入隊式1
俺は部屋で少し大きめに作った新品の制服を着て、鏡の前で身嗜みの最終確認をしていた。
すると、サラの声がした。
「もう~、お兄ちゃん。早く出発しようよ~。」
「あ~、悪い悪い。今、ちょうど準備が終わったところだ。先に靴履いて外で待っておいてくれ。」
サラを先に行かせて、俺も彼女を後を追うように家を出る。このあたりの中学校は今日が入学式で、サラも新しいスクールライフが楽しみなのかとてもご機嫌だ。
だが、正直、入学式に出席してあげたいが、俺の入隊式も被っているため、そういう訳にもいかない。
なので、せめて駅までは一緒に向かうことにしたのだ。
「そういえば、七聖権の一角赤瀬家から入隊する人がいるんだって」
「へー。赤瀬家の人だったら相当強いんだろうな。でも、何でサラがそんな事知ってんだ?」
「そりゃ、七聖権っていえば今、日本の魔法師のトップに君臨する家系じゃない!学校でも、噂されていたし。それより、お兄ちゃんはもっと周りに関心向けるべきだと思うな。」
そう、俺は基本自分の興味を持ったことにしか調べない。
「そうだな、これからはもう少し勉強しておくよ。」
それから、少しばかり会話をして俺たちは駅で別れた。
電車に揺られること20分、俺は目的地へ着いた。
俺は、守衛の人にIDを見せて門をくぐり体育館へと向かう。新入隊員たちはまだちらほらとしか来ていなかった。
皆、新生活を楽しみにしている顔つきだ。
俺は、自分の席へと着いて携帯をいじっていると俺の隣に女の子が座った。そして、「こんにちは。」と挨拶される。
特に無視する理由もないので、携帯をオフにして挨拶する。
「こんにちは。黒川です。これからよろしく。」
「桜井かすみです。こちらこそよろしくお願いします。」
俺は、初めて彼女を方を見る。そこには、栗色ポニーテールの美人が座っていた。彼女の所作からは、お嬢様みたいな気品が感じれた。
「その、桜井さんはどこかのご令嬢だったりするのかな?」
「いえ、父は医者で母は弁護士をやっています。でも、何でそんな事聞くんですか?」
そう聞かれると困ってしまう。所作だけでご令嬢だと思ったわけではなかった。彼女は、男好みのボン、キュ、ボンとした体型で特にあそこの発育が良かった。
前、本ではあそこの発育がいい人は、バランスが良くて栄養のある食事を取っている令嬢などの富裕層の人が多いとかなんとかと書いてあった気がしたからだ。
しかし、彼女に率直には言えないと悩んでいるところで式が始まった。よく周りを見てみると既に皆席に着いていた。どうやら俺は、かなり長いこと携帯をいじっていたことに気がつく。
司会「それでは次に、支部長からの挨拶です。」
一人の男が席から立ち、マイクへと向かう。彼からは、全く魔力が漏れていない。これが今の日本魔法師のトップクラスの実力かと実感させられたのだった。
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