テレビ出演 side 薫
どうぞ
「・・・はい?光様がテレビ出演ですか?」
「させようかどうかを少し迷っているの。」
「この前のテレビ局のプロデューサーと名乗っていた人のお話ですか?」
「ええ。」
この前のデパートへのお出かけの帰りに、私たちは謎の女性に呼び止められました。
その女性はカントーテレビのプロデューサーと名乗り、光様にある企画に協力してほしいと言ってきたのです。
その時は光様たちが疲れてたのもあって、奥様が名刺だけ受け取り、別日に話だけ聞くということだったらしいのですが・・・。
「そういえばどんな企画への協力を求められたのですか?」
「知りたいknowという番組の企画で、街中で募金活動をした場合、沢山の女児と一人の男児どちらの方が多く集まるのかという企画らしいわ。」
「・・・それは・・・。」
・・・批判が来そうな、納得させられそうな。でも、募金活動で男女間に対する印象が分かる的なことが目的なのでしょうか・・・。
「それを聞いたときはくだらないと思って断ろうとしたんだけど、その後に、「そちらのお子様がどれだけの影響力を持つのか知りたくはありませんか?」と言われてね・・・。」
ギリギリの線を踏んできましたね。
「今まで光はとんでもない影響力を持っていることは分かってたけど、それの具体例はなかったわ。それを知るちょうど良い機会かなとか考えちゃって・・・。」
「・・・確かに良い機会と言えなくもありませんね。ですが、テレビに顔が出たら不味いかも知れませんね。」
「・・・そうね。それじゃあ、断ろうかしら。」
・・・何だか妙に結果を知りたくなってきましたね。何故でしょうか。
「奥様、そのプロデューサーに顔出ししないという条件で募金する時間も限れば何とか行けるんじゃないでしょうか?」
「え?薫、あなた結果に興味あるの?」
「・・・はい。少々」
「・・・・・・・光ー!」
「なーーにー??」
「光。テレビに出てみたい?」
「テレビに?・・・仮面ソルジャーに会える!?」
「え。あー、たぶん?」
「じゃあ、行きたい!」
光様、本当に仮面ソルジャー好きですね・・・。
「それじゃあ、顔出し無しと仮面ソルジャーに会えることを条件としてみましょうか。」
「テレビ出演は出来なさそうですね。」
「それならそれでいいわ。」
さて、そろそろ桜をベッドに連れていきましょうか。
「テレビ出演決定したわ。」
「流石は光様ですね。」
(会議室)
「えっと、光君よね?」
「はい!」
「今回は協力ありがとうね。」
「仮面ソルジャーは?」ワクワク
「彼なら・・・いらっしゃい!」
ガチャ
「こちら、現場に到着!」
「ソルジャーー!!!」
「やぁ、君が九衛 光君かい?」
「うん!」
「いつも応援してくれてありがとう。君の応援が僕の力だ!」
「うんうん!!」
「だけど、ごめんね。僕はまたすぐに人を助けに行かなければいけない。」
「え・・・」
「ソルジャー、写真くらいは撮っても問題ないでしょう?」
「そうだね。それくらいは出来る。それじゃあ、光君。一緒に写真を撮ろう!」
「(・∀・)・・はい!!!」
「せめて仮面は取らないとー」
・・・光様が幸せそうで何よりです。
「それでは、光様。これから街中で募金活動をします。」
「ぼきんかつどー?」
「こちらの箱を持って、「募金お願いしまーす」と言うだけの作業です。」
「ぼきんおねがいしまーす。」
「それを大きな声で言えばオッケーです。」
「ちなみに、隣にこちらが雇ったSPが十字募金の看板を持って立ってるからそれだけ言ってくれればいいわ。」
流石に黒服は雇ってあるのですね。
「僕一人?」
「後ろに私と桜が控えていますよ。安心してください。」
「にー!」
「・・・うん。」
「最後に女の子は6時間で光君は1時間ねー。」
テレビ局の近くで募金活動。
ザワザワ
「あら、なんか可愛い子がいるわよ。」
「うわ、あれ男の子じゃない!?」
