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嘘つき魔術師  作者: その他大勢
第六章【真夏の虚像】
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11

次回、ようやく第六章完結です。今回はこちらの都合で執筆時間がなかなか確保できずに、かなり長引いてしまいましたね……。

 マリアはどうして(ユウ)の事が好きなのだろうとたまに思う。ただ考えてみても、それは理屈では証明できない。物心ついたときから一緒に居てくれたし、一杯世話をしてくれた──そんな優しい兄だったから好きになったのかもしれない。

 マリアが今よりももっと幼い頃──一〇年前くらいだったはず──、ユウは大怪我を負った事により大魔術での治療を余儀なくされた。ただ大魔術には対象者が術者との記憶を失うというリスクがあり、結果──ユウはリリア達の記憶を失った。

 それ以来、姉達がユウに対して態度を一八〇度変えた。理由は今でもよくわからない。これで独り占めできる──そう思っても上手くはいかない。それになんだか足りないような気がしてきた。

 姉達はユウを避け、ユウは姉達から逃げるように屋根裏部屋に籠った。

 ユウはもう以前のユウとは違っていた。マリアはその以前のユウを取り戻すため、自分だけはいつまでも変わる事なく接しようと尽くした。

 ずっと大好きな兄と一緒に居たいから。



 ユウと一緒に『星華祭』を回っていた途中、ユウの顔色が急に悪くなった。

「お兄ちゃん、顔真っ青だよ……」

 顔を覗き込んで見てみると、激しい嘔吐感に苛まれているようだ。マリアが心配そうに見つめているからか、ユウはあまり心配かけさせないようとして無理に笑顔を作る。

「トイレに行くからここで待ってて」

 そう言い残してユウは消えていく。

 ここ半年くらい前からユウは隠し事が多くなった気がする。でも決して教えてはくれない。適当にはぐらかされてしまう。

 ……この調子だといつユウにガールフレンドができても気づきはしないとは思う。そして急に紹介されたとき、マリアは決して受け入れないと思う。絶対に。

 ──…………。

 変な方向に妄想が飛躍しすぎた。

 でも最近、姉達のユウに対する態度も軟化してきている。

 それが本来のあるべき姿。それが嬉しくもあり、徐々にマリアがつけいる隙がなくなるんじゃないかという焦燥感に陥る。二人の姉はマリアよりもずっと大人だから。

 それにユウの周りだって──。

「あ、マリアさん……ですよね」

「……? あなたは誰?」

 自信が持てない事に自己嫌悪を覚えていると、急に知らない声から話しかけられてドキリとする。声がした方を振り向けば、そこには小柄な銀髪の女子がいた。見た事のない生徒だが、マリアと同じ中等部の制服を着ている。中等部内じゃマリアは有名人なので、中等部の生徒でマリアを知らない者はいない。

「それより、さっきあなたのお兄さんを見たんです」

「お兄ちゃんならトイレに──」

「女性の方と一緒でした」

「どこで見たのっ!?」

 マズイ。これは非常にマズイ事態に陥った。ユウと逢い引きしている女性が誰かは知らないが、ここ最近になったユウに接近する女の人が増えてきた。ボヤボヤしていたら兄が取られてしまう。それだけは何とか阻止しなくては。

 急に話しかけた少女の案内により、マリアは人気のない寂れた倉庫にやってきていた。おそらくここでユウと泥棒猫がここに居るに違いない。すぐに引き剥がしに入り、ユウにも説教しなくてはならない。

 倉庫の中に乗り込むと、そこには誰も居なかった。隠れているのか……けれどもユウの魔力を何も感じない。

 ──騙された……?

 何で騙そうとしたのか銀髪の少女に問い質そうとしたところ、突如背後に衝撃が走る。それはマリアの意識を削ぎ落とすには充分すぎる一撃だった。



      ●



「何でこんな事──」

 空中で吊らされたマリアの真下には巨大な刀身が屹立しており、セシルの『浮遊魔術』によってマリアが浮かせられている。セシルが魔術を解除した瞬間、マリアはあの刀身に貫かれる。

「それに俺を誘き出すんだったら、わざわざ認識阻害の魔術を使う必要はなかったんじゃないか?」

『無銘』に巻きついていた灰色の魔力の鎖が可視状態になり、鷲掴みにして力任せに引き千切る。視力が回復し、ピントが合わなくあった眼鏡を外してポケットの中へ押し込んだ。

 ユウはコルウスとなり、セシルに問うていた。

「一応あなたの意思を尊重した結果なんですがね。だってその姿、他の人に見られたら都合が悪いんじゃないんですか? マリアちゃんにとってコルウスという人間は、何の関係もないじゃないですか。それに助ける義理があるほど、お人好しじゃないですし」

