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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
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エデバラ

「あの、これってどうなってるんですか?」



 そうエリックが俺に聞いてきた。



 【アーミーインセクト】の女王を倒しその卵を全て壊し、巣の中で見つけた商人のエリックと一緒にエデバラに向かっていた。その向かう中エリックは俺に質問をしてきたんだけど、分かるよ。まぁ聞きたいの仕方ない。ただどうなってるかは俺もそんなに理解してないんだよね。



 今俺達の下には岩の板がある。4m四方ぐらいの大きさでその上には俺とガイ、ブランにキース、そしてエリックの5人が乗っている。岩の板は高さ1m位の空中にあって凄い速さで動いている。実は下には足の部分が車輪の様になっているゴーレムがこの板を支え動かしているんだ。


 エデバラに向かおうという事になったが【アーミーインセクト】の巣があった場所からは結構な距離があるとのことだった。馬でも一日かかる距離みたいだ。俺達だけなら馬と変わらないスピードで向かうことが出来るだろうが、エリックがいるのでそうもいかない。野宿をしてもいいが、エリックもあんなことがあったんだから早く家に帰りたいだろうと思って考えた。

 人形(ゴーレム)を使って車みたいなのは出来ないかな?と。

 そして作ってみた、それが今俺達の下にいる移動型人形(ゴーレム)、ハイブリッドダイゴJr.だった。形は人型とは大きく異なってるけどね。

 

 しかし問題が幾つかあった。

 まず車と言っても俺にはそんな知識はない。作るとなるとそれなりの内部構造などに詳しくないと出来ないのと、所詮は岩で作ったりするだけなのでそこまで複雑な部品が作れる訳はなかった。

 だからとりあえず俺達が乗れる場所の確保と車輪の部分を作ったくらいだ。

 まず乗るところだがもう単純に岩で板を作ってその上に載った。椅子とか作っても良かったんだけど結局は椅子も岩で作ることになる。

 その下に支える為の部分、さらにその下に駆動部。単純にシャフトと車輪がありそれを魔力を使ってずっと動かしてるだけだ。一応車輪が4輪ついてるが全て個別に動くしてるようにしてある。個別に回転数を変えて曲がる様にした。しかし岩のシャフトが岩の穴の中で回っても擦れていってしまうので水の魔法でクッションをいくつか付けている。【水の壁(アクアウォール)】という魔法の流用だ。本来は水の壁を使って攻撃を防ぐ。それを部分部分に使用してクッションの役割を果たしている。俺達が乗っている岩の板が衝撃により揺れないようにする為のサスペンション。回転するシャフト部分の岩を覆ってスムーズに回る様に油の代わり。最後に車輪にも巻いている、グリップ力を上げるのと舗装されていない道を走るのでタイヤの代わりにもしている。

 岩の板にロープで一応固定しているが、それだけだと落ちたりしたら嫌なので風の魔法で周囲に壁を作っている、【風の壁(ウィンドウォール)】という魔法だ。岩の板の周りをドームの様に囲んでいる。そのおかげで結構なスピードで動いているが風も感じない。

 見た目は何とも言えないこのハイブリッドダイゴJr.はかなり高ランクの土魔法と、水魔法、風魔法を使って動いている。だからどうなっているかと言われてもあんまり説明のしようがないんだよね。普通の魔法使いにはこんなこと出来ないだろう。かなりのMPを継続して消費してるし、同時に3つの属性の魔法を使えることはそうそうない。曲がったりするのもそれぞれ操作している。これも俺のオリジナルの魔法になるんだろうけど、俺が思っていた完成形とは違う気がする。ちゃんとした車ってないのかな。ドワーフとかの凄い人とか作れそうな気がするんだけど。それはまたブランの弟さんのところで聞いてみたらいいか。



「どうなってるって言われても説明しようがないので、こういうものだと思っておいてください。」



 俺は面倒なのでエリックからの質問はスルーする方向にした。



 途中から街道に入って爆走していたので道を歩いている冒険者や、馬車ともすれ違ったがみんな驚いていた。まぁそうだろうな。しかしこの方法を取るかどうかも迷った。こんなこと出来るってかなりの力を持ってないと出来ないのは見たらすぐわかる。まだ俺達の実力を隠しておくかどうか迷ったんだ。

