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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
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迷宮攻略2

 俺達は宿に帰って一晩を過ごした。

 今日は朝から行動しないといけないな。

 朝飯を食べてから俺達は買い物に出かけた。迷宮内で食べる物を作っておこうと思ったからだ。パンや野菜、肉なんかを買っていく。ついでに鍋とかも買った。アリアとシータも増えたし、特にシータは良く食べるからいっぱい色々と用意しておかないと。

 しかし料理が出来るところがなかったので町の外に出た。

 町から少し離れたところでキャンプの様に石でコンロを作ったりした。そこにテーブルも作っり食材を切ったりする。アリアとシータは料理が出来ないみたいだから基本は俺とブランが主になって料理を作っていった。ガイもそれなりに料理が出来る。

 BBQの様に鉄の串に肉や野菜を刺して焼いていい感じになったら、そのまま【倉庫持ち(アイテムボックス)】にポンポン入れていった。こうしたら出したらそのまま食べれるだろう。後は煮込み料理なんかも作っていった。ただどちらかと言うと簡単に食べれる方がいいだろうと思って肉を焼いて野菜と一緒にパンに挟んだサンドイッチの様なものも作っていった。

 今回は5人で分担して作っていったから割と作っていくのは楽だったが、シータが作る度に味見と称して食べていくもんだから思っていた量の6割ぐらいになってしまった。それでも1週間分ぐらいにはなったと思う、いやシータの食べる分を考えたら短いかもな。今度は料理人でも仲間にしてみようかな。それはそれで面白そうなんだけどな。元いた世界の料理とかもう一度食べてみたい気がするし、俺が教えて一流料理人になったらそれぐらい再現してくれるかもしれない。しばらく弟子になって料理系のスキルを極めて貰ってから自分の店を持ってもらうとか。うん、またやりたいことが出来た。



 料理が済んでそのまま昼食も作ったもので済ませた。朝から動いたけど結構時間かかった。

 さて今日も10階層位は攻略してこようか。

 俺達は片付けをしてから町に戻った。そしてそのまま迷宮に向かう。



「すいません、迷宮に行きたいんですが。」



 俺達は町に帰って来てそのまま一直線に迷宮のあるギルドまで来た。そして受付の人にそう伝えた。



「わかりました。カードとお金を頂けますか?」



 俺は言われた通り全員のギルドカードとお金を受付の人に渡した。

 受付の人はいつも通りにカードとお金を受け取って奥に消え、しばらくすると戻ってくる。



「ではお気をつけて。青い扉からお進みください。」



 受付の人からカードを渡されてそう言われた。そして俺達は言われたとおりに青の扉の方へ行った。扉の前には昨日と同じようにゴツ目の男二人がいる。



「カードとメダルを見せてくれ。」



 男の1人に言われたので、俺はギルドカードと10階層を攻略した時に出たメダルを見せた。



「通っていいぞ。」



 男は俺が見せたカードとメダルを見比べてそう言った。俺達は青い扉を開けて中に入った。そこは小さな部屋で中心に魔法陣があった。赤い扉の部屋とは違う所は魔法陣の前に腰ぐらいの高さの円柱の柱の様なものがあった。近づいてみてみるとその柱の上にはメダルをハメ込む様な浅い穴が空いている。これにメダルを入れたらその階層まで行けるってことかな。

 試しにメダルをへこみを入れてみるとスッポリと隙間なく綺麗にはまった。メダルをはめると魔法陣に光が灯る。メダルをはめないと魔法陣が起動しない様になってるようだな。ちゃんとメダルを持ってないとここの魔法陣は使えない様になってるみたいだ。

 俺達が魔法陣に入るとまた一瞬で景色が変わった。そこは昨日見た10階層のボス部屋を攻略した後に訪れた十字の形の部屋の様だ。俺達の少し前にメダルが落ちていた。さっき使ったメダルも一緒に転送されるみたいだな。俺は落ちていたメダルを拾う。ここにずっといても仕方がないし先に進むとするか。



