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被害者の軽率な行動に色々とバカらしくなった僕。とりあえずVtuberの配信荒らす事にしました

陽人が狂いだしたような気がする

 水無月てての軽率な行動が原因で起きた騒動から三日。アンジュは今も平然と配信していたりする。情報の取捨選択ができないバカだとはいえ、一人の人間を傷つけといて自分は配信してるとは……どんな神経してるのやら……おっと、その後の展開だけど、8Uのアカウントはまだ凍結してない。凛瑠葉さんを始め、多くの新人Vtuberが通報してるみたいだけど。もちろん僕達も通報はした。だけど、SNS運営は忙しく、8U……いや、アンジュの複垢にまで手が回ってない模様。で、当の8Uなんだけど……


「まだやってる……」


 物申したり、アンジュにとって都合の悪い部分を切り抜いたり、それを使って動画作って投稿したりとオバサンにとって目障りな人達ならともかく、いいねを押しただけのユーザーに粘着してるだなんて暇人の所業としか思えない。ちなみにいいねを押した新人Vtuberは水無月ててのみ。残るは僕だったり、セロさんって言う人だったりとアンジュに対して物申してる人達だけ。細かい事は言わないけど、勘弁してほしいものだと思う


「全く……」


 スマホを前に深い溜息を吐く。8Uに攻撃され、凛瑠葉さんが泣きそうな顔をした時は水無月ててに対し、ほんの少しだけ可哀想だなって気持ちになったけど、今となっては呆れ果てるしかない。企業案件狙ってるクセに軽率な行動を取った水無月ててにもいいねを押しただけなのに複垢で攻撃するアンジュにも。きっと凛瑠葉さんがいなかったら僕は水無月ててとアンジュが互いに潰し合うように仕向けていたかもしれない。本当に潰し合うかどうかは本人達次第


 本当に後の祭りだけど、僕は三日経った今でも水無月てての行動に呆れ果てていた。本人や事情を知らない人から見ると三日前の事をいつまでグチグチ言っているんだって話だし、僕自身もそう思う。だけど、企業案件狙ってる人が絶賛叩かれている人に間接的とはいえ関わったんだよ? 呆れもするでしょ。解かりやすく例えるならパンツ一丁で登山をするようなものだ


「全く……」


 未だ続くアンジュの水無月ててへの八つ当たりに頭を抱える他ない。そもそもの話、誹謗中傷と注意批判の区別が付かない時点でネットに向いてないとどうして考えないかな


「はぁ……」


 アンジュの困ったところはここだけじゃない。例えば……例えばだよ? UWОに限らずチャット機能のあるゲームをやっていたとしよう。ゲームやってる時くらい現実を忘れたいと思っていてもふとした瞬間リアルの話が出てきたりなんかする。職業、年齢、その他プライベート。聞いた方は何気ない質問で相手も相手で個人情報が特定されない範囲で答えてくれる人もいる。当然、個人情報だからと言って答えてくれない人もいる。大抵がこの二パターンに別れるんだけど、アンジュはどちらでもなかったあのオバサンは……


「思い出しても仕方ないか」


 今更アンジュとの初対面を思い出しても仕方ない。思い出したところで何もいいエピソードがない。そもそもがどうしてアンジュがここまで叩かれるのかというと、性格や振舞い方もあるけど、僕やアンジュ討伐隊さんの場合は少しばかり事情が違う。詳しく話すと長くなるからまたの機会にしようと思う


「やり方変えないとなぁ……」


 水無月てての事は凛瑠葉さんに任せるとして、僕は僕でやり方を変えないといけない。配信も配信荒らしも今までと同じノリがいつまでも通用しない。今は不意討ちしてから煽ってるけど、このままだと平行線を行くだけ。アンジュの元に腕の立つ囲いが現れたら太刀打ちできない可能性が出てくる


「あの方法にしますか」


 僕は新しい方法を即決すると部屋を出た







「珍しいな……」


 いつもなら女性陣がお茶しててもいい時間帯。時計に目をやると十時を指している僕とは違って規則正しい生活を送ってるだろう彼女達ならとっくの昔に起きていてもいいはず。休日に規則正しいもへったくれもないけど。その彼女達が今日に限っていない


