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SilentRoseQuest  作者: 石食み
第1章
19/33

01-13

竜「お前ボールな!」

「ユーナ?」


 弓を射っていた、マイと呼ばれていた女性が姿を現す。

 彼女は人類種のようだった。

 だが、ユーナと呼ばれた兎女子は、先程竜に食い殺された。


「……え?」


 状況が理解できないのか、思考が止まるマイ。

 私と全く同じ状況だ。

 だが、この状況を脱せねば、待っているのは死だ。

 思考を加速させる。


 さて、“竜”と聞いてイメージするのはなんだろうか。

 パッと思い浮かぶのは、空を飛ぶ事と、火を吐くこと。

 だが、眼前の竜は、どちらかと言えばティラノサウルスに近いもので、翼は見当たらない。

 飛べない分、足は速いと仮定してよさそうだ。


「GIII……」


 その竜は、ガチガチと歯を鳴らしながら、私とマイを見比べている。

 おそらく品定めをしているのだろう。

 私と、マイと、竜。

 表面上は三つ巴の関係だが、私は満身創痍、マイの能力がどの程度かは分からないが、竜のパワーバランスだけは異常だと言える。

 実力も状況も、何もかもが足りなさ過ぎる。


「はー……まさか竜がいるとはね……こりゃ仕方ないか」


 しばらく膠着状態が続く。

 だがどうやら、マイは諦めモードのようだった。

 深く息を吐く。


「なぁ、やっぱり聞こえないと思うんだが。共闘しないか?」


 血を流しすぎたのだろう、切れそうな意識を努めて維持し、そう持ちかける。

 奇跡が起こって話しが通じる様になることは無い。


「ユーナも死に戻りしてるだろうし、ちゃっちゃとやってくれる?」


 マイは無警戒に竜に近付く。

 どうも死に戻り前提での行動らしい。

 というか、死に戻りという発言から、どうも彼女達はプレイヤーだということがわかった。

 ますます何故殺されかけたのかが分からない。

 プレイヤー通しは言葉が通じる素敵仕様もない事がわかってしまった。


「GIGA?」


 無遠慮に近付いたマイに対し、竜の反応は変だった。

 首を横に振ったのだ。

 まるで、マイの行動に疑問を持ったかのように。


「GIGI」


 そして、何を思ったかマイを口に含む。

 マイから一瞬恐怖のオーラが見えたが、すぐに口に隠された。

 そのまま、こちらに近付いてくる。


「は?」


 近付いて来る竜から逃げようとするが、体が動かない。

 そうこうしてるうちに竜が寄ってきて、口に含んだマイを私のすぐ近くに吐き出す。

 マイは口内で噛まれたのか、体から血を流しているが、まだ生きているようだった。


「GIGI」


 ひとかたまりになった私達を、勢い良くスイングした尻尾で打ちたたいく。

 避ける術を持たない我々は当たったことによって打ち上げられた。

 完全に遊ばれている。

 宙を舞う私とマイ。

 まさか、自分の翼で空を飛ぶ前に、空を舞うことになるとは思いもよらなかった。

 だが、遊びは続く。


「おい、待てよ。まさか……」


 竜が宙を舞う我々の所まで()()()来る。

 再び打たれる2人。

 2回の衝撃で、どちらも瀕死だった。

 そしてそのまま、慣性に従って飛ばされていく。

 竜は何がしたかったのだろう。

 飛んでいる途中で、意識が途切れた。


               ◇


 その日、錬金術師であるローバは、〈入らずの森〉へ薬草採取へと来ていた。

 昨日から何故かポーションがよく売れるようになった為、生産が間に合わなくなったのだ。


「〜♪〜♪」


 今は無事採取も終わり、帰路に着いている。

 ローバの家は外壁の外にあるため、元気の無い門番に軽く挨拶して家に向かう。

 昨日は久しぶりに森で死者が出たらしく、街全体がお通夜モードだった。

 だが、それにはあまりローバは興味がなかった。


「さーて、ただいま〜……あれ?」


 家の前につき、違和感に気付く。

 見れば、血みどろになった鳥と人が、倒れていた。

Tips:錬金術師

数あるジョブの内の一つ。様々な素材を融合させたり分解させたりしてアイテムを製作する生産職。多彩なアイテムを作製できる反面、難易度は少し高め。


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