 コルウスがやってきた事は結果的には人助けになるものの、客観的に見ればコルウスは他人の魔力を奪う襲撃者だ。あまり良いイメージは持たれていないし、今は闇の眷属の弊害で完全に敵扱いされている。

 そんなコルウスがある特定の人物を助けようとすればどうなるか。まずはその人物とコルウスの関係が疑われる。最悪正体がバレる可能性を孕んでいる。

 ユウがコルウスになる事を想定済みだったという事なのか。

「それに、あなた以外の人が来られても困りますし。あなたならどうにかしてここの場所を突き止められると思ってましたし」

 拳をきつく握りしめていた。その手が怪我を負っていたために血の雫が地面へと垂れていく。

 その拳はかなり痛いはずはずなのに、セシルの手のひらで踊らされていた事実を突きつけられた悔しさで痛みは忘れていた。

「さ、もう一回訊きますよ? 私達と一緒に来るつもりはありませんか?」

「断る」

「──残念です」

 セシルがマリアに施していた『浮遊魔術』を解除する。

 すると支えを失ったマリアが真っ直ぐ鋒に向かって落下していく。

 その瞬間、黒雷が迸った。



「あの野郎……」

 ユウを見失ったリリアは仕方なく校庭にやって来ていた。今ここでは『Shout』の生ライブのために着々と準備を進めているところだった。セットはすでに設置完了しているようだ。それに『Shout』の三人も見える。最後の打ち合わせだろう。周りもすでにギャラリーが集まってきており、開演時間まで待機している状態だった。

 ──全然見えなかった。

 ようやくユウの速さに追いついたと思っていた。けれどそんな事はなかった。これでは自分を最速と称したコルウスにまだまだ届かない。

 コルウスに負けっぱなしなのが異常に腹が立つ。自分より強者なら悔しいが素直に認めるのだが、コルウスの場合はそうはいかなかった。この感覚──まるでユウに抱く感情と同じだ。

「……あ、……姉さん」

 リリスと出会う。とりあえずマリアが見つかった事を伝える。誘拐されていた事、そしてユウが単身でマリアが居る場所に向かった事──全てを話す。

 正直ユウだけじゃ不安だ。なぜ単身で向かったのが未だに謎だ。一緒だったら、一人よりは確実にマリアを救い出せる確率は高いはずなのに。

 ──なのに何でだよ?

 理由をいろいろと模索してみるが、行き着いた答えが『邪魔だったから』としか出てこない。そうでなければ、わざわざ一人で行こうとはしない。あのユウがリリアの身を心配してわざと置いていったなんて考えられない。リリアの事が嫌いなはずだから。そんな事なんて絶対に考えない。

 ふと地面が揺れたような気がした。

「今、少し揺れなかったか?」

「……うん」

 地面の下で魔力が集束していくのを感じる。いったい何が起きようとしているのかがわからないが、嫌な予感はする。

 それにこの魔力は──。

「みんな! こっから離れろっ!!」

 リリアは大声で叫んでいた。ざわめきが巻き起こる。皆が混乱する中、下に集まっていた魔力が一気に解き放たれた。

 地面を突き破り、『Shout』のセットを破壊して『何か』が突き出てくる。

 幸い怪我人は見当たらないが、この場は更に混乱を極めていく。

 突き出てきた『何か』は魔力でできた硬質化した巨大な刀身だった。刀身は大空へと伸びて、やがて動きが止まる。

 校庭の真ん中で、まるで塔のように聳え立つ巨大な刀身。その鋒の先には何やら人のようなものが浮かんでいるように見えた。

「マリア……?」

 否、それは人のようなものではなく、正しく人であった。しかもその人はマリアである。

 おそらく『浮遊魔術』により今は浮かせられている状態だろう。そしてその魔術を施したのはマリアを拐かした犯人だろう。

 誘拐犯が魔術を解除したとき、マリアの命はこの刃に貫かれる。

 ──何やってんだよあの糞虫は……!

 ユウは何をやっているのか、どうしてこんな状況になったのかを問い質したい。けれどユウはここに居ないし、どこに居るのかさえわからない。初めからユウがリリアを吊れて学園の奥にある倉庫へ連れていけば、こんな事態にはなるような事はなかった。

「くそっ! 蒼き空を紅く染め 天空より放たれるのは無数の 災厄もたらすのは崩落 残るのは虚無 この地に絶望を刻め」

 この巨大な刀身はそうとう硬い。魔力を凝縮して形を成した造形物は、密度に比例してその硬度を増す。ここまでの大きさだとかなりの魔力を練り込まれている。そんじょそこらの攻撃魔術ではびくともしない。壊せるとするなら、リリアの最上級魔術くらいか。

「──滅びを迎えろ! 火葬-meteorites──」

「……ダメ!」

 最上級の発動のために練り合わせた魔術が、リリスの大声で瞬く間に霧散していく。

「何するんだよ」

「……姉さんこそなに考えてるの? ……姉さんの魔力、今すごく荒いよ?」

「え……?」

 マリアが宙吊りになっており、ユウが救出に失敗したのかと思って動揺していたようだ。こんな精神状態では魔力は非常に荒れ、暴発を引き起こしかねない。それで最上級魔術を発動すれば、最悪関係ない人を巻き込んで地獄絵図ができあがる。

 今は運動会みたいに魔術のダメージを緩和する結界は張られてないし、皆が皆魔術ダメージを軽減する服装を着用している訳ではない。

「……姉さん、まずは落ち着こ?」

「……ああ……」

 どうやればマリアを救い出せる?