「嘘!なんでこんなところに!?」
「?なんか箱と看板が・・・」
「ぼきんお願いしまーす!」
ザッ。
・・・光様の一言で通りかかりの女性が皆、列を成しました。軍隊なんですか、あなたたち。
「どうぞ」イチマンエン
「ありがとうございます!」ニコニコ
「(ブッ)」鼻血
「こちらを」イチマンエン
「ありがとうございます!」ニッコニコ
「(タラー)」鼻血
「踏んでください」ニマンエン
「??ありがとうございます!」ニコニコ
「いえ、違うんです、つい、ついー!!」
「連行します。」
「大好きです。」サンマンエン
「ありがとうございます!」ニコー
「尊い。」鼻血
変態が混ざっていますね、始末しなくては。
「これは・・・とんでもないわね・・・。このままだと下手したら100万越えかねないわ・・。」
「光様の容姿及び存在としてはこれくらい予想できたのでは?」
「予想してた中では、女児10人6時間と男児1人で1時間で良い勝負行くと思っていたのですよ・・。それがまさか、最低1万円から募金される事態になるなんて・・・。」
「甘いですね。光様が本気になれば1時間で1000万募金も不可能ではないと私は考えています。ここが普通の社会人街で良かったですね。マダム街なら100万なんて、20分もしくは一人でエンドです。」
「・・はぁ。私もまだまだってことですねー。・・・とりあえず二週目システムは無しにしますか?」
「・・・本人たちがしたいと言うなら任せておけば良いのでは?」
凄く嬉しそうな顔してますし。
「━━━彼女らはもう光君という光に飲み込まれたのですね・・。」
光様の光は意識せずとも(機嫌が良ければ)周りを呑み込んでしまいますからね。・・・ある意味、呪いと言っても良いレベルですが。
「ハァハァ。お名前は?」ゴマンエン
「光です!」ニコニコ
「連行します。」
「また会おうねー!!光くーん!!」ズルズル
とりあえずあの女の記憶を消しに行きましょう。
1時間後
「こちらの方を最後に募金を打ちきりとしまーす!」
「ええー!!」
「もっと、みつ、募金させなさいよー!」
「そうよ!貧しい子供達(だしに私たち)に恵みを!」
ホストにでも貢いでいなさい。
「後日また、来ますので貧しい子供達への募金はその時にー!
撤収!!」
スタコラサッサー
「お疲れ様です。光様。」
「うん・・・。ねみゅい・・・。」
流石に1時間ずっと声を上げるのはきつかったですね。
しかし、喉が枯れていないとは・・・。強い。
「予想以上の集金ですが、これで企画倒れせずに済みます。ご協力ありがとうございました。出演料に関しては後日親御さんの方にお渡しします。」
「わかりました。それでは、もう帰っても?」
桜もずっと光様を見ていたからか、凄く眠そうですね。
「はい。あ、放映日は次の日曜日なのでよろしければ皆さんでご覧下さい。」
「そうですね。結果が気になるので見させていただきます。」
次の日曜日
「それで、今日の番組で出るのね?」
「まあ、顔は出ませんから光様とは分からないとは思いますが。」
「いくら集まったのかしら。」
「100万は越えてると思いますが・・・。」
<さぁ、それでは本日の最後のコーナーです!>
<リアル調査!女児と男児、募金活動したらどちらの方が多く集まるのか!!!>
<ちょ、これ大丈夫なんですか!?主に世間的に!>
<集まったお金は全て国内外の貧しい子供達へのお金となっていますので問題ないと思いたいです!>
<では、まずルール説明です!女児の方は10人で6時間募金活動を行い、男児の方は一人で1時間募金活動をしてもらいました!場所はそれぞれ、テレビ局に近い駅前と、テレビ局から少しだけ離れた道端となっています!>
<これは・・・男児側が圧倒的ハンデを負っているということですね。>
<場所としては駅前の方がやはりいいんですかねぇ?>
<では、最後に、募金活動した子供達をご紹介します!まず女の子たちはこちら!>
