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「このまま泣いていても、状況が変わるわけじゃないか。」
一週間も寝ていた(眠らされていた?)んだもの、眠いわけがない。
心の整理はつかないけれど、このまま寝ていたところで日本に戻れるわけじゃない。
そういえば、ジュリィさんがまた来るって言ってたっけ。
顔くらい洗っておかないと、と思い立ってベッドから起き上がる。
― あ、タオルとか着替えとかどうしたらいいんだろう?
とりあえずクローゼットを開けてみる。
「お、タオルあるじゃん。ありがた~い。」
上に置いてあったタオルをとって、洗面室へ向かった。
目はまだ真っ赤で腫れぼったい。
「こんな顔見せられないし、見せたくないなぁ~。」
水で顔をバシャバシャ洗う。
思ったより冷たくて気持ちいい。
さっきよりは、シャキッとした気がする。
― 仕事でミスして落ち込んだ時もこうしていたなぁ~。
だめだめ、日本のことを思い出すとまた落ち込んじゃう。
今はなるべく思い出さないようにしなきゃ。
「よし!!」
両手で頬をパシッと叩き、気持ちを切り替える。
今日会っただけでも、見目麗しい方たちばかりだったもの。
綺麗なものは見ているだけでも心の栄養になるし、きっと、嫌なことばかりじゃない。
無理やりポジティブにまとめて、鏡の私に話しかける。
「笑顔一番、笑う門には福来る!!」
お世辞にも美人じゃない、凹凸も少ない、でもそれほど醜くはない・・・はず。
どこにでもいるような平凡な顔の私が、苦笑いになっていた。
でも、笑えているから、大丈夫!!




