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【長編】かぐや姫は帰らない〜前世の契り〜かぐや姫が時空を超えた!  作者: 三日月未来(みかづきみらい)


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第二十九話 夕子(未来)のお漬け物

注意: 昼間夕子、朝霧美夏、星乃紫の三名の氏名の上にある振り仮名は前世名であり、現在のニックネームとなっています。

朝霧と星乃は前世の双子の姉妹の三日月だった。

姉が星乃で、妹が星乃、星乃はかぐや姫のモデルだったため、現世ではケイと呼ばれている。

昼間の前世は三日月妹の従者で未来と呼ばれた作家だった。


※話によっては、ルビ振り仮名を多用しています。とかく読みづらくならないように。

 昼間夕子(未来)のなすのお漬け物を酒の肴に、星乃紫(三日月の姉)が舌鼓を打っている。

朝霧美夏(三日月の妹)もお箸を止めて夕子(未来)に尋ねた。


「ねえ、夕子(未来)、このなすのお漬け物よく味付けができているわ」

「三日月(妹)、ちょっと苦労したのよ」


「夕子(未来)、なすの色もいいわ」

「そうでしょう。そうでしょう」

 

 夕子(未来)は上機嫌に右隣りの星乃(みかづき姉)のお猪口を寄せて四合瓶から二杯目の日本酒を注いだ。


「で、夕子(未来)このなす漬け、どうやって作るの」


「最初は知らなくて、ぬか漬けすればいいかなと思って、なすを一晩漬け込んだの。

ーー そうしたら、硬くて色も全然良くなくて不味(まず)かったわ」


「夕子(未来)、それで」


夕子(未来)は、自分のお猪口に日本酒を手酌しながら、説明を続けた。

「それでね、ネットで調べたら、きゅうりとかと作り方が違うのよ。

ーー きゅうりはぬか漬けが基本でしょう。

ーー でもなすは、ビニール袋で漬け込むのが基本なのってわかったわ」


「それでどうするの」

日本酒派の星乃(みかづき姉)の目がキラキラ輝いている。


「それでね、足らない材料をスーパーで仕入れたわけ」

「足らない材料って、なんなの?」


「ミョウバンよ」

「ミョウバン?聞いたことあるけどイメージ湧かないわ」


星乃(みかづき姉)と一緒に朝霧(みかづき妹)も頷(うなず)く。


 夕子(未来)は離席して、冷蔵庫の横の棚からミョウバンを持ってきて二人に見せた。


「へー、これがミョウバンなのね。白い粒なのね。

ーー それで、どうするの?」


星乃(みかづき姉)は夕子(未来)からミョウバンの袋を手渡された。


「作り方は色々あって、ビニール袋だけで作る方法と、ビニール袋とぬか床を併用する方法ね」


「夕子(未来)のは、どっち」

「私のは後者の方ね」


「じゃあ、併用ね。どうするの?」

「最初になすを洗い、適当な大きさにカットするのよ。

ーー そうしたら、ビニール袋の中になすを入れて粗塩も入れて揉むのよ。

ーー それが終えたら、ビニール袋の中にミョウバンを適量入れて、また揉むのね」


「それだけ?」

「星乃(みかづき姉)、まだまだ途中よ。

ーー ビニール袋だけの場合は水とお砂糖を入れて重しを置くんだけど、

ーー 私のは、それはしないのよ」


「じゃあ・・・・・・」

 朝霧(みかづき妹)が言葉を切り夕子(未来)が続けた。


「ぬか床に漬け込むだけよ、一晩ね」

「ええ、そんなに簡単なの」


「料理なんて、そんなものでしょう」

「じゃあ、私もミョウバンを買って来て作ってみるわ」


「星乃(みかづき姉)、買わなくて大丈夫よ。

ーー ミョウバンの予備あるから使っていいわよ」




未来である夕子が朝霧と星乃に前世名の提案をする。

「ところでみんな、二人の三日月の姉と妹、ややこしいから美夏だけ三日月にするわね。

ーー 紫は、竹取物語の主人公だから、やはり“かぐや姫”がいいわね」


三日月である美夏が遮る。

「夕子(未来)、それだと目立ち過ぎるわよ。

ーーそれに万が一、人前で口が滑ったら大変よ」


「じゃあ、イニシャルからか(・)ぐ(・)や(・)姫(・)のK(ケイ)にしよう」

「夕子(未来)、私も賛成」


「美夏(みかづき)は三日月のままで、私はケイなの」