「多分階段を降りたら11階層だろうから進むことにするか。

 今回も20階層まで前回と同じように走り抜けようか。ある程度の階層まで大丈夫だろう。」



 俺はそう言うとアリアは自分に支援魔法をかけだす。俺も全員に【天狗の隠れ蓑(ヒドゥンマント)】をかける。



「これからはまた【念話(テレパス)】で話していくから。じゃあ進もうか。」



 俺はそう言って目の前の階段を下りだした。

 11階層に降りて【索敵(レーダ―)】と【探索(サーチ)】を使って全体を確認する。結構な人数の冒険者がいるみたいだ。後何となくの違和感を感じる場所がある。この階層から多分罠でもあるんじゃないだろうか。



「この階層から罠があるみたいだ。感覚としては床や、壁の一部分から感じるから踏んだり触ったりしたら発動するんじゃないかな。場所は【念話(テレパス)】で送るからそこには触れない様に走るぞ。」



 俺はそう皆に【念話(テレパス)】で伝える。【探索(サーチ)】には【鑑定眼(アナライズ・アイ)】が含まれるし、今回【観察眼(オブザベーションアイ)】と言うスキルも一緒に使ってるから罠があってもわかる。これは楽だな。初めから攻略情報を見ながらするゲームの様だ。しかもエンカウントなしだしな。

 そして俺達は走り出した。今回の階層は結構な冒険者の数がいるみたいでいたるところでモンスターと戦闘していた。11階層だから1つ階層戻ったらすぐに地上に戻れる。EランクとかCランクの下位のパーティがレベルを上げるのにはいいのかもしれない。10階層の魔獣もそこまで大変そうでもないし。

 戦闘している冒険者の横をすり抜けて進んでいく。通路で戦闘している冒険者は少ないな。どこかの部屋に入って戦ってる方が多いみたいだ。モンスターはその部屋から出てこないとかあるのかね。

 罠もモンスターも全てすっ飛ばして俺達はあっという間に次の階層に進む階段に辿り着いた。


 それから12階層、13階層と同じ様に進んでいく。階層を進むごとに冒険者の数が減っていく。20階層に近づけば近づくほどEランク位の冒険者はいなくなった。大体がCランクレベルだろう。俺達も問題なく快調に進めていけている。誰も俺達の存在に気付いていない様だしな。


 結局先日と同じぐらいの時間で20階層まで到達した。

 そこで昨日と同じく支援魔法を解除してから1階層分走った。通路に出てきたモンスターはガイとシータが一撃の下に倒していってる。今回はシータも暇だからガイと一緒にモンスターを倒すと言ったので露払いは任せた。しかし2人に任せるとモンスターと倒しながら進んでもほとんどスピードが落ちない。10分位で20階層に降りてから魔獣の部屋の前まで辿り着いた。

 しかしまた部屋の前の光景をみて俺達はげんなりした。10階層と同じぐらいの人数が部屋の前にいたんだ。いや、それよりも少し多い様な気がする。この階層を攻略できるくらいのレベルがある冒険者が多いんだろうか。

 俺達は仕方ないのでまた列に並んで暇な時間を過ごした。

 しかし10階層以上に待ち時間がかかると思っていたがそれよりも早く俺達の番が回ってきた。ボス部屋に入る人数が多いんだ。10階層は4~5人のパーティが殆どだったけど、見てるとこの階層では8~10人のパーティが多いみたいだ。人数が多い方がフォローも効くし早く倒せるもんな。迷宮だけでパーティ組んでる冒険者が多いんだろう。そのおかげで俺達も早めに20階層の魔獣に挑めることになったし。しかし今回はどんなのが出てくるかか。そんなに人数を揃えないと難しいんだろうか。ボス部屋の中って隠れられたり逃げたりするところないもんな。


 俺達は腰を上げて開いた扉から中に入る。今回入ったボス部屋も10階層と変わらない感じの大きさだった。しかし床にあった魔法陣の大きさが少し大きい気がした。ってことは出てくる魔獣も大きいってことだろうか。そんなことを考えていると一番最後のアリアが部屋の中に入って、扉が閉まった。同時に魔法陣に光が集まる。

 俺達は武器を構えて様子を伺う。魔法陣に光が集まりいつか見たことのあるような魔獣の姿が見えた。

 あれってスミス・スパイダーじゃないのか?

