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カカオにシュガーを  作者: hi-ra
中学生編
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15/52

15

後半のほうが少しだけ柊視点からずれてます……。

読みにくかったらすみません(-_-;)


 「あ……」

 その日、日直だった柊はお昼休みを二人よりも少し早めに切り上げて、先に授業の準備をするために教室に戻ろうとしていた。

 すると、柊は廊下で、倒しそうにサッカーをする麗と翔に気がついた。

 すると、麗も柊に気づいて、嬉しそうに駆け寄ってくる。

「柊!」

「わざわざ走ってこなくてもいいのに……」

と、柊は半ば呆れて、でも、少し嬉しくなってそう言って笑った。

「うん、でも話があったんだ」

「話……?何?」

「今日から一緒に帰らない?柊も部活で遅くなるし、大体俺と同じくらいの時間に帰るんなら送るよ」

 と、麗は窓枠に両腕を置いてその上に顎を載せて微笑む。

「でも、面倒じゃないの?わざわざ送ってくれなくても、私は平気だよ?」

「この頃暗くなるの早くなってきたし、そのほうが俺が安心なんだ。ただ、柊が俺の事を少し待つのが嫌じゃなければなんだけど?」

 麗はそう言って少し意地悪い顔をして柊の顔を下から覗き込んだ。

 麗の方が背が高いとはいえ、今は校内に居る柊のほうが少し麗よりの高い位置にいる。

「わかった。送らせて差し上げますよ、お兄様」

 と、柊はそんな麗を見て楽しそうにクスクス笑う。

「責任もって、送らせていただきます、お嬢様」

 麗はふざけて丁寧に頭を一つ下げると、一緒になって笑った。

「じゃあ、部活が終わったらそっちに行くね」

「うん、わかった」

 麗はそう言うと、またサッカーの続きをするためにグラウンドへと戻った。

 柊は今、自分がどんな顔をして麗を見ているのか気づいてはいない。

 その顔は、とても愛しそうに……まるで好きな人を見守るような瞳だった……。

「柊、準備終わったの?」

 麗の後ろ姿を見守っていると、柊に追いついてきた明が後ろに立っていた。

「あっ!?」

「終わってないのね……」

「やばい!次生物だから仕事いっぱいあるのに!」

 と、柊は急いで生物の教室へと走った。

 すると、同じく日直だった榊原雄太が、先に終わらせてしまっていた。

「ごめん榊原君。私、何もしてない……」

 柊は申し訳なさそうに雄太に近づいた。

「いえ、麗先輩と話してるの見えたので。先にしてたほうが良いかなって……」

 雄太は少し恥ずかしそうにそう言った。

 雄太は、サッカー部のマネージャーをしているため、二人のことをこの間の練習試合の時に知っていた。

「見てたの?」

「はい。仲良いですよね、お二人。確か幼馴染だって……」

「うん、小さいころからいつも一緒にいたから、お兄ちゃんみたいな感じ」

「……お兄ちゃん?」

「うん」

 嬉しそうにそう言って微笑む柊を見て、雄太は少し不思議そうな顔をして聞き返した。

「でも、さっきの伊吹さんが麗先輩を見る表情、ただの幼馴染だって感じじゃなかったんですけど……」

「え……?」

「いえ、僕の勘違いならいいんです」

「そう?」

 柊はあまり雄太の話を意識して聞いていなかったため、その言葉を軽く流してしまった。

「じゃあ、片付けは私がするから。ありがとう」

 そう言って柊は笑った。

「いえ、僕も手伝いますよ。日直は二人ですから」

「でも、準備してくれたし……」

「あまり気にしないでください。ボク、働くのが大好きなんですよ」

「そうなの……?じゃあ、お願いしようかな?」

「はい」

 二人はそう言ってほのぼのと笑い合った。





 「麗先輩、あそこで待ってるの、柊さんじゃないですか?」

 放課後、雄太はそう言ってグラウンド際の芝生のほうを見た。

「うん、柊だよ。今日から送って帰るから、待ってもらってるんだ」

 と、麗は妙に嬉しそうにそう言った。

「そうなんですか。……本当に、仲が良いんですね。今日も、とても嬉しそうに先輩の事を放してたんですよ」

「柊と話したの?」

「はい。今日、日直が同じだったんですよ」

 雄太は何の裏も無く微笑む。

「へぇ。だから柊の事名前で呼ぶようになったの?」

 と、麗もこれまた何の裏も無く聞いた。

 もし、そこに優花がいれば、やきもちだと言って笑い転げているだろう。だが、こんな事が天然で言えるのが、麗なのだ。

「はい。伊吹さんだと堅苦しいから、柊で呼んでくれって、凄き勢いで言われちゃいました」

 と、雄太は少し困ったように照れる。

「女の子にあんなこと言われたの初めてだったんで、最初は緊張したんですけど、柊さんとてもお優しいほうだったんで、少し安心しました」

「うん、柊は優しいよ」

 麗はそう言ってどこか遠くの方を見つめた。

「麗先輩!みんな集まりました!」

 その時、翔が遠くから麗を呼ぶ声が聞こえた。

「あぁ、今行く。……さ、行こうか」

「はい」

 と、二人はみんなが集まっているほうへと駆けた。


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