EP11 なんかのせきぞう
データ全ロストから立ち直りました。
竜って長生きらしいね。
山賊に破壊された馬車を修理しムラクモ村に到着した一行は真っ先に一人だけ残した山賊をさっさとギルドに引き渡し、その報酬をもらうための手続きをしていた。
「では、書類に必要事項と、代表者としてあなた方の中で最もランクの高い人の名前とランクを記入してください」
「はい、ちょっと待っててください。呼んできます」
ナディアさんがこっちに来た。どうやらドジで運の悪いおっさんに用があるようだ。
「バーンズさん、ちょっと…」
「ん?なんだ?」
そうか。このおっさんはバーンズというのか。覚えておこう。
「この書類なんですけど…」
「正直めんどくせぇんだが・・・」
それでいいのか高ランカー。
そんなことより、この村にやってきて俺が最も気になるのはあの金属質なブレード状の角の生えた石像。
どっかで見たよ?ああいうの。こういうのって大概中に何かはいってるよね。後でこの村の人にでも聞いてみるか。
なんて考えながら石像を眺めていると、
「あの石像が気になるんですか?」
と。村の女の人。
「あれはいったい何ですか?」
「あれは、この村の御神体です。詳しく話すとちょっと長くなりますけど」
「あ、別に大丈夫です。時間ならたっぷりありますんで」
「では、少々かいつまんで。これは私が祖父から聞いた昔話なので信憑性は低いですけど―――
昔、大体五千年前のこと。この村に巨人がやってきて、村を襲ったそうな。
そして、村が壊滅寸前まで追い込まれたある日、突然空が割れ、そこから鉄の巨人がやってきた。
その鉄の巨人は、その手に持った大きな筒から出る火の玉で巨人たちを射抜き、腕から光の刃を伸ばし、巨人を薙ぎ払った。
そして、すべての巨人を倒すと、その鉄の巨人はまるで眠るかのようにその動きを止めた。その巨人の周りにいつしか巨大な岩が囲むように置かれた。
それから三千年の間、土砂崩れが何度も起こった。その度、人々は土砂を削り、それがいつしか岩となった。
そして、今の形になった。いつしか守り神としてあがめられるようになった石像は今もなおその形を変え続けている。
―――というのがだいぶかいつまんで説明したあの石像の話です。ちなみに、私がこの話を聞いたのが大体千年前でした」
「なるほど。・・・ん?ちょっと待ってください」
「はい?なんですか?」
「女性に対して無礼とは思うのですがお幾つで…?」
「あら。そうですね・・・。今年で2200歳といったところでしょうか」
「・・・え?」
おいおい冗談きついぜネェちゃん。俺からみるとどこをどう見ても(ナイスバディな)二十歳そこそこの美女にしか見えないんだが。
「うふふ。龍は長生きなんです。あ、申し遅れました。私、この村で村長をしておりますエルクゥ ザンジバールと申します。」
龍なのか。納得。
「あ、この村の村長さん?ってことは、依頼主の方で?」
「あら。あなたが村付きのハンターさんですか?よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。トーラスです。ランクはD-6」
そして、今後の住居の前まで村長に案内してもらいました。
「ここです。元々は知り合いが住んでいたのですが引っ越して今は空き家になっているんです」
簡単に感想を言おう。文句?あるわけないじゃん。だって二階建てだよ?どう考えても広そうだよ?
その上人が一人暮らすのに必要になるであろう家具一式揃ってるんだよ?非の打ちようがないね。
「いいんですか?ここまでしていただいて」
「いいんですよ。ただし、何があっても補償はしませんので。あしからず」
・・・システム、スキャンモード起動。生体反応、ならびに補修が必要な個所の捜索。
―スキャン開始―
―スキャン完了。リビングルーム床に補修が必要な個所あり。害虫ならびに害獣の反応なし。推定3LDK。庭あり―
よし。まずは床をお貼り直そう。荷物も少ない(バックパック一つ)し時間もたっぷりある。いっそ住む前より綺麗にしてにしてしまおう。
後庭に畑作ろう。
「で、あなたの荷物なんですけどあれで全部ですか?」
「えぇ。そうですけど。何か?」
「いやなんか予想よりずっと少ないと思いまして・・・」
「中にちょっといろいろ入るように改造しまして。見た目よりずっと荷物が入ってますよ」
「お~い。トーラス~手続き終わったぞ~ぅ」
「は~い。今行きま~す」
「では、またあとで」
「はい。早いとこ片づけてもらわないと村が壊滅しそうなのでなるべく早めにお願いしますね」
一方その頃、『御神体』の中身は・・・
―メインシステム、起動―
―起動デバイス、検索開始―
―デバイス反応確認。ガイドビーコン送信―
―現在一部機能使用不可―
―スリープモードへ移行―
この日、御神体の顔の向きが若干変わった。
TO BE CONTINUE ⇒
さて。石像の中には何が入っているんでしょう。
ヒゲロボット?はて・・・何の事でしょうな・・・。