紫は、手酌しながら、はにかむが嫌じゃあないようだ。


「夕子(未来)、お酒ないわよ」

「星乃(ケイ)、ちょっと待っていて」


 未来である夕子(未来)が駅前のスーパーで買った秋刀魚(さんま)の塩焼きとひや下ろしの日本酒を取り出した。

夕子(未来)が準備している間に朝霧(みかづき)が夕子(未来)と星乃(ケイ-かぐや姫)のお猪口に日本酒を注ぐ。


「夕子(未来)、このお酒、味が芳醇(ほうじゅん)ね」

「そうよ、これは新潟県の超有名酒造会社の人気ブランドね。

ーー さすが、三大杜氏の越後杜氏(えちごとじ)の風格ね」


「三大杜氏(さんだいとじ)ってなに?」

「南部杜氏(なんぶとじ)、越後杜氏(えちごとじ)、丹波杜氏(たんばとじ)がそれよ。詳しくないけど」


「さすが地酒って感じよね」

「この原酒は、精米割合も五十五パーセントで度数は十九度の吟醸酒ね。

ーー でも純米酒じゃないわね」

星乃(ケイ)は瓶を見ながら夕子(未来)の説明の続きをしている。


「アル添(テン)の十九歳ね。私くらいね」

夕子(未来)は酔うと饒舌(じょうぜつ)になる。


「ところで夕子(未来)、明日は神社で何かするの」

「それがわからないのよ。朝霧(みかづき)」


「精霊が教えてくれればいいわね」

「星乃(ケイ)、そんなに上手く行かないわよ」

朝霧(みかづき)は、そう言いながら心で念じて見た。


[未来、明日、神社ね]


再び三人は精霊の声を聞く。


[明日、楽しみね]


夕子(未来)は、心の中で精霊に話かけたが何も起きなかった。


「夕子(未来)、今の精霊の声、まるで予言みたいね」

「そうね、星乃(ケイ)、何か知っている口ぶりね」


星乃(ケイ)が夕子(未来)と朝霧(みかづき)のお猪口にひや下ろしを注いだ。


「星乃(ケイ)、きゅうりと梅干し食べる?」

「お酒にピッタリよね」

夕子(未来)は、冷蔵庫から紀州産の梅干しを取り出して二人の小皿に入れた。


「夕子(未来)、さっきから夕子(未来)ばかりにお仕事させて悪いわね」

「いいのよ、従者であった夕子(未来)のお仕事ですから」


結局、三人は四合瓶を三本飲み干した。

ジンとビールを飲んで宴会を終えた。


「夕子(未来)、酔っ払っちゃったわ。すごくいい気分よ」

「朝霧(みかづき)、泊まっていいわよ。星乃(ケイ)はどうする」


「私も夕子(未来)のお世話になるわ・・・・・・。

ところで、夕子(未来)、明日の待ち合わせは?」


「午後の二時に書店の入り口よ」

「じゃあ、着替えに戻る時間あるわね。

ーーお化粧も直さないといけないし」


夕子(未来)が二日酔い防止のサプリメントを二人に渡しながら尋ねる。


「明日は何を着ようかしら。星乃(ケイ)、私はジーンズで行くわ」


「朝霧(みかづき)はどうするの?」

「神社よね、じゃあ私も未来と同じジーンズにするわ」


「そうか、お二人ともジーンズか?じゃあ私も付き合うわね。

ーーブルージーンズを」


「星乃(ケイ)、違うわよ。ホワイトジーンズよ」

未来は意地悪く微笑(ほほえ)んだ。


「お二人とも、シャワーどうする?」

朝霧(みかづき)が夕子(未来)の言葉を受けて星乃(ケイ)に勧(すす)める。


「シャワーを浴びたら、またお酒が飲みたくなるわよ」


 夕子(未来)は腕時計を見た。

「星乃(ケイ)、まだ時間早いから“即安(ソクヤス)”に注文が間に合うわよ」


「その手があったか」

 星乃(ケイ)は、夕子(未来)にお金を手渡し、お酒のオーダーをお願いして二次会参加モードとなる。

朝霧(みかづき)も星乃(ケイ)に真似て夕子(未来)にお願いする。


 夕子(未来)はそのあと、スマホから即安にお酒のオーダーをした。


 星乃(ケイ)がシャワールームに消えて、夕子(未来)と朝霧(みかづき)がテーブルの上を片付けて二次会の準備が完了しタ。

まだまた宴会という名の会議は終わりそうにない長い夜になった。

 お読みいただき、ありがとうございます!

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三日月未来(みかづきみらい)

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