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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
106/237

初めての迷宮探索

迷宮攻略編が始まります。

「とりあえず今日は10階か20階ぐらいまで様子見で行ってみようか。

 俺のスキルがどれぐらい中で通じるかも見てみたいし。その上で宿に帰ってこれからの攻略について話し合おう。」



 俺が皆にそう告げると、皆が頷いて賛成してくれる。

 俺達はまたカウンターまで行った。



「すいません、俺達のパーティも迷宮に入りたいんですが。」



 先程話した女性の所が空いていたのでそこに行って伝える。



「わかりました。ではパーティ全員のギルドカードと料金をお預かりしてよろしいですか?」



 そう言われたので全員のギルドカードを集めて、お金と一緒に渡した。



「では、少しお待ちください。登録してきます。」



 受付の女性はそう言って俺達のカードを持って奥に消えた。

 しばらく待つと女性が帰ってきたが、なんだか様子がおかしい。



「あの、登録は済んだんですが皆さんBランクの冒険者パーティですよね?

 スキルレベルが10ある方がいらっしゃったんですが・・・。」



 女性がそう言う。あぁ、そう言えばこれは毎回の事になるのか。



「えぇ、俺達は全員Bランクなんですけどエデバラの冒険者ギルドで鍛えたんです。あそこで鍛えて貰うとすぐにスキルのレベル上げれるんですよ。

 それからBランクなのはただAランクに上がる必要がないと思ってしてないだけなんです。今のランクでも不都合はないですから。」


「そうなんですか・・・。」



 女性はあまり納得できていない様子だがギルドカードを返してくれる。

 少し落ち付きを取り戻した様子の女性が説明してくれる。



「初めての方は赤い扉と青い扉の間にある大きい扉からお進み下さい。

 迷宮から戻られた場合には必ずこちらに来て報告をして下さい、報告がない場合は迷宮にいるとこちらでは思っておりますので。

 それから今泊まっている宿の名前と、何かあった場合に連絡を取って欲しい方がいらっしゃればその方の住んでいる町と名前をお伺いできますか?」


「だそうだけど、誰か連絡したい人っている?」



 俺が聞くと皆首を振る。



「帰ってこないってことはないじゃろう。」



 ブランが代表して答える。そうだな、迷宮から帰ってこないなんて考えてもいないしな。



「俺達は大丈夫です。一応宿の名前だけは教えておきます。」



 それはそう言って宿の名前だけを受付の人に伝えた。



「わかりました、無理だけはしない様にして下さい。では行ってらっしゃい。」



 受付の女性にそう言われて俺達はカウンターから離れた。

 さて迷宮がどんなものか見てみるとしますか。


 俺を先頭に皆で大きな扉の前まで来て、扉を開けて中へ進む。

 扉をくぐって進むと普通の廊下が続いている。良くあるギルドの廊下だった。そのまま俺達は廊下を進むと今度は廊下いっぱいの古い感じの扉があった。石造りのそれなりに色々と装飾がある扉。押すタイプの様で扉に手を掛けて押してみる。すると見た目に反して扉は軽く、そんなに大きな音もせず扉は開いた。扉の奥には下へ続く石造りの階段があった。

 やっと迷宮に来たって感じだな。俺は皆に目配せをしてから階段を下りて行った。皆が階段を下りだすと先程開いた扉が後ろの方で閉まった音がした。自動で閉まる様になってるみたいだな。


 階段を下りていくが中は全く暗くない。真っ暗で松明とかの明かりだけがあったりするのかと思ったらそんなことないみたいだな。明かりがある訳ではないが普通に見通すことが出来る。壁や天井自体が光ってるんだろうか。壁や天井は石で作ってある感じだ。しかし普通の石かどうかわからないな。【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で見ても普通の石っぽく見えるんだけど。普通の石は光ったりしないと思うんだけどな。そこは神が作ったもので俺のスキルでは判別できないだけかもしれないが。


 階段を下りていくと平坦な地面が見えた。ここが1階層目になるんだろうか。降り立ったところは周りに壁を囲まれた通路だった。周りの壁や天井、地面も石造りの様だ。ホントにダンジョンって感じの作りだな。しかし通路幅や、天井までの高さは結構ある。5m位ずつはあるだろうか。狭いという感じはしないな。まだ1階層目だし動きやすくしているのかもしれない。その内狭くなったり、真っ暗だったりとかするんだろうか。