 カイトとリリィなら──しかしあの二人もこの状況で冷静でいられるだろうか?

 過去にリリアが誘拐されたときも、あの二人は暴走状態に近かったと聞く。

 ──いったいどうすれば……。

 しかし考える暇すら与えてくれなかった。

「あっ……」

 マリアの体が──落下を始めていた。

 その直後、黒雷が閃いた。



 マリアは目を覚ました。

 どうして寝ていたのか思い出せない。確か銀髪の少女が、ユウが女性と逢い引きしていると聞いて彼女についてきてみればそれはガセネタで……。

 そこまでは覚えているのに、その後の事がわからない。

 まず目の前に銀色に光る尖った物がこちらに向かれていた事に驚く。それが刃の鋒である事は明らかだ。

 それに体の自由がロープで奪われているうえに『浮遊魔術』で浮かされているようだ。この魔術が解かれた瞬間──想像するだけで恐ろしい。

 というよりそんな呑気に想像している場合ではない。早くここから抜け出さないとならない。

 しかし風の魔力でこのロープを切ったとして、『浮遊魔術』を体験した事の無いマリアでは空中移動は難しい。風の魔力で何とか移動できるかもしれないが、そもそも魔力が上手く練れない。

 集中できない。今自分が死に直面しているので、頭がそればっかりになる。

「助けて……助けてよお兄ちゃん……!」

 泣き叫んでも、こんな遥か上空ではユウには届きはしない。

 そして自分を吊り下げていた糸がぷっつりと断ち切られたかのように、マリアは鋒に向かって落下していく。

 ──なんでこんな事に?

 ──なんで死ななきゃならないの?

 誰か教えてほしい。

 死ぬのは嫌だ。

 瞼をギュッと閉じたとき、突如として体が何かに包まれる。そして何かの破砕する音も聞こえた。

 誰かがマリアを腕の中で抱いている。その誰かがあの巨大な刀身を破壊した。

 いったい誰が?

 でもこの温もりはユウのものと酷似している。

 ──お兄ちゃんが助けてくれた?

 ゆっくりと目を開ければ、目に映ったのは白髪の少年だった。

 ──え?

