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食物
足の付け根よりも少し上、ゴツゴツした骨よりも更に少し上の少し引き締まった柔らかい皮から頭の下の皮に複数の穴を開け、そこから穴と穴を結ぶように薄く切り込みを入れる。少し前であれば、柔らかい皮の部分から噛み千切っていたのだが、そうすると中の肉や臓物が周囲に飛び散り、肉片や臓物の破片が勿体無いと気付いたのだった。
肉塊の解体は、大きな石の上で行い、滴る赤黒い液体は、石の下の石に溜め込むようになっていた。穴と穴を結ぶ線になぞり、皮を少しずつ剥がしていく。柔らかい皮の部分の肉は脂肪分が多く食べられたものではなかったが、その少し奥の肉は筋肉質で食べごたえのある良質な肉であった。
基本、狩りを行う筋肉質な体型の人は、腕や足の腿を主に食し、群れを守る胸に膨らみのある人は、臓物を引きずり出し、貪り喰らうのが主流であり、まだ歯の無い赤子には、肉塊から出た赤黒い液体を飲ませ、歯がはえ始めると、頭を石で叩き割り、その中にある柔らかい臓器を徐々に分け与えていくのだった。