 俺はとりあえず【索敵(レーダ―)】を使って迷宮内を確認する。するとこの階層の全ての通路や部屋、モンスターの位置なんかが確認が取れた。特に問題なくスキルで確認できる様だ。でも下の階層は確認することが出来ない。下の階層に続く階段の位置はわかったがそこまでだ。それ以上の確認が出来ない、そこで魔素を遮断する何かでもあるんだろうか。まぁ1階層だけ確認できるだけでも大分違う。この分なら階層ごとに降りたら確認は出来そうだしな。



「とりあえずこの階層がどうなってるかとかは分かった。全員に【念話(テレパス)】で内容を教える。

 1階層ずつなら確認できるみたい。どうしようか、もう10階ぐらいまで突っ走る?この階層でわざわざモンスター倒してレベル上げる必要ないと思う。確認したけどこのフロアに冒険者もいないみたいだしね。皆もっと下の階に行ってるんだと思う。」



 【索敵(レーダ―)】で見るとこの階層には冒険者の姿はなかった。1階層目だしここらへんでモンスターを倒してレベルを稼ぐくらいの冒険者なら迷宮には入らないわな。この迷宮に入ろうと思ったら最低20階層位は攻略できないと実入りがない。それでもレベル上げの為ってことで入る人はいるだろうけど、それでももう少し先の階層だろう。



「そうだな、一気に駆け抜けてしまっても問題ないだろう。」



 ガイが俺の質問に代表して答える。



「じゃあ途中でモンスターにあっても無視するってことで10階まで行こうか。皆に姿を消す支援魔法をかけるね。俺以外姿見えなくなるから【念話(テレパス)】で送った【索敵(レーダ―)】の内容を見てどこにいるか判断してくれ。後何かあれば【念話(テレパス)】で俺に言って。アリアは自分に支援魔法をかけた方がいいと思うから用意して。」



 俺がそう言うとアリアは自分に筋力アップなどの支援魔法をかけ出した。



「【天狗の隠れ蓑(ヒドゥンマント)】」



 俺も全員に姿が消える支援魔法をかける。皆の姿が消える。俺は把握できるけど皆それぞれにはわからないからな。【索敵(レーダ―)】で俺達の反応にそれぞれ色を付けてみる。これで皆の位置が分かるだろう。もう【索敵(レーダ―)】も使うの慣れたからこんなことも簡単に出来るな。



「じゃあ、一気に進むぞ。」



 俺は【念話(テレパス)】で皆に伝え走り出した。

 【索敵(レーダ―)】で下の階層に進む階段の場所はわかっている。そこまで一直線だ。一応【探索(サーチ)】でこの階層の罠の有り無しは見たけど特に何もないみたいだ。まだ1階層目だしな。

 俺達は凄いスピードで通路を進む。通路の途中に何か丸いふさふさとした毛玉が落ちてる。

 あれってモンスターか?そう思って【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で見てみた。



名前:プモン

種族:プモン族

レベル:1

HP:8/8

MP:2/2

STR:2

INT:1

AGI:3

DEX:1


スキル:

【体当たり LV.1】


称号:迷宮モンスター



 一応モンスターらしい。しかも一番弱い感じのモンスターかな。迷宮モンスターってこの迷宮にしか出ないのかな。普通にいても生きていけなさそうだしな。

 俺達はその横をすり抜ける。プモンも俺達に気付いてないみたいで動きもしない。

 やっぱりしばらくはこのまま進んでも問題ないだろう。



 おおよそ5分程の時間で俺達は次の階に降りる階段の前に着いた。

 いや~、迷宮って感じじゃないな。しかも敵のエンカウントなしだからな。俺達の姿が見付けれるモンスターが出るまでこの感じで進んでも問題ないんじゃないかと思う。なかなかいないだろうけどね。でも10階ずつの魔獣が出る部屋の前までには支援魔法を1回解かないといけないな。他の冒険者もいるだろうし。



「じゃあ下の階に降りるか。」



 全員が階段の前に到着してるのが分かるので【念話(テレパス)】で皆に告げた。

 階段を下りていくと途中で一瞬違和感があった。ここから2階層目だなって言うのが分かった。【索敵(レーダ―)】で確認できた内容が1階層目と変わったからだ。特に扉とかで遮られていた訳じゃないんだ。どういう原理なんだろうか。分かった所で俺が使えるかどうか、果たして使い道があるかどうかわからないけどな。


