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癒しの木  作者:
再び花が咲くように
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11

 結局しばらくの間ハルと蒼くんの噂話が止むことはなかった。蒼くんはそのおかげで呼び出されることが減ってラッキーとか言ってたけど。

 問題は、打ち上げの後、ハルと一緒にお化け屋敷に入っていい思いをしたということ。正直自慢気に話されたのが物凄くムカつく。

 というか、ハルはお化け屋敷とかホラー映画の類は苦手のはずなのに何故入ったのか。


「それで?ハルと一緒にお化け屋敷に入ったことを自慢しに来たの?」

「違うって...」


 私がうんざりした様子で聞くと蒼くんは肩を落とした。お化け屋敷なんて、私だってまだハルと入ったことないのに...。というか、ハルの苦手な場所でハルに甘えられて頼られるというシチュエーションが普通に羨ましい。


「まいも落ち着けよ。癒木さんとまだ付き合ってないのが俺としては意外なんだが...」


 先輩が蒼くんに同情するように呟いた。いろんな人に言われているけどハルと蒼くんは未だ恋人関係でなく、蒼くんの片思いのまま停滞している。


「当たり前よ、ハル、人間関係の構築が苦手なタイプなんだから。今まで好きな人がいたなんて話も聞いたことがないし...。あ、1番好きなのは私って言ってたわ」

「こ、ここぞとばかりにマウント取りやがって...」


 先ほどの自慢にやり返すように私もマウントでカウンターを決める。私のこんな1言で落ち込むとは、蒼くんもまだまだのようね。


「はいはい。そこまで。そもそも癒木さんが早緑のことを異性として意識しているかどうか怪しいと思うけどどう思う?」


 先輩からも強烈なカウンターが繰り出された。

 再び蒼くんが肩を落とす。私から見ると意識されていないように見えるのよね...。先輩も同じ考えみたいだけど。


「ってか、恋愛対象どっちだ?あの子?」


 先輩のその1言により、空気が少しだけ凍った。

 そこでふと、私も考える。ハルの好きなタイプは見ていて飽きなくて意外と可愛い面やカッコいい面を見ることのできるギャップが面白い人...。

 正直な話、男女どちらにもこの特徴が当てはまりそうな人は多い。

 そして、過去の要くんとの推し語りでは、男性キャラクターよりも女性キャラクターについて語ることが多かったようにも思える。

 そして、異性に若干の苦手意識。これは、ハルのことを追い詰めていたのが男子だったことに起因しているとして...。そもそも、ハルの口から男子に対してカッコいいという言葉を聞いたことは少ない。

 こうした素直な言葉はスッと出てくるから実際にカッコいいと思った人間が少ないことも考えられる。

 いや、今はそんなことよりも。

 今、重大なことに気がついてしまった気がする。


「うーん...。私的には両方だと思う。自覚はないだろうけど...」


 ハルはきっと好きになった人がタイプになるのだと思う。異性、同性じゃなくて、人として認められる部分や、好意的に思える部分があるかを重要視していそう。

 だから、人間的に好きになった人が偶然、異性だった、同性だった、は十分にあり得る話なのでは...?


「両方...。え、まい一緒にお泊りしてるんだよな...?」


 蒼くんに引き続き、先輩まで軽くダメージを受けてしまったみたいだ。ここは、私がフォローしないと。


「私にその気はないし、ハルにもないわよ。いつもハルが先に電池切れて寝ちゃうし、朝も私の方が早く起きるし」


 ハルは意外と寝起きが悪い。

 何度か起きそうになり、眠るを繰り返してようやく目を覚ます。教えてあげないけど。


「それ、大丈夫な要素にはならなくね...?」


 ぼそりと蒼くんが呟いた。

 彼の中で私はラスボスか何かと勘違いされている節がある。蒼くんは気がついていないけど、ハルの最上の理解者という点では要くんがラスボスなんだけど...。気がついていないみたいだし、蒼くんが嫉妬で狂いそうになる未来が見えるから教えるのはやめておこう。

 私はため息を吐いて先輩を慰めながらどうやって話題をそらずべきかを考えた。

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