〜ウィリアム・ターナーの手紙〜
父上様、この度はマーセナリーズ ガーデンへ入学して半年が経過しましたので、御報告と寒中見舞いを兼ねて筆を取らせていただきました。
さて私のガーデンの生活で御座いますが、共に協力をし合い、日々の訓練に快く励むことのできる同窓の友たちに囲まれており、特に不得手であった剣は目覚ましい上達を見せておりますので帰郷した際には民の為、王家の為に我が力を遺憾無く発揮できるものと思われますので、どうぞ御期待下さいませ。
それともう幾つか父上様に御報告したいことが御座います。
一点は先日行われた実戦試験にて【A】の評定を頂きました事をお知らせ致します。
辛くも最上評価の【S】を取り逃がしてしまいましたことは非常に申し訳なく思うところで御座いますが、教官らから初陣を飾るに相応しい優秀な結果であるとのお褒めの言葉を頂きまして、これを胸に秘め、慢心すること無く以後の教練に励み、再来月に控えた実地試験にて最上評価を頂けるよう努める所存で御座います。
もう一点は我が班員についてとなります。
私の所属する第104班は私以下4名の計5人で構成された剣士の集いであります。
班員は皆々個性豊かな方達ですので、順に紹介したいと思います。
まずはアイシャ・クライアント。
イーストエンドのミルウェイという国の男爵家令嬢で、イースト地方特有の赤い髪の毛を持つ活発で人当たりの良い心優しい女性です。
彼女はとても手先が器用で武芸は勿論、料理や裁縫などが非常に上手く、先月末に彼女に振舞って頂いた晩餐はついつい夢中になってしまう程で御座いました。
次にエレン・ケラー。
彼女はセントウエスティアの小さな町出身とのことですが、その地方の人としては珍しいバニラ色の髪の毛とアイスブルーの瞳を持った口数の少ない小柄な少女です。
彼女は対人対モンスター戦闘のベテランでして、小柄な体格を活かした細かな動きと素早い剣さばきは正に圧巻の一言で御座いました。
続きましてはスピエン・イルギース殿。
この方はセントウエスティアの帝都であるイスランディの皇軍准将家の長男でして、全ての点に於いて私を凌駕しておりました。
育ちの違い故か、時折小さないざこざが起こることもありましたが、平時は私たちと対等な立場で物事を話してくださるお方です。
最後にミズカミ・コヨミ殿。
この方につきましては、身内事情などを御多くは語って下さらない為詳しくは知り得ませんが、御名前と礼儀正しい立ち振る舞いからして東の民、特にヤマトの民の貴族の末裔だと推測しております。
東の民独特の艶のある漆黒の髪の毛と瞳は存在するだけで我々西の民を魅了してやみません。
更には神技と言っても差し支え無い様な数々の武芸を心得ておられ、手にする剣も幻とさえ謳われる刀であり、非常に謎の深い方で御座います。
久々の手紙としては非常に短いものとなってしまいますが、ガーデン生活での僅かな空き時間を縫って綴ったものでした為どうかお許しください。
また近い内に手紙を送らせていただきますので、どうぞ父上様もお身体に気をつけてお過ごしくださいませ。




