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「嫁御、額を此方に寄せろ。」


 黒曜よりも高いが、まぁまぁのイケボが響く。

 その横で、若干不貞腐れた黒曜。大きいドラゴンがションボリしてるのも中々面白いわね。


「はいどうぞ。」


 白曜に言われるがまま、頭を白曜に向ける。

 そこに、龍の顔が近付いてくる。一見すると、捕食映像。


「汝、日下部 真琴に、創世神たる白龍の加護を与える。」


 白曜は、言い終わると私の額に白曜の額を付け、グイグイやって来た。地味に痛い…。


「ほれ、もう良いぞ。コレで、嫁御に俺の加護がついた。」


 グイグイされた額は、ジンジンするし、目を開ければ目の前に人化した白曜が居るし、その首をグイグイ引っ張る黒曜は居るし…うん。平常運転!


「白曜加護、ありがとうね。取り敢えず…」


 私は、皆が無視し続けている神殿の扉に目線を向ける。

 其処からは、私の目が覚めた時から激しい怒鳴り声と、扉を叩く音がしていた。うん。うるさいし、扉悪くなりそうだし〆るしかないわね。


「黒曜は、人化しないでそのままで、白曜は、私と腕を組んで仲良しアピール。ジークとオウちゃんは、狙われると嫌だから、一度石へ。さて、ヤりますかね。」


 笑顔で指示を出したにも関わらず、皆コクコク黙ったまま頷くと、素直に指示に従ってくれた。

 若干腑に落ちないけど、まぁ良しとしますか。





「黒龍!!!!戻って来たのは知ってるのよ!!!!早く出て来なさいよ!!!!」


「創世神様に挨拶が先でしょうよ!!!!!」


「側使えじゃ出て来れないんだと思ったから、私達が来てあげたのよ!!!早く出て来なさいよ!!!!」


 ガンガンガンガンガンガン五月蠅いなぁ…本当に…ウルサイ…

 あまりの五月蝿さに、私は作戦も何も頭から抜け落ち、勢い良く扉を左右に開き、気が付けば怒鳴っていた。


「姦しい!!!!少しは黙れ!!!この馬鹿女神達!!!!」


 私の怒号が響く。

 何で怒鳴られたのか分からない3柱の女神達は固まっていた。


「朝早くから、ピーピー囀るだけでもウルサイって言うのに、ガンガンガンガン叩いて、常識も何もない!ましてやそれが、無能な女神様達ですか。…仕事はしないわ、常識も抜け落ちてるわ、いい迷惑だわ。」


 ポカーンと固まっていた女神達は、私に馬鹿にされたと理解した途端、またピーピー喚きはじめた。

 人の話を本当に聞かない馬鹿女神達だな…。


「騒ぐな、喚くな、黙ってろ。分からない?私が言ってる事。」


 脳みそピーナッツでも流石に、私が本気でキレてると理解したのか、漸く黙った女神達を一瞥すると、私は白曜と腕を組んだ。

 それを見て、女神達は顔を真っ赤にして、また何かを叫ぼうとしたが、私達の後ろに、フルドラゴン化してる黒曜が見えてガタガタ震えだした。


 本当に小物ね…。


「見てわからない?私達は、あなた達喚くしか能ない小物とは格が違うの。だから、少し黙っててね?」


 私が動きやすくするため、嫌な女を演じて馬鹿女神達を煽る。

 まぁ、多少心から煽ってるけど。


「人間の小娘の分際で…創世神様に馴れ馴れしく…」


「私達の敬愛して止まない創世神様に…」


「人間の汚らしい身体で…」


「「「許すまじ…!!!」」」


 馬鹿女神達が、本気でキレたらしい。うん、想定内。むしろ、予想通り。分かりやすく踊ってくれるなんて、本当に有り難いくらい馬鹿ねー。


「黙れ…馬鹿女神達…!」


 馬鹿女神達に、平伏しろと云う思いを込めて言ってみる。白曜の加護できっと出来ると確信してたのもある。ましてや、私には黒曜とジーク、オウちゃんの加護もセットで加算よ?馬鹿女神達より高性能、優秀、何より、力を私なら使いこなせる。


 私の言葉に合わせ、女神達が平伏と云うより潰れてる。あー…見た目だけなら女神なのに、美人も潰れたカエルポーズじゃ残念すぎるね。

 私はきっと今、一番良い笑顔だと思うわ。




「…ふむ、嫁御が黙ってろと言ったが…コレだけは良いか?」


 白曜が、何故か私に苦笑いしながら告げてくる。好きにしなさいなと、視線で頷く。


「女神達よ、自身の言葉で告げよ。俺に報告する事はないか?」


 潰れた女神達が、ガタガタと震え、真っ青の顔で白曜、私、そして黒曜を視線を彷徨わせてる。

 うん、私は許さないよ?責任を果たさないで権利の主張なんて受け入れられないしね。けど、報告するだけならしなさいな?だけどね…本当の事を包み隠さず報告しなかった暁には…


 ねぇ?



 ガタガタ震えながら、青白い顔で、女神達が口を開く。


「そ…創世神様…?私達は何もしておりませんわ」


「そうです…私達はそこに居る黒龍が、結婚したとしか…」


「…そもそも、この神界に黒龍がいる事自体、由々しき事態ですわ…!」


 言いたい事はそれだけかしら…?ん?白曜が、遠くを見つめ出した。


「嫁御、禍々しいオーラが出ているぞ?」


 白曜が、私の顔を覗き込む。

 私は、いつでも笑顔、ラブ&ピースの精神ですよ?けどね、白曜の御慈悲を汲み取れず、私の地雷原を踏み抜いたのは………如何に馬鹿と云えど…仮にも神…。

 

 もう、良いね。

 

「白曜、消しはしないし、殺しはしないけど、この世界から神が3柱居なくなるわ。良いわね?」


「好きにしよれ。」


 白曜が深く溜め息を吐き、了承してくれた。ならば、私のやる事は一つだ。


「責務を果たさない無能な女神達3柱よ、人に堕ちろ…」


 女神達に、黒い小さな龍の様な蛇の様な靄がまとわりつく。

 女神達の悲鳴とも絶叫ともとれる声が、黒曜の神殿内に反響し、辺りに響き渡る。


「「「ーーーーー!!!!」」」




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