【第2章~生き残り編~】島から逃げるが…
東谷一家は全力で港まで走った。
怪物は村の各地にいた。
「やめてくれ!!」
「お母さん!お母さん!」
「助けて、見捨てないで…」
あちこちで悲鳴が聞こえる。
東谷
「周りは気にするな!自分の事だけ考えろ!!」
東谷は妻と娘にそういう。
こうして東谷一家は港に向かった。
~港~
港には多くの人で溢れかえっていた。
美川
「東谷さん!」
東谷
「美川、無事か…」
美川満。東谷の後輩である。
東谷
「なにがどうなってる?」
美川
「この島に眠っていた『怪物』が目を覚ました…」
東谷
「本当なのか…」
小さい頃、親からよく「山奥には化け物が眠っていて、目を覚ましたら大変な事になるから言ってはダメ」って言い聞かされた伝説。
人を化け物にする伝説。
まさかそれが実在するとは…
東谷は信じられない気持ちで一杯だった。
ダァン
東谷
「!?」
美川
「猟友会の奴らが発砲し始めた…、船でみんな避難してるから東谷さんも」
東谷
「わかった」
東谷一家は美川所有の船に乗った。
元来、この「狗島」は漁民が住む島である。
ダァン
ダァン
東谷
(銃声の間が短くなってきてる…)
「ウワァ!」
東谷
「あっ…」
猟友会の1人に怪物が食らいついた。
美川
「化け物だ…」
東谷は港を見ると
怪物達に襲われる、逃げ遅れた人々の姿があった。
東谷
「あと数分、出航が遅れたら…」
そう思うと東谷は背筋が凍った。
船は順調に島から遠ざかる。
妻
「これからどうするの?」
妻が訪ねた。
東谷
「とりあえず、本土にいる親戚のところへいこう…」
美川
「本土のヤツら、今回の事どう思うでしょうね?」
東谷
「さぁな…」
ニュースには載るだろうが、問題は内容だ。
なにせ普通じゃ有り得ない事が起こったのだ。
世間はどう思うのか?
美川
「っち…なんだこれ?」
東谷
「どうした?」
船室で美川は焦っていた。
美川
「さっきから無線が通じないんですよ」
東谷
「マジで?」
美川
「おかしいな?さっきまで通じたのに?」
美川は昔ながらのショック療法を使って無線の回復を試みるが
美川
「ダメだ、通じない…」
東谷
「ところであれは何でしょう?」
東谷は前方に見える光に気づいた。
美川
「……船ですね。」
美川は船室から出て、光によるモールス信号を試みる。
しかし相手の反応は無い。
美川
「…………?」
美川はもう一度やってみす。
すると…
ピカッ
前方の船から火が見えた。
美川
「?」
ズガァン
東谷
「!?」
突然、船室が爆発!
東谷
「美川!?」
東谷は美川の安否を確かめるが
火勢が強すぎて船室に行かれない。
ヒュュン
風を斬るような音がしたと思えば
ズガァン
船は爆発し、東谷は吹き飛ばされた。
~~~~~~
東谷村長
「その後、私だけ海岸に打ち上げられていました…」
SAKI
「そうですか…」
東谷村長
「妻も娘も無くし、途方に暮れていたところを、この村の村長が助けてくれて」
SAKI
「村長?村長はあなたでは?」
東谷村長
「私は2代目です」
SAKI
「あ、そうですか」
東谷村長
「しかしその村長も1年前に亡くなり、今は私が村長をやらせてもらってます」
SAKI
「そうですか」
東谷村長
「まぁここでゆっくり暮らしてください。あの時山に逃げ込んだ生き残りで構成した村です。みんなで生きていきましょう」
SAKI
「政虎、どうする?」
阪神政虎
「とりあえず合流点をここにしましょう。幸い、自衛の為の戦力もこの村はそれなりあるので」
SAKI
「わかった」




