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SilentRoseQuest  作者: 石食み
第1章
24/33

01-18

(センセイ)


 しばらくして部屋に帰ってきたローバ。

 その目元は、心做しか赤かった。


「ローバ。もう大丈夫かの」

「……うん」

「……強い子じゃ」


 恐らく、この世界は現実世界よりも命が軽い。

 だが、だからといって死に対する悲しみが軽くなる訳では無い。

 少女の目には、人の死を乗り越えんとする強い意思があった。


「あ、鳥さん」


 ローバの目が私に止まる。

 バーバラさんはその姿を見て、決意したかのようにこう切り出した。


「……ローバには、話しても良いかの」

「どういう事?」

「実は、この鳥さんは、鳥ではない。ローバと同じ、人間じゃ」

「……えっ?」


 驚きの声。

 どうやら本当に私を鳥だと認識いていたらしい。


「でも、どう見ても鳥さんだよ?声も、鳴き声だし」

「バカもん!!それはクォンタムが、亜人種だからじゃ!」

「亜人種?」


 バーバラさんによる三人種の説明は、概ね初日に聞いた光の説明と同じものだった。

 だが、どうやら亜人種の事は一部地域では秘匿されているらしく、存在そのものを知らない人も多いらしい。

 そうなると、ますますバーバラさんが何故亜人種語まで話せるのかが疑問だ。


「……そういえば、お主は【人化】のスキルは持っておらんのか?」


 そのバーバラさんが、ふと聞いてくる。

 しかし聞いたことの無いスキルだった。

 横でローバが、聞いたことの無い声を出したバーバラさんを驚いてみている。


「持ってないですね。その【人化】スキルというのは?」

「……お主は、本当に世間知らずじゃの。亜人種でそれでは、お主が苦労するぞ?」

「と、言われましても……」


 どうやら亜人種必須スキルらしい。

 光の話ではそんなことは言われなかったが……。

 信用のない【亜人種知識】を一応使ってみるが、特に情報は得られない。

 本当に使えないスキルだ。


「……【人化】スキルは、亜人種の異形度を一定値まで下げるものじゃ。亜人種は異形度が高くなるほど魔獣化が進むわけじゃから、逆に下げてやれば、人の姿に近づく、という訳じゃな。お主、異形度はいくつじゃ?」

「……9です」

「9!?そら、全身鳥になるわけじゃ。普通はそんなに高くなる前にスキルを身に付けるもんじゃがのぅ……」


 異形度9は高い方だったらしい。

 うん、なんとなく察していた。


「……ねえ、鳥さんと何話してるの?」


 そこで、1人だけ話を理解できないローバが首を突っ込んできた。

 確かに何も知らずに聴いていれば、ギャオギャオ鳴いてるようにしか思えないだろう。


「じゃから、鳥さんでなくて、人じゃと言っておろう!こやつはクォンタムじゃ!」

「……クォー?」

「クォーでいいですよ」

「……それでいいそうじゃ」


 人認識してもらえればとりあえず文句はない。

 というか、いつになったら私は動けるようになるのだろうか?

 いい加減、動けない事に辟易としてきた。


 ローバは、人と言われた私に興味があるのか、あちことを触ったり、見たりしてくる。

 正直、くすぐったいのでやめて欲しかった。


「クォーは言葉を喋れないの?」

「それは……」

「あ!!」


 ふと疑問に思ったのか、そう聞いてくるローバ。

 しかし、バーバラさんが説明しかける前に、ローバは何かを思い出したのか部屋の外へと駆けていく。


「全く、あの子は……」


 バーバラさんの苦労が溜まる一方だった。


Tips:スキル【人化】

読んで字のごとく、魔力を消費して人に化ける為のスキル。亜人種が使った場合は異形度を一定値下げるに留まるが、一部魔獣が使う場合はその限りでは無い。


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