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第四十話

目が覚めたら自室のベットだった時の俺の心境を三十文字以内で答えよ。

「めちゃくそ恥ずかしいんだが?なんでこうなったんだよ……」

布団の中に潜り込み丸くなる。

だってさ?俺なんかの為に命掛けたんだよ?

意味分からなくない?

それに俺みたいな子供を主って……。

それにそれに、俺を支えたいとか護りたいとか……あ、愛してるだとかすっげー恥ずかしい事言われたんだが?

は?イケメンだから絵になるけど俺に言うなよ。

野郎に何を期待してるっていうんだ。

確かに体はピチピチだが中身はいい年したおっさんだからな?!

……………言ってて俺も追加ダメージ喰らったわ。

辛し。

まぁ言ってくれたことは嬉しかったよ?

彼処まで言われたり行動で示されたりしたら、誰だってそれが本心何だって嫌でも分かるよ。

「でもなぁーーーー!!」

自分で見聞きして来たものを否定する気はないが、これは違うだろ。

本当なら、今頃俺はとりあえず力を付けようと足掻いていて独りで全部を片付けて攻略対象達から二人を護ろうとしていたはず。

なのに何で俺が陰になって、しかも騎士の二人から忠誠を誓われてるんですかねぇ?

これにはこの世界もビックリだわ。

只の一端のモブ、顔もない消えるはずだったイレギュラーが生き残り、剰え騎士の主という何とも言えないポジションに収まるなんて誰も、それこそ神すらも予想できなかっただろう。

「クーリングオフ制度って使えるんかな…………」

ほら、一時の気の迷いってあるだろう?

今回もそれ系なんじゃないかなぁ……。

「ワンチャン返品可能?」

「ネコちゃん」

「そのワンチャンじゃないと思いますよ。

あとルイーナ様、返品も何も離れませんからね」

…………今何か二人の声が聞こえた気がするけれど、聞き間違いだと思いたい気持ちでいっぱいだぜ。

今のはアレだ。あのー…………思いつかん。

「はーい、目が覚めたなら起きましょー」

「待って引っ張んないでってあ”あーーーーっ?!」

毛布を力強く引っ張られぬくぬくと温まっていた体が部屋との温度差で大きく一度だけ震えた。

「もう少し心の準備ってものがあるんですよ……」

「それでまた的外れな妄想してたら本末転倒でしょ?

君って頭の回転はいいのに、その回転のさせ方を間違えてることが多いよね?」

「寧ろ自己評価が絶望的に低いからでは?」

「確かに。行き過ぎた謙虚は最早嫌味だからね」

「えっと………ごめんなさい?」

「意味分かってる?」

すみません。分かってないです。

動きやすそうなシャツにズボンと言った姿でもイケメンは絵になるからいいよな。

って、あれ?

あんなの二人は付けてたっけ?

彼等の耳には橙色のティアドロップ、涙形のピアスが片方ずつ付けられていた。

イメチェンってやつなのだろうか?

でも騎士がピアスを付けるのって結構リスクがデカくないか?

マグネットタイプとかのイヤリングならまだしも、ピアスは色々と不味いだろうに。

社交界ではピアス一つで騒ぐ者もいるらしいし、イケメンがピアスを付けていれば令嬢方が黙っていないだろう。

「これが気になる?」

「そうですね……。騎士であるお二人が付けるには些か不憫なのでは?」

「それはそうだけど、コレは大切なものだからねぇ」

「我々の主に関係するものですし」

「………はい?」

「例えばさ、今って体調悪かったりする?寝不足とかない?」

「体調は大丈夫ですし、寝不足でもないですよ」

「うん。嘘だね」

「まさかの笑顔で即答された……」

確かに嘘だけども。

寝不足だけどさっきまで寝ていたからか大分スッキリはしているし、多少頭は痛むが苦痛が顔に出る程の痛みではない。

だからそうそうバレるなんて事はないと思うんだが…。

「顔にはでてないけど、コレで分かっちゃうんだよね〜」

「何でピアスで分かるんです?」

左耳から下がるピアスを指先で撫でながら言われた言葉に首を傾げる。

「コレはあの儀式の副産物でして、隠し事の上手いルイーナ様の嘘が付けている我々に分かる仕様になっていますから」

「狡くないです?と言うか俺のプライバシーは?」

「あ、俺達のも渡しておくのでおあいこですよ」

「わぁ綺麗………じゃないですからね?」

思い出したように手渡されたのは、銀鼠色と青磁色の涙形のピアス。

二人の瞳の色と同じ色だ。

「付けなくてもいいですけど、常に持っていて下さい。

それがあれば何があっても貴方の元に駆けつけられますから」

何故と聞けば、やはり支えたいからだと頼ってほしいからだと答えが返ってきた。

…………色々と思うところはあるが、これ以上ウジウジしていては折角の好意を踏みにじる事になる。

だったら、少しだけ……少しだけ頼らせてもらおう。

「ありがとうございます。

アーテルさん。

テネブラエさん」

名前を呼び素直に感謝の言葉を伝えれば、二人は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。

意識して二人の名前を呼ぶのは初めてだな。

「いいねぇ〜。じゃあその調子で敬語も外して姓の方じゃなくて名の方を呼べるようになろっか!」

簡単に言ってるけど、俺にとってそれはハードを通り越してベリーハード以上の難関だからね??

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