表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/81

【あとがき】

 『二人きりの座席(ばしょ)』が、完結いたしました。2008年4月21日から連載を開始し、約1年。主人公・朝倉 夏樹が経験した初恋を描いたストーリーであるこの小説。この小説の基本軸は『誰にでもありうること』です。

 誰にでも大切な人はいると思います。けれども、ずっとその光景が当たり前であることはないのではないでしょうか。いずれは別れが来る。それが転校であったり、転勤であったり、そして、その最たるものは「死」です。

 当然ながら、人間は永遠の存在でなどありえるはずがありません。その「死」というものに直面したとき、人間がどのような行動を取るのでしょうか。「死」に前触れはありません。突然、訪れるものです。


 失ってから人は気づきます。


 もっとこうすればよかった。


 ああしてあげればよかった。


 「死」でなくとも、これは当てはまることだと思います。

 どんなに小さなことでも当てはまります。丸一日休みだったのに、ゴロゴロしてて何にもしなかった。今日一日ムダにしたな。そして、後悔します。


 この小説の主人公・朝倉 夏樹の場合は何気ない一言でした。「ちょっとふっくらしたね」。年頃の女性にこんなことを言うのは失礼きわまりありませんが、いかんせん夏樹はそれを理解するには幼すぎた。そして、それが明日香の拒食症を引き起こす原因ともなった。

 しかし、明日香は決して夏樹を責めなかった。さらに、彼女は病気を乗り越えようとした。かたや、夏樹は自分のせいで、自分のせいでと悔やみ続ける。


 後悔することは悪くありません。必要なこともあるでしょう。しかし、後悔の後に必要なことがあります。


 それが「反省」です。これは前向きな姿勢ではないでしょうか。


 夏樹は明日香からの手紙を読み、自分の態度を「反省」したのです。


 いつまでも明日香のことを引きずる自分。それが少しも前向きではない。「反省」ではなく、それは「後悔」だったのです。


 容易なことではないかもしれません。けれども、踏み出さなければ始まらない。何がいけなかったのかをよく考え、反省する。そうすることで「間違い」は間違いではなくなるのではないでしょうか。なぜなら、その間違いも反省によって自分の糧となりうるからです。


 夏樹は自分の言葉が明日香を傷つけた、と思い込んでいたことを彼女の手紙で知ります。言葉の重みを知り、安易な発言を慎むべきだと反省したでしょう。そして同時に、いつまでも引きずったままでは周りに迷惑をかけかねないことも気づいて、反省できたと思います。


 失恋した。別れなければよかった、と言う人がいます。後悔しているんだと思います。でしたら、ぜひその次の一歩、すなわち反省をしていただけたらと思います。何がいけなかったのか、どちらが原因だったのか――。反省することで、いろんなことが見えてきます。


 夏樹は小説の終盤で、これに気づきました。彼の中でこの「いろんなこと」が見えたのです。明日香に愛をもらっていたこと、愛を与えることができていたこと。周囲の支え、自分の未熟さ。


 冒頭で、夏樹はこう言っています。



「一歩、踏み出そうと思う。そのために、整理するべきことを、整理していこうと思う」



 もし、自分に悩むことがあったのなら。


 

 一歩踏み出して。



 整理すべきことを整理して。



 前を向いて歩いてください。









 この小説で、いろんなことを考えられたと思います。



 皆さんに支えられて、完結することができました。



 ありがとうございました。




                             2009年3月22日 筆者




3月22日より新連載『青い恋〜ボクラ、コイシタ〜』を開始しました! 他の小説ともども、よろしくお願いいたします♪ 『青い恋』のURLはコチラ → http://ncode.syosetu.com/n4557g/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