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俺は胸をなでおろした。
が、本格的な戦は今回が初めてになるはず、一歩間違えれば本当にそこに待っているのは死。
彼女達をそんな目に合わせたくない。
いや合わせてなるものかと。
戦であるからには悠長にそんな甘い事は言っている場合でないことぐらいは分かっている、分かっているからこそ、だ。
それはご都合主義と言いわれても良い。
彼女達の未来を、こんな原因も分からない戦に駆り出されてしまい貴重な青春の時間を潰させてしまう事なんて、やりきれない思いを通り越して、怒りとなっている。
後方から元首の艦が出張って来た。
大型戦艦を駆っている。
丁度、この白鯨と視界限度の距離を取っていた。
モニタ越しに連絡は取れている、元首が心配そうに通信を送って来た、お怪我は大丈夫ですか?と、部下たちの手前、平静を保っているように見えたがその口調がわずかに震えていたのが見て取れた。
俺は、
すまない大丈夫だと答えるのが精一杯だった。
艦内の汎用機構と害獣は一掃され、繭もこの白鯨から切り離し、撃ち落とした。同時にあのバツ包帯野郎がモニタ越しに割って入って来た、お前、まだ生きてたか、と。
俺は、
何だと、おめえ如きにやられてたまるか。
お前の艦に重巡を突き刺したままだ、もしこの白鯨の娘たちに万が一、ましてや、苗床にするような事にでもなったら、自爆してでも刺し違えてやるつもりだったんだが、命拾いしたな。
相変わらず、侍らしている女をいたぶりながらバツ包帯野郎は、
はあ、何言ってんだ?ああ、くだらねえ噂話信じやがって。さらった女どもを害獣の苗床にしてるって話か?なんで、俺が苦労して手に入れた女どもを害獣にくれてやらなきゃなんねえんだ。バカも休み休み言え。
そんなことより、おめえの近くにいる大型戦艦の元首にもっと大切な事聞いてねえのか?
周りの戦況はほとんど終わりを迎え、野盗の艦隊は此の戦場の座標から姿を消し、一応の終局を迎えたようだ。今対峙しているのは此の白鯨、元首の乗っている大型戦艦、そしてバツ包帯野郎の艦だ、いつの間にか、刺さっている重巡を抜き去って、すでに野郎の統制下にあるようだった、汎用機構に乗っ取られたのだろう。
話を続けた。
何だお前、きいてねえのか、俺はてっきり金鉱星の事を知っていると思ったがね、そちらのお隣のお綺麗な方からは聞いてねぇのかい?
大型戦艦の元首を指して言った。
その様子じゃ聞いてねぇみたいだな。何だ、そんな大事な事も聞かされてえのか、こりゃ随分信用されてねえみたいだなお前。
そんなお人よしで、よくここまで生きてこれたな。
バツ包帯野郎は言った。
金鉱星。
俺は聞き返した。
そう、通称金塊惑星と呼ばれています。
答えたのはモニターの向こうの元首。
続けて。
丁度、我々の星とリングを結んだ直線上の外宇宙側にあります。
この星には二つの資源この金塊とリングこの二つです。
ごめんなさい、わざとではないのです、決して、信用していなかった訳では無いのです。
とモニタの向こうで、うつむいて言った。
リングの事は確かに、諜報員に調べさせたから分かっているが、金までは分からなかった、が。それで、全ては繋がった、多分このような辺境の星に、これだけしつこいほどの野盗の来襲の原因、次空転送ゲートリングの領有権、そして、金塊惑星、これだけの資源を放っておかないだろう、だが計算違いがあった、この星の女性が特異能者だったと言う事と、俺が加勢したこと。
俺は彼女の謝罪の言葉を聞きながらそう思った。
バツ野郎はモニタの向こうから繰り返し言った。そんな大事な事を知らされねえで、よく命かけることが出来たな。
続いて何か言いかけたが。
うるせえ!
俺は叫んだ。
脇に激痛が走ったが、かまわず。
俺に黙っていたからどうした?大事な事は黙ってて当り前だろうが!そんな言われなかったからと言ってゴチャゴチャ言うほどちっちゃくねえぞ。一旦、助太刀するって決めたんだ、どんなことがあっても最後までやってやらあ。
バツ野郎は侍らして、いたぶっていた手を止め。
俺が全力でぶっ潰してやると思わせるだけの事はあるな、それでこそ、ぶっ潰しがいがあるってもんだ。
モニタの向こうで。厭らしいニヤニヤは消え、本気の眼光鋭い目つきになり続けて言った。
金塊は野盗共の目くらまし、そして、本当の理由はこの星を足掛かりにしてゲートを手中に収めるのが狙い何だろう。野盗が狙っているのは金鉱星、その黒幕が手に入れたいのはゲート。
黒幕?
俺は聞き返した。
その途端モニターが乱れ、また混線状況となった。
重力振発生、デスドライブオフして来るものが有ります、今まで、出撃してきた野盗の規模より大幅に大量の艦の反応です。
そう、生徒会長が駆け寄って知らせに来た。
拙作に目を通していただき、いつも感謝で一杯です。ありがとうございます。




