゃんのクラスで、さーちゃんの机から写真を持って行った人がいるかも知れないんだけど、ぷっぷちゃんは何か見てた?」
「ぷっ! ぷぷっ! ぷぷぷっ! ぷっぷっ!」
ぴょんぴょん跳ねて何か訴えようとしてくれるぷっぷちゃん。
「えっと……ぞうさんとうさぎちゃんは、その、ぬいぐるみ語? ってわかる?」
「残念だけど、僕にはわからないなぁ」
「あたしもー、ぷっぷって言ってるようにしか聞こえないよーぅ」
「そっかぁ……。ぷっぷちゃんから話が聞けたら、犯人探しの大きな手がかりになると思ったんだけどなぁ……」
「そういう事だったんですね」
咲歩は少し考えてから、何かを訴えようと一生懸命なぷっぷちゃんを撫でて言った。
「ぽっぽちゃんが元々ぽっぽと鳴くだけのキャラクターですから、ぽっぽちゃんをベースに作ったぷっぷちゃんもそうなのかも知れませんね」
「なるほど……?」
「……もちろん、私が不器用すぎたせいで、ぬいぐるみとしての質が低く話せないという可能性もありますが……」
「い、いや、そういうのは……ないんじゃ……ないかなぁ?」
わからないけど。
とりあえず、それについてはお母さんが帰ったら聞いてみることにして、今はもうちょっとぷっぷちゃんから情報を引き出したい。
「ぷっぷちゃんはさーちゃんの机から写真をとった人を見た?」
コクコクコクっ。とぷっぷちゃんが頷く。多分。
頭のとこがぴょこぴょこしてるし。
「それじゃあ、今日校門まで一緒に行った男の子は分かる?」
またぴょこぴょこしてるから、頷いてるのかな?
「犯人はあの男の子じゃなかったんだよね?」
ぴょこぴょこぴょこぴょこーっとぷっぷちゃんが揺れる。
激しく頷いてるのか、それともこれは首を振ってるのか……。
「うーん、よくわかんないや……」
息を吐いて椅子にもたれる私と入れ替わるように、今度は咲歩がテーブルに身を乗り出した。
「ではぷっぷちゃん、まずは合図を決めましょう」
なるほど。さすが咲歩、そこから決めたらよかったのか。
「『はい』と同意を示す時の動きをしてください」
ぴょこ。とぷっぷちゃんが縦に揺れる。
「次に『いいえ』を表す動作をしてください」
ぷるん。とぷっぷちゃんが横に回転するような動きを見せた。
これが『いいえ』なら、さっきの答えは『はい』『はい』『はいはーいっ』てとこだったのかな。
「では確認しますね。犯人は千山さんではありません。間違いないですか?」
ぴょこぴょこぴょこーっとぷっぷちゃんは元気に縦に揺れた。
「そうですね、千山さんはそんな方ではありませんから」
咲歩がニコッと笑った気配がした。
「さーちゃんってちやまくんと仲良いんだね」
「そうですね。クラスも一緒ですが、千山さんとは部活も塾も一緒なので、普通に話はしますね」
「へー、塾でも一緒なんだ?」
「はい、同じ時間に帰るので、夜は暗いからと途中まで送ってくれますよ」
えー? 意外と親切……。いや、これはもしかして、千山くんって本当に咲歩のこと好きなのかも?
「なんか意外……」
「ふふ、そうでしょう?」
咲歩はそう言って笑った。