 一番最初の街で依頼を受けて討伐したスミス・スパイダーの形にそっくりだった。ただ大きさは4mぐらいあった。以前に会ったことのあるやつの倍ぐらいの大きさがあった。色合いも違う気がする。

 俺は【鑑定眼(アナライズ・アイ)】を使ってステータスの確認をする。



名前:ベノム・スパイダー

種族:スパイダー族

レベル:20


スキル:

【毒牙 LV.3】

【糸吐き LV.3】

【立体移動 LV.3】

【毒耐性 LV.7】

【操糸 LV.2】


称号:迷宮モンスター



そう言えば【スミス・スパイダー】のステータスって確認してなかったからどれぐらい強さが違うかわからないな。レベル20あるし毒持ってるみたいだから【スミス・スパイダー】よりは強いんだろう。しかもこの場所だったら糸出されると避けるの大変だろうな。でも【スミス・スパイダー】の様に食い意地が張ってて何か餌でもチラつかせたらそっちに飛びつくんだろうか。ただ俺達にはそんな戦法必要ないかもしれないけどな。



「毒の攻撃持ってるみたいだし、糸吐かれると厄介だと思うが誰が行く?」



 俺は【念話(テレパス)】で皆に問いかける。



「当然俺だろう。」



 返事が返ってきたのはガイからだった。その言葉を聞いた瞬間ガイの体が消える。次の瞬間には【ベノム・スパイダー】の横に回り込んでいた。そしてそこから跳躍して【ベノム・スパイダー】の胴体に剣を振り下ろす。ガイの剣が当たるとそこが爆発した。【ベノム・スパイダー】の体が爆散した。また一撃ってことだね。これぐらいの相手だったらそうなんだけど。

 胴体がバラバラになった【ベノム・スパイダー】の他の部分もスッと消えていった。



「シータも倒したかったのに。」



 その光景を見たシータが文句を言う。



「じゃあ次の魔獣はシータが倒したらいい。」



 ガイが剣を直しながら戻ってきてそう言った。



「うん、次はシータの番だからね。」



 それを聞いたシータが嬉しそうに言った。まだ次位の階層だったらシータ1人でも大丈夫そうかな。危なかったら手を貸したらいいか。シータも結構な実力があるし、即死しなかったら俺の魔法でどうにかなるしな。

 話もまとまったし進むかな。もうすでに次の部屋への扉は開いている。


 俺達は扉を抜けまた十字になっている部屋に進んだ。

 宝箱の方へ進み、罠もない様なので開けてみる。

 宝箱の中には20階層と書かれたメダルともう1つ金のコインが入っていた。金貨より少し小さめで、表には植物を模った飾りがあって裏を見るとクレタの迷宮20階層攻略記念と文字が彫られていた。

 どっかの観光地にありそうなコインだな。手抜きが過ぎないか、これ?持った感じ全部が金じゃない気がする。量産しやすいものを攻略報酬にしてる気がするんだけどな。こんなの持ってても仕方ないな。売ったらいくらくらいになるんだろうか。



「今回こんなのが入ってたけどいる人?」



 俺は一応皆に聞いてみた。



「金貨ですか?」


「いや、記念のコインだと思う。持ってても何か効果がありそうでもないけどね。」



 アリアに聞かれて俺が説明する。俺の説明を聞いて皆が首を振る。そうだよね、こんなのいらないよね。地上に戻った時にギルドで買い取って貰う事にするか。そう思って【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中にしまった。




「今日もこのまま帰る?それともこのまま30階層まで行く?」



 皆に聞く。今日は昼過ぎくらいに迷宮に入ったから今は夕方前だろう。このまま30階層まで行っても晩御飯ぐらいには何とか地上に戻れるんじゃないかと思う。



「俺はこのまま進んでも問題ない。」

「わしもじゃ。」

「私もですわ。」



 ガイとブラン、そしてアリアがそう答える。そして皆でシータを見る。多分進むかどうかはシータ次第だろう。またお腹が減ったというかもしれないし。



「シータもいいよ。」



 シータがそう答える。



「よし、じゃあ今日はもう10階層攻略するか。」



 俺はそう言ってまた皆に支援魔法をかけ始めた。

お読み頂きありがとうございます。

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