第三十話 女教師三人の酒宴
注意: 昼間夕子、朝霧美夏、星乃紫の三名の氏名の上にある振り仮名は前世名であり、現在のニックネームとなっています。
朝霧と星乃は前世の双子の姉妹の三日月だった。
姉が星乃で、妹が星乃、星乃はかぐや姫のモデルだったため、現世ではケイと呼ばれている。
昼間の前世は三日月妹の従者で未来と呼ばれた作家だった。
※話によっては、ルビ振り仮名を多用しています。とかく読みづらくならないように。
昼間夕子、朝霧美夏、星乃紫の三人が、シャワーを終えた頃、マンションのインターホンが鳴った。
「即安です」
朝霧美夏が玄関に出て対応を済ませる。
「紫、お酒、沢山、来たわよ」
三人は、それぞれのお釣りを受け取り、テーブルにスナック菓子を並べて二次会をスタートする。
「 夕子、今夜はシャワーも終えているし、明日は午後の約束ね」
「そうよ、美夏、だから、二次会はサドンデスな飲み会になるわ」
昼間夕子が冷蔵庫から冷や奴を取り出した。
「 夕子、スナック菓子と冷や奴、食べ合わせ大丈夫なの」
昼間夕子は、無頓着な顔をして朝霧美夏みる。
「そうね。ちょっと変だけど、塩分との組み合わせだからいいじゃないの」
「おい、そういうものか」
朝霧美夏が呆れながら、星乃紫に振る。
「日本酒と冷や奴はいいけど、乾き物のスナック菓子ならビールか洋酒ね」
「ほら、紫も同じだよ」
「まあ、いいじゃない、二次会なんてそんなものよ」
「確かに」
と言って、朝霧美夏は 昼間夕子に説得されている。
「ビールもあるわよ」
「じゃあ、とりあえず、ビールで乾杯し直そう」
三人のグラスがぶつかる。
[カンパイ]
ビールを終えて、 昼間夕子が赤ワインを開栓した。
「安物だけど、フランスのボルドー産よ」
「ボルドーなら、外れは少ないわね」
「わたしはイタリアとかスペインワインが苦手なのよ」
「カリフォルニアとかチリワインは最近、人気よ」
「紫はワインもよく飲むの」
「日本酒も醸造酒なので、ワインの親戚よ」
「そうね、日本酒はライスワインとも呼ばれるわね。
ーー紫は、ドイツワインどう思う」
「ドイツワインって、白ワインでしょう。
ーー日本酒と違い、フルーティーな味って苦手よ」
「確かに白ワインは、フルーティーですね。
ーー同じフランスのブルゴーニュワインは?」
「ブルゴーニュって、高級ワインっていうイメージよね」
「そうね、ロマネ村のワインに代表されるわね」
「ピノ・ノワールとか素敵よね」
「ブルゴーニュワインでも、お手頃価格はあるわ」
「 夕子、ルイ ジャドとかかな?」
「あまり詳しくないけど、そんな名前だったかも知れない」
「ワインの酸化防止剤って、目がしばしばしない」
「最近は、防止剤不使用のワインもあるわ」
「国内ワインにあるわね」
「でも、国内ワインって、輸入ワインと違って、お値段高いでしょう」
「確かに私たちみたいな飲兵衛教師には不似合いね」
「紫、それは言い過ぎよ」
「じゃあ、次回は、国産ワインにしましょうか」
昼間夕子は千鳥足でソクヤスで購入した日本酒を冷蔵庫から取り出した。
ポテトチップスとアーモンドをテーブルに並べる。
「また、真夏ちゃんにお酒臭いと言われないように、
ーー 後でグルタチオンサプリで肝機能アップね」
「サプリならオルニチンもいいと聞くわ」
「美夏、よく知っているわね」
「オルニチンは、しじみ成分よね」
「紫は、しじみをよく食べるの」
「あまり、お料理しないから機会が少ないわ」
「じゃあ、次のワイン会はしじみね」
「ええ、 夕子、どういう思考しているのよ」
「美夏、どういう意味」
「ワインとしじみ、合わないわよ」
「そうね、エスカルゴならわかるけど」
「紫、エスカルゴってカタツムリでしょう。
ーーフランスってフォアグラとかキャビアと珍味系が多いわね」
ーー紫は、何がお好き」
「わたしは、キャビアとブルーチーズね」
「紫は、本物嗜好ね。
ーー わたしはキャビア苦手ね。高い割に生臭くて」
「産地次第よね」
朝霧美夏が、二人の談義を聞いて頷く。
「さあて、あと二、三杯飲んだら、今宵はお開きにしましょうか」
酔っ払い女三人のテンションが下がることは無かった。
「次は、シャルドネの白ワインが飲みたいわ」
「紫、それ、なに」
「白葡萄よ。赤ワインの葡萄が
ーー ピノノワール、カベルネ ソーヴィニヨン、メルローなどに代表されるのと同じよ」
「次回のワイン会が楽しみね、紫」
朝霧美夏が 昼間夕子と星乃紫にお酌をしていた。
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三日月未来