 だが瞬きした瞬間、その人はユウの姿になる。見間違いだったのか、気のせいだったのか。いずれにせよマリアは救われていた。

 ユウの背には一〇枚の翼。左目の瞳は金色に輝き、白目の部分が黒く染まっている。そんな姿ではあるが間違いユウだ。



 一瞬にして『黒い雷』を生み出し、それを身に纏う。『瞬迅絶雷』とジンから妙なネーミングされたコルウスの『強化』の最終形態。

 黒衣を纏ったコルウスは雷速でマリアに接近する。

 マリアを掴み寄せて抱きしめ、『無銘』に魔力を付与させる。

 闇属性の魔力を打ち砕く力を纏った刃を形成していく。それは黒い刃となり、付与したまま巨大な刀身へ突っ込んでいく。

 セシルが生み出した刃がコルウスの黒刃に触れた瞬間、音を立てて崩壊していく。

 素早く武人化を解き、地面へと降り立っていく。これでひとまずは一安心だ。

「お兄ちゃん……」

 眼鏡をかけ直してすぐにマリアがしがみついてくる。死ぬかもしれない場面に立たされて、さぞ怖い目に遭ったのだろう。マリアはユウの胸で泣いていた。

「もう大丈夫だからな」

 血に濡れていない左の手でマリアの頭を優しく撫でる。

 そしてリリアとリリスが駆け寄ってきた。二人とも安堵している顔だ。

「……良かった。……ホントに良かった」

「ったく、驚かせるなよバカ。あたしもついていってればこんな事には──」

「リリア」

 ユウが思っていた誘拐犯は予想通りの人物だった。その人はリリアの友人でもある人だ。

「お前、気づいたんだろ。マリアを殺そうとした犯人を」

「…………」

 珍しくユウが言った事に対して言い返してこない。この反応、やはりわかっているようだ。

「もし仮についてきたとして、お前は戦えたのか?」

「……うるせえ……信じるかよ……!」

 あくまでも友人としてセシルを信じるという訳か。そうなれば、ユウは今以上にリリアから恨まれる事になるだろう。

 ここまでしてしまったセシルをユウは赦すつもりはないし、元々『殲滅対象』だ。

 もう、リリアと相容れる事は一生ない。

 ふと視界の隅で見覚えのある藤色の髪の女生徒を発見する。どう見てもセシルだ。

 ユウを挑発しているのか、この大衆の前で殺せるものなら殺してみろと煽っているように見える。

 もしそうすれば、お前は人殺しのレッテルを貼られるぞ、と。

 ──あ、そうか。

 ユウの頭の中で『最悪なシナリオ』が書かれつつある。これで──。

「ユウ! マリア!」

 ようやくカイトとリリィが来た。二人はマリアに巻かれてあったロープをほどいて、我が子をその腕で抱く。

「ユウさん、ありがとうございます」

「いいよかあさん、元々俺のせいでこうなったんだし」

 頭の中で描いていた『最悪なシナリオ』が形になる。あとはそれを実行するだけだ。

「『とうさん……』」

「ん? どうした?」

 演技だとバレないように、なるべく自然体かつ自分の心を殺す。

「『それにかあさんにリリア、リリスとマリア』」

 皆が皆、きょとんと面食らったような顔して笑いが込み上げそうになる。でもダメだ。今は演技に集中しなくてはならない。


 最低で最悪な嘘をつくために。


「『俺、やっぱりお前らの事嫌いだわ』」

 もう覚悟は固まった。揺らぐ事はあと絶対にない。

 眼鏡を外して握り潰した後、『無銘』から灰色の鎖が飛び出してきた。

 それに手をかけた直後、リリアがユウの胸倉を掴んできた。

「テメェ、言って良い事と悪い事の区別もできねえのかよ? なにこんなときにつまらねえ──」

「『うるせえんだよ』」

「は……? おま、その『声』……、それに何だよその鎖……?」

「『お前ら全員大嫌いだったんだよ。俺が屋根裏部屋に籠るようになったのだって、お前らから遠ざかるためだったんだぜ。同じ部屋で呼吸する事も嫌だった』」

 リリアを突き飛ばす。その直後のリリアの顔はどこか儚げで、悲しそうで、悔しそうで、とても複雑な表情していた。たぶんその顔は一生忘れる事はないと思う。

「『けど俺はガキだったから、一人じゃ生きていけないからあの場所に甘んじて居座っていたんだ』」

 灰色の鎖を力一杯引き千切る。今なら野次馬もユウとマリアに注目が集まっているから好都合だ。

 封印されていた力が覚醒し、本来の姿をようやく人前で見せられる。

「コルウス……? え、何で? どうしてお前が……!?」

 リリアはひどく混乱しているように見える。それもそのはずだろう。彼女はずっとユウとコルウスは別人だと思っていたのだから。この状況で驚かないのは、噂でコルウスの事を聞いておそらく正体がユウだと予想していたカイトとリリィ、あらかじめ知っていたリリスくらいだろう。その三人ですら、複雑の顔をしている。

よりにもよって、どうして今正体を明かしたんだ、と黙って訴えているかのようだ。

「お兄ちゃん……嘘……だよね。私達の事、嫌いだなんて……」

「『お前が一番うざかったよ』」

 マリアの顔が一瞬にして絶望に染まる。

 胸を奥がズキリと痛む。元々こんな顔見たくないはずなのに、もうこれ以上彼女達を悲しませたくないがためにユウは自身が辛くなる言葉を吐く。

「……でも、今日は楽しかった」

 そして思わず零れる本音。それは余りにも小声で、マリアが聞き取れているかわからない。

 また迷おうとしている。でも迷ってはいけない。

 ここでもう、決別するのだと腹を括る。

 もう一度ユウは『瞬迅絶雷』を発動させる。

 鞘から刀を抜き出し、白銀の光沢を放つ刀身が露になる。

 そして雷速の刃がセシルの体を貫いた。

「え……?」

 セシルから見ればそれは一瞬の出来事だっただろう。

 一瞬にして弱点である心臓を突かれていた。

 赤い血と共に白い砂が噴き出し、地面に落ちていく。

「キミには感謝しないとね」

 声がいつものユウの物に戻る。今となってはもうコルウスの声を出す必要は無い。

「なんで……礼なんて……?」


「これで……みんなとの繋がりを断ち切れる」


 セシルの体がだんだんと白い砂に変わっていく。その様子をユウは黙って見守り続けていた。

 そしてセシルの体は完全に砂となり、地面に落ちていった。

 一つの命が、完全に消えて無くなる瞬間だった。

お待ちかねのフラグ総折りイベントです←


次回は近いうちに上げます。おそらく本日の21時以降になるでしょう。

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