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scrapbook 2021  作者: a i o
28/32

後朝

砂糖壺が空っぽになった時のような

寂しさ

儚い甘さの余韻だけが

朝の空気に漂っている


はだけたシャツから覗く

肩の寒々しさ

白い陽が

カーテンの下を潜り抜け

皺の寄ったシーツを淡く撫でる


耳たぶに引っかけたままの

ピアスが

聞いてきたすべての吐息を仕舞い込んで

ゆらゆらと揺れ


過ぎ去った夜は

ことごとく

夢のように思われ

あなたという人を

たちまち幻にする


薄張りのガラスのように

透明な熱が

私を入れ換え

空しささえ

晴れ晴れと澄みきっている


開いたままの

部屋のドアは

いつも出ていくためにあって

私も

静けさを突き破り

ここを後にするだろう













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