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「仲間を集めよう」

話が動き始めました!

※個人的な感覚で言っています

 第四話「仲間を集めよう」


 前回までのあらすじ

 屈強なカタナマンのブレイドが仲間になった。


 4

 鮮血もとい鮮オイルが飛び散っている廃病院二階廊下を歩く三人。いつ敵が現れてもいいようにしっかりと戦闘態勢を取りながら三人は角を曲がった。


「バアアアアアアアア」

 突如、曲がり角の向こうからスライムめいた液状クリーチャーが雄叫びとともに襲いかかってきた!

 ボブッティブとジョナサンは冷静にそれぞれの武器を構える。しかし——


「キャアアアアアアア!!!」

 何故か歴戦のアサシンであるはずのブレイドが一番取り乱し、そして右腕のエクスカタナを振り回した!


「うわあああああ! 落ち着いてくれよブレイドさんよォォ〜〜!」

「不意打ちごわいーーーーー!」

「ダメだボブッティブ! ブレイドさんめっちゃビビってる!!」

 エクスカタナによる狂乱の斬撃が二人のすぐそばを掠める! なんとブレイドは、不意打ちは得意だが不意打ちされるのは慣れていないどころかものすごく苦手だったのだ。


「しゃあねえ! ジョナサン、俺らでさっさとこのスライムっぽいのを倒すぞ!」

「わかった! やってやるさ!!」

 二人は弾をスライムめがけてぶっ放した。

 だがしかし、二人の攻撃は無情にもスライムを通り抜けていった。


「な、なにーー!? き、効いてねえだとォーー!?」

「ボブッティブ! 液体だからだ! 弾丸が通り抜けちまうんだクソッタレ!」

 なんということだ。スライムは液体ゆえに弾丸が効かなかった! となると二人のアイアンナックルも意味をなさない。これは大ピンチである。


「バアアアアアアアア」

 そして無慈悲にも襲いかかってくるスライム。あの液体に飲み込まれてしまったら最後、二人は容易く溺死してしまうだろう。それゆえに二人は全力で躱した。エレメンタリースクール時代の体育で行った全ての前転よりも全力の前転による回避を二人は成功させた。今ならインターハイにも出られそうだと二人は思ったほどだ。


「やべえ! 避けろブレイドさん!」

 ボブッティブは必死に叫ぶがブレイドは未だ恐怖からエクスカタナを振り回している。廊下はそれなりに広いため壁には当たっていないため、延々と風切り音がビュンビュン鳴り続けているのがたいへんおっかない。


 ああ、ついにスライムによる魔の水属性攻撃がブレイドに襲いかかった。なんということだろう。歴戦のアサシンであるブレイドは、ここで敗北してしまうのだ!


 ——尤も、このまま攻撃を受けたらの話であるが。


「ギャアアアアア! 来ないでええええええ!!」

 半泣きでエクスカタナを振りかざすブレイド。だが悲しいかな、相手は液体。普通に攻撃しても攻撃が通過してしまう。

 ……そう、普通の攻撃ならば。


「ピャーーーーーーーーーッ」

 エクスカタナが触れた瞬間、スライムはまるで仲違いをしたカップルの如く二分された。よりを戻せそうで戻せないところまでそっくりである。


「な……!?」

 ジョナサンは唖然とした。当然だ。切れないはずのスライムが切断されたのだから驚くのも無理はないのである。


「おいおいおい。これがあんたの暗殺魔剣ってやつかよブレイドさん」

 ボブッティブはその間になんとか冷静さを取り戻してブレイドに訊ねた。ブレイドもようやく落ち着いた。


「……ええ。これこそが我が一族の暗殺魔剣。霧魔・苦理(キリマ・クリ)よ」

 意味ありげな東洋の言葉をブレイドは告げた。


「これは私が斬れると思ったものならなんでも斬ることができる魔剣なの。……要は、私の一族ってめっちゃ思い込むことを極めた一族なのよ」

 さらっととんでもないことをブレイドは言った。


 開いた口が塞がらないボブッティブとジョナサン。だが二人はいつまでもそうしていることはできなかった。

 ……物陰から、謎の青年が拍手をしながら現れたからである。


「素晴らしい、素晴らしいです。よもやこのような魔剣使いがここに来てくださっていたとは」

 青年が三人の側に近寄って来た。


「待て。君は何者だ」

 ジョナサンは青年を睨んだ。

「おっと、これは失礼。私の名前はシンジ。ヤババシティに研究所を持つ生物学者です。みんなからはシンジ博士と呼ばれていますよ」

 若くして博士とかやるやん……とボブッティブは思った。


「私はフィールドワークが趣味でもありまして。この町の生態系を調べているんですよ。……そしたらここの森、廃病院を中心に生態系がどんどんメカ化していまして。これはおかしいぞ……と思って本格的な調査に乗り出したんですよ。まさかこんなクリーチャーの巣窟だとは思いませんでしたがね」

 やれやれ、とシンジ博士はため息をついた。


「ちょっと待ちなさい。貴方、武器もなしによく二階まで歩いて来れたわね?」

 ブレイドがシンジ博士に訊ねた。鮮オイルの廊下、その先にいたのだから当然の問いとも言えよう。


「運が良かっただけですよ。私の前を、友人の一人である政府直属の特殊部隊に所属するやつが先行してくれていたんですよ」

「「何だって!?」」

 ボブッティブとジョナサンは驚いて思わず大声を出してしまった。十中八九その人物こそが二人の恩人だからである。


「とりあえずその人の名前を教えてくれないか!?」

「コードネームでもいいからよォ!」

 二人は一斉にシンジ博士に詰め寄った。


「……彼とお知り合いなんですか?」

「おうよ、ジョナサンは直接、そして俺は間接的にクソッタレエイリアンから助けてもらったんだ! だからその人は恩人でよ、俺たちはその人を助けてえんだよ!!」

 ジョナサンは、ボブッティブの言葉に呼応するように力強く頷いた。


「……ふむ。そういうことでしたらコードネームぐらいはお教えしましょう」

 そしてシンジ博士はその名を告げた。


「コードネームは、サイレントバーサーカー。基本略してサイバサって呼ばれていますよ」

 などと、あまり潜入に向いてなさげなワードの入ったコードネームを告げたのだった。

でもこれ……ちゃんと話動いていると思うんですよ。たぶん、きっと、おそらくは

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