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1回目 合格発表

受験から一週間後の合格発表の日がやってきた。

僕は両親と一緒に嶺ヶ丘中に向かった。既視感を感じた。入試の日に見た風景と同じだ。

「ドアが閉まりますーご注意ください」

「ガシャン」

扉が無慈悲に現に僕を連れて行く。合格か不合格という現実に。

合格発表は入試に比べて、時間が早かった。あっという間に目的地に着いた。

そこには、川崎さんとそのお母さんがいた。

しかし、そこいつものように鼻につくような自信に溢れる川崎さんはいなかった。なんだかオドオドとした不安気な様子が誰からも一目瞭然だった。

合格発表間近になり、人がどんどん白い幕で覆われた掲示板前に集まってきた。

「時間になりましたのでこれより、東京都立嶺ヶ丘高校附属中学校の合格発表を行います。」

「パサ」

白い幕が剥がれ落ちた瞬間。

「自分のペースで見なさい」

両親だって緊張していて、結果が気になっているはずなのに僕に優しい言葉を優しくかけてくれた。

「5173。5173。」

「あった。」

「あったよ、母さん、父さん。」

そういった瞬間両親の目からは涙が瞬く光を見せて流れ落ちた。

両親は僕を抱きしめたまま「よかったね。。 よかったね。。」

と何度も呟いた。

僕はこの時、愛されているのだなと実感した。

そして、入学手続きを済ませて、晴れての中学生活が始まるという高揚感と同時に小学校という6年通った学舎を旅立つという寂寥感に駆られた。

両親は僕の合格祝いに焼肉に連れて行ってくれるらしい。

僕は焼肉の前に二箇所に向かった。

1箇所目は6年間僕を持ってくれた水橋先生の元。

水橋先生は、最初から僕を信じてくれていたような清々しい顔で待ってくれていた。

「先生、嶺ヶ丘中受かりました!!先生のおかげで理科社会を固めたのが合格に繋がりました!」

「おめでとう!信じてたよ櫻木くん!私もかつては嶺ヶ丘中目指していたんだけど、落ちたから櫻木くんが

受かってくれたことは自分のことのように嬉しいよ!」

僕の合格を自分のように喜んでくれたことがたまらなく嬉しかった。

2箇所目は3年間通った塾。今日は合格発表であり塾の卒業会

塾の自動ドアを開けると教務室の方に川崎さんがいた。

川崎さんは泣いていた。涙をポツポツと地面に落としていた。

僕は川崎さんってそんなに嶺ヶ丘中に行きたかったのかと腰を抜かした。

ガラガラ・・・

「櫻木どうだった嶺中?」

僕は一瞬ポカンとした。全く話さなかった人から卒業会でいきなり話しかけられたから。てか名前覚えていたんだ・・・と思った。

「受かったよ。」

「やるやん。さすがKSDの2強はちゃうな。」

「あはは。」

「植田はどうだったの?宮原中だっけ?」

「受かったよ!」

「すごいね!」

「いやいや都立御三家に言われも!」

「あはは・・・」

「・・・」

ーガラガラー(ドアが開く音)

塾長の森下先生が入ってきた。

「おっと、みなさん全員お揃いですね。まだちょっと早いですが卒塾会を行いますか。え・・・今日という日は今時点のみなさんにとって人生で一番重要なことだと思っている人が多数言うと思います。結果が振るわなかった人、振るった人もやることは同じです。みなさんの目標は夢を叶えることです。中学受験はその過程の一つに過ぎません。なので塾を卒業しても夢に向かって努力を続けてほしい。今後のみなさんの健闘を祈ってます。・・・」

「さて、堅苦しい話はここまでにして、今日はみなさんの門出です。今までお世話になった先生方の皆さんと一緒に今を楽しみましょう!!」

今までお世話になった先生方がぞろぞろ入ってきた。その中に僕の心の拠り所であった菅田先生もいた。

「こんにちはー、皆さんが4年生の時にお世話になった菅田です。この中にも知ってる顔が数人いますね。え〜私はこういう時何を言っていいのか分からないのですが私からは手短に“お疲れ様“という言葉をお送りさせていただきます。」





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