 2階層目に降りて来ても特に変わった感じはなかった。壁や天井、【索敵(レーダ―)】で確認した通路や部屋、どれも1階層目と大差はない。罠もないみたいだしな。ここもダッシュで抜けることにした。

 途中また見たこともないような虫みたいなのが通路にいたが完全に無視した。この階層に出るモンスターなんだろう。でもここも冒険者いないみたいだし大したことのないモンスターだと思う。

 2階層目も同じく5分ぐらいで階段まで到着する。さっきと同じように声を掛け下の階層に下りる。

 3階層目も同じ様な階層だったのでこれまた1、2階層と同じ様に5分で終わる。

 やっぱり10階層位まで行かないと何もない感じだな。しかし10階層に魔獣が出る部屋あるんだよな。魔獣って普通Cランクからしかいないはずだ。それを倒すとなるとCランクのパーティ何組か、もしくはBランクのパーティが挑むかなんだけどな。そんなパーティがさっきの冒険者ギルドの所にはいなかった感じがしたんだけどな。

 それとさっき見たモンスターみたいに、この迷宮のみいる魔獣っているんだろうか。行ってみたらわかるか。



 結局10階層目まで俺達は同じ様に進んだ。特に問題もなく全て5分位で踏破していってる。途中通路のど真ん中にモンスターがいたのでどうしようかと思ったら真っ二つになって消えた。多分ガイが剣で斬ったんだと思う。しかしホントに消えるんだ。どうなってるんだろう。魔素に分解して迷宮が吸収とかしたのか?それとも元々モンスター自体が魔素を固めて作られているというい可能性もあるな。キュクロさんに聞いたら答えてくれるんだろうか。



 10階層に着いたので俺は一旦支援魔法を解いた。流石に姿を消したまま行って他の冒険者の前で魔法を解くのも驚かれそうだしな。

 【索敵(レーダ―)】で確認すると結構な人数が一か所に集まってるのが分かる。そこが魔獣の出る部屋の前なんだろう。とりあえずそこまで行ってみるか。

 そう思って俺達はまたダッシュで進んでいく。途中に出たモンスターはガイとブランが全て一刀の下に切り捨てていった。道に迷うことなく進んでいた為か今回も10分もかからず目的の場所へ到着した。



 それなりに広い部屋と言った感じのスペース。目の前には大きな扉があり、その前には何人もの冒険者が座ったり、立っていたりする。20人ぐらいいるんだろうか。これが魔獣の部屋が空くまで待ってる冒険者達なんだろう。チラリと【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で冒険者達を見る。皆大したレベルでもなく、スキルもそれなりだった。ギルドランクで言うとEか、いてもCランクぐらいだろうか。

 俺達もとりあえず順番待ちしている冒険者の列に並ぶ。なんかこういう迷宮で順番待ちってかなり滑稽な感じがするんだけど。どうやってもアトラクション感がぬぐえない。ここは迷宮で、神の試練の場なんだよね?それにしては皆結構だらだらな空気感なんだけど。

 俺は【索敵(レーダ―)】で扉の中を確認しようとしたけど何も見えなかった。そう言うのは確認できない様になってるみたいだ。部屋に入る前に事前に敵の情報を知ることは出来ないんだな。事前に対策は立てられないか。ぶっつけ本番で戦うしかないか、もしくはギルドで情報を買うかだよな。

 そんなことを考えていると扉が開いた音がする。入っていたパーティが魔獣を倒したんだろう。次のパーティが中に入る準備をした。そして扉の中に入って行き、全員入った所で扉が閉じた。またこのパーティが魔獣を倒すまで待たないといけないのか。俺達の前には後数組もいる。いったいどれぐらいの時間がかかるんだろうか。多分部屋に入ってる時間よりも待ってる時間の方が長い気がするな。

 そんなことを思っていたら俺以外の皆も同じことを考えたのかうんざりした顔で座り込みだした。俺はカバンから出すふりをして【倉庫持ち(アイテムボックス)】から簡単に食べれるサンドイッチの様な物を出して皆に配る。今のうちにご飯でも食べてる方がいいだろう。

 その光景を他の冒険者達が変なものを見る目で見てたけど気にしない。

お読み頂きありがとうございます。

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