「買い物にでも行ってるのかな……」


 静かなのはいいんだけど、静か過ぎるのは些か居心地が悪い。配信してるなら別にいいんだけど


「配信……か」


 最近僕には配信をするという事に対して思うところがある。アンチが付くのは仕方のない事だから避けて通れない。自分の事を好きだと言ってくれるファンを大切にしてもらって、アンチは……一つの意見をくれる存在とでも認識しておけばいい。だけど、最近の新人Vtuberときたら……アンチやちょっと辛辣な意見を言われたり、強い口調の人に対し、すぐ心折れてお願い投稿をする。嫌な事は嫌って言ってくれて全然構わないんだけど、どうしてデビュー前にイタズラに人を怖がらせたり、傷つけたりするような人間も世の中にいると考えないかな


「やっぱり新人Vtuberにはバカしかいないのか……」


 見通しが甘い新人Vtuber達に溜息を吐きながら僕はキッチンへ向かった





 キッチンから適当なコップとコーラを持って戻るとソファーに腰かけ、グラスにコーラを注ぐと僕は一気に飲み干した。そして────


「Vtuberの中の人って精神弱い人しかいないのかな」


 天井を見上げ、ポロっと出た言葉は多分だけど僕が普段から疑問に思っている事だ。アンジュに限らず新人や個人勢に対して常日頃から聞いてみたいと思っている事。リアルでも強い口調の人、人を傷つける事を快感にしてる人間はごまんといる。ネットでいないわけがない。新人Vtuberの人達は配信者としてデビューする前にその辺考えないのかな。アンジュも例に漏れず


「いい大人が情けないよね……」


 アンジュは噂じゃ三十七歳。僕よりも年上で人生経験もあるだろうに現実を受け入れてない節がある。ハッキリ言おう。アンジュだけじゃないけど、アンチもいるって事や自分の配信に対して面白くないと思う人の存在を受け入れられずにチャンネル登録者数一万人とか、見る人を笑顔にしたいとか御大層な夢を掲げるだなんて笑わせる。そんなんで人気者の重圧を受け止めきれるわけがない


「新人Vtuberの配信荒らして回ろうかな……」


 水無月てての一件がトドメになったのは事実だけど、正直なところ僕は我慢の限界だった。UWОは自由度の高いゲーム。そのせいなのか配信でプレイする人が多い。自由度が高く、人が多いという事はどういう事かと言うと、PKする人が増えるわけで、イキる人もいる。僕一人が配信を荒らしたところで気にする人なんてほぼいない。新人Vtuberの配信荒らしていいかな? いいよ。よし、荒らそう


「そうと決まれば」


 僕は空のグラスを流しに放り込むと足早に自室へ戻った






「頼むから誰かしら配信していてよね」


 自室へ戻ってきた僕はパソコンを起動させUWОにログイン。全て済ませてあるから後は配信しているだろうVCを探すだけ。いてくれるといいんだけど……


『キミかわいいねぇ~……ハァハァ……デュフフフ……』


 ログインして最初に見つけたのが典型的なキモオタだとは思わなかった。ヘッドホンからは不快な男性の声が流れる


『止めてください。今配信中です』


 キモオタに絡まれてる女性VCはどうやら配信者らしい。僕は当たりを引いたみたいだ。でも……


「この声どこかで……」


 キモオタに絡まれてる女性の声を僕はどこかで聞いた事がある。いや、毎日聞いてると言っても過言じゃない


『ボ、ボクと遊べないって言うのかぁ!?』

『そうは言ってません。ただ、今は配信中だと言っているんです』

『そ、そんなの関係あるかぁ!! キミはボクだけのヒロインでいればいいんだぁ!!』


 キモオタの方がいきなり怒鳴り出したのはビックリなんだけど、問題なのはその内容。僕にはちょっと理解できない


『ちょっと何言ってるか分からないです』


 リアルの世界じゃないからか怯えもせず冷静に応対する女性VC。第三者が聞いても何言ってるか分からないのに当人からすると理解不能だろう。他のVCは女性が絡まれてるのに無視。まぁこんなアタオカに関わりたくはないのは解かる。けど、僕は……


「しぃ~ねぇ~!!」


 キモオタと自称配信者の女性VCに挨拶代わりの超粒子砲をお見舞いした。すると……


『な、なんだぁ!?』

『だ、誰がやったのかしら!?』


 口論に夢中だった二人が分かりやすい反応を見せた。二人の反応を見た僕は────


「つ、掴みはじょ、上々みたいだったね……」


 パソコンの前で一人悶絶していた












今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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