 でも国も変わったし、最近段々と実力を隠すのが面倒になってきた。もしバレたらと「もし」を考えるのがしんどくなってきた。バレたらバラれた時で開き直ろう。国境でも結構な人数に顔を見られてるし、その内噂になるかも知れないし。バレたからって悪い方向に話が進むとか決まってもない。そんなことを思い、やってみようと思ったことはやることにした。



 そうこうしてる内に大分エデバラに近づいてきているようだ。エリックとキースがそわそわしだした。

 このまま街に突っ込んだら大変な事になりそうだ、しそろそろ降りるとするか。

 俺はゴーレムを操作してスピードを落とした。遠くに街の姿が見えてきところで俺達はハイブリットダイゴJr.から降りた。今度はもうちょっとましに作ってやろう、そんなことを考えながら魔法を解除してただの岩と水に戻した。



 それから俺達は街へ向かって歩いた。

 エリックは街がもうすぐという事で安心したのか表情に余裕が見えるようになってきた。

 それと対照にキースの顔がどんどん不安に満ちていく。家から飛び出した手前帰りたくないのかな。でもたまには里帰りはしておいた方がいいと思うけどな。冒険者やってたら何があるかわからないし。



「しかし皆さんにはお世話になりました。この街にはどういう目的で来られたんですか?」



 余裕の出たエリックが俺達に聞いてきた。



「えっと、ちょっと知り合いがいてね。その人に会いに来たんだ。」


「そうなんですね、僕の知ってる方かな?」


「どうだろうね、エリックは顔が広いの?」


「商売人ですからね、普通の人よりは広いと思ってます。

 では皆さんはしばらく街に滞在されるんですか?」


「そうだね、多分しばらくの間はいるかな。」


「でしたらぜひいらっしゃる間に声を掛けて下さい。お礼もさせて頂きたいですし。」


「そうだね、また何かあれば頼りにさせてもらうことにするよ。」



 エリックと当たり障りのない話をした。キースの家も商売をしていると聞いている、万が一エリックの家と商売敵だと何となく気まずいので明言するのは避けた。その事にエリックも気付いたようで深いところには突っ込んでこなかった。商売人として空気を読んだんだろう。結構ちゃんとしてそうだな、俺よりも多分年下なんだろうけど。18ぐらいかな、その年で商人として、他の国に商売しに行こうとするってかなりの実力があるんだろう。何かあったら力になってくれるかもしれないな。



 そんな事を話しているうちに街の前までついた。この街も他の街と同じように外壁と入るための門が設置されていた。

 俺達はギルド用の入口に行く。エリックも一緒だ。



「アンダーソン家のエリックさんじゃないですか?確かグラントに行かれたのでは?」



 俺達を見た門番が聞いてきた。



「えぇ、ただ途中で魔獣に襲われたんだ。この方達に助けてもらってなんかと帰ってこれたんだ。」


「そんなことが・・・。」


「ギルドカードを失くしてしまったんだけど父に話を通してくれないか?」


「いえ、そんな。エリックさんなら通って頂いて問題ありません。」



 エリックと門番の会話を聞いている。エリックの家はこの街では結構有名で力を持ってるってことかな。俺達と敵対することにはならなさそうだから大丈夫か。

 エリックは顔パスで門を通って行った。俺達はギルドカードをちゃんと見せて街の中に入った。



「街まではお送りしたので俺達はこの辺で。」



 エリックにそう告げる。もう街の中まで来たし一緒にいる理由はないだろう。



「命を助けて頂いてありがとうございました。この街にいる間に是非とも声を掛けて下さい。アンダーソン商会というところにおります。」



 そう言ってエリックは俺達から離れていった。

 さて俺達も向かおうか。とキースを見ると今まで見たことないような顔してるんだけど。野盗の親分として捕まった時にもそんな顔してなかったけどな。そんなことは俺には関係ないし、さっそくお宅拝見と行くか。そう思って俺は少しずつ遠くに行こうとしているキースの首根っこを捕まえた。



お読み頂きありがとうございます。

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