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闇の陰謀  作者: 佐伯 学
第一部【序章】
37/116

【第2章~生き残り編~】島から逃げるが…

東谷一家は全力で港まで走った。


怪物は村の各地にいた。


「やめてくれ!!」


「お母さん!お母さん!」


「助けて、見捨てないで…」


あちこちで悲鳴が聞こえる。


東谷

「周りは気にするな!自分の事だけ考えろ!!」


東谷は妻と娘にそういう。


こうして東谷一家は港に向かった。



~港~


港には多くの人で溢れかえっていた。


美川

「東谷さん!」


東谷

「美川、無事か…」


美川満。東谷の後輩である。


東谷

「なにがどうなってる?」


美川

「この島に眠っていた『怪物』が目を覚ました…」


東谷

「本当なのか…」


小さい頃、親からよく「山奥には化け物が眠っていて、目を覚ましたら大変な事になるから言ってはダメ」って言い聞かされた伝説。


人を化け物にする伝説。


まさかそれが実在するとは…


東谷は信じられない気持ちで一杯だった。


ダァン


東谷

「!?」


美川

「猟友会の奴らが発砲し始めた…、船でみんな避難してるから東谷さんも」


東谷

「わかった」


東谷一家は美川所有の船に乗った。


元来、この「狗島」は漁民が住む島である。


ダァン


ダァン


東谷

(銃声の間が短くなってきてる…)



「ウワァ!」


東谷

「あっ…」


猟友会の1人に怪物が食らいついた。


美川

「化け物だ…」




東谷は港を見ると



怪物達に襲われる、逃げ遅れた人々の姿があった。


東谷

「あと数分、出航が遅れたら…」


そう思うと東谷は背筋が凍った。









船は順調に島から遠ざかる。


「これからどうするの?」


妻が訪ねた。


東谷

「とりあえず、本土にいる親戚のところへいこう…」


美川

「本土のヤツら、今回の事どう思うでしょうね?」


東谷

「さぁな…」


ニュースには載るだろうが、問題は内容だ。


なにせ普通じゃ有り得ない事が起こったのだ。


世間はどう思うのか?


美川

「っち…なんだこれ?」


東谷

「どうした?」


船室で美川は焦っていた。


美川

「さっきから無線が通じないんですよ」


東谷

「マジで?」


美川

「おかしいな?さっきまで通じたのに?」


美川は昔ながらのショック療法を使って無線の回復を試みるが


美川

「ダメだ、通じない…」


東谷

「ところであれは何でしょう?」


東谷は前方に見える光に気づいた。


美川

「……船ですね。」


美川は船室から出て、光によるモールス信号を試みる。


しかし相手の反応は無い。


美川

「…………?」


美川はもう一度やってみす。


すると…


ピカッ


前方の船から火が見えた。


美川

「?」


ズガァン


東谷

「!?」


突然、船室が爆発!


東谷

「美川!?」


東谷は美川の安否を確かめるが


火勢が強すぎて船室に行かれない。


ヒュュン


風を斬るような音がしたと思えば


ズガァン


船は爆発し、東谷は吹き飛ばされた。









~~~~~~


東谷村長

「その後、私だけ海岸に打ち上げられていました…」


SAKI

「そうですか…」


東谷村長

「妻も娘も無くし、途方に暮れていたところを、この村の村長が助けてくれて」


SAKI

「村長?村長はあなたでは?」


東谷村長

「私は2代目です」


SAKI

「あ、そうですか」


東谷村長

「しかしその村長も1年前に亡くなり、今は私が村長をやらせてもらってます」


SAKI

「そうですか」


東谷村長

「まぁここでゆっくり暮らしてください。あの時山に逃げ込んだ生き残りで構成した村です。みんなで生きていきましょう」




SAKI

「政虎、どうする?」


阪神政虎

「とりあえず合流点をここにしましょう。幸い、自衛の為の戦力もこの村はそれなりあるので」


SAKI

「わかった」



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