<<<<おおー。>>>>
<結構美少女が多いですね。>
<でも、むしろ美少女だと少なくなりませんかね?>
<かと言って目立たない子では無視されやすいでしょうから募金活動をする上ではそこまでハンデにならないかも知れませんねぇ~>
「・・・女装した光の方が可愛いかったわね。」
「それは言ってはいけません。」
<では、男の子の方です!>
<・・・絵?>
<男の子の方は親御さんから顔出しNGを頂いたので、似顔絵を書いてもらいました!>
<かなりの美少年ですねぇ!!!>
<興奮しないで下さい。ハァハァ>
「な、まさかそんな手を使うとは・・・。奥様」
私としたことが。
「・・・あれなら別にいいわ。似てるけど、本物が持ってる存在感が無いもの。」
たしかにそう言われると似顔絵と見比べても、光様と確信は持てないかも知れません。
<それでは、情報は揃いました!どちらが多いか予想して下さい!>
<うーん。これは・・・>
<流石に男の子が勝つのはきついんじゃないですかね>
<いやでも・・・>
<それでは、予想を一斉にどうぞ!>
<女の子に4票!男の子に2票!女の子側が多くなりましたね!
では、女の子に票を入れた方から理由を!>
<流石にいくら美男子でもこの人数の差と時間差は無理じゃないかなー?と。>
<私も同じく、この物量差に勝つのは困難かと。>
<もう、全部言われて言うこと無いんですけど・・・>
<勘です!(やけくそ)>
<では、男の子に票を入れた方から!>
<意外に男の子一人の方が一人辺りの募金額が高くなりそう。って思いましたね。>
<似顔絵見る限りかなりの美形ですから、奇跡を信じて・・!>
<確かにここで男の子側が勝てば点数が逆転しますからねー。それでは、結果を・・どうぞ!>
<女の子!約22万円!>
<男の子!124万円!>
「・・・・」
「それぐらいでしたか。」
<えええええええええええ!!???!!?>
<圧倒的!男の子側の勝ちです!>
<とんでもないですね!1時間で120万って集められるんですか!?まるでネットの広告を見ている気分です!>
「そんなに行ったの・・?」
「100万は越すだろうと思っていました。」
<えー、同行していたプロデューサー曰く、募金する方々が列を成した上に一人辺り最低1万、最高5万だったからとのことです。>
<(絶句)>
<・・・とんでもない男の子ですね・・・。>
<ちなみに、その時の映像はこちらです。>
<「募金お願いしまーす!」
ザッ。
チャリーンチャリーンチャリーンチャリーン>
<まるで、軍隊ね・・・。>
<ていうか怖いですね。>
<・・あれ?この人、よく見たらうちの社長じゃありません?>
<ちょっ、なんで社長も並んでるんですか!!!>
<よく見たらいた、マネージャー!あとでお話聞きますからねー!>
<えー、少し騒がしくなりましたが、リアル調査!のコーナーでした。募金詳細はホームページにのっておりますので、よろしければご覧下さい。それでは、最終結果です━━>
「・・・・光はすごいわね。」
「今更では?」
光教設立は遠くありませんよ?
「母だからかは知らないけど認識が甘かったわ、これからは気を付けないと。」
「ちなみにネットで、光様を見てファンクラブを作ろうとしていた方たちがいらしたので、思いっきり釘を刺しておきました。通報及び裁判も辞さないと。」
「よくやったわ。なんなら、親戚巻き込んで潰すわよ(所属会社ごと)。光のファンクラブなんてまだ早いもの。」
「そうですね。」
そんなこと仰りながらも、奥様方が既に作ってますしね。私は身内特典として会員No.2です。桜の分も既に取っております。
「ところで、さっきから光が写真片手にニコニコしてて凄くこう、眩しいのだけれど。」
「諦めてください。私なんて、久々に鼻血が出そうです。というか出ました。」たらー
長い。そして、少しグダッた感がする。反省。




