十三話 遠矢 故郷に帰る為の物資を集める計画を立てる。
遅くなりました<(_ _)>
爽やかに目覚めた。
昨日あれほど寝て今回目覚めたときは頭痛も覚悟していたのだがそんな事もなく、意識もはっきりしている。
自覚無しに疲労していたのかな?
体調が良いのに越した事はないので気にせずそのまま起きる。
スマホで時間を見ると午前四時になるところだった。
スマホの微かな明かりで部屋から出てベランダ側の窓に向かい外を見る。
昨日、降っていた雨が止み初夏の熱気で霧が出ていた。
今いる六階の部屋からでは地面が見えない。
大体の目算で二階から三階付近まで靄が揺蕩っている。
ここから見える範囲のビルやマンションの窓にポツポツと明かりがついているところがある。
それを見ながらふと思い浮かんだ。
まるであの明かりは、水面に浮かぶ水中花だな。と…
確か琵琶湖の東だったかな?水中花の梅花藻が有名な場所は…
まだ小学生の三年生の夏休みに旅行で行った。
あれが最後か…祖父母両親に伯父まで揃っての旅行は。
もうあの様な生活は送れないのか…
思わず涙が出そうになるのを頭を振って気を取り直す。
要らん事を考えるより朝飯を食う用意をする。
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朝飯をガッツリ食い、今日の行動をどうするか考える。
取り敢えずの食料は確保しているが三か月がやっとか。
切り詰めれば四か月は持つだろうが伯父のマニュアルにもある。
出来るだけ飢えや渇きを覚えない様に物資の確保をして行動をする事。
一人辺り半年分の確保が第一。
第二に安全な場所の確保。
このあともまだまだ続くが今はいい。
近くのコンビニは最後に行った時でも品が不足気味だった。
あれからでも人が入り荒らされていると考えると行く意味がない。
余裕があって帰りに寄るぐらいに考えておく。
では何処にする?
あの、人が立て籠もっているショッピングモールはない。
入るのに苦労するし入っても出て来れる保証はない。
………近くのスーパーにするか。
一人では無理だが四人居れば安全に探索出来る。
この探索収集が終わるまで海島さんにも手伝って貰おう。
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ネットで情報を集める。
世界的な動画サイトに向日市の爆撃動画がアップされていた。
この動画を撮っている角度からすれば…清水寺か!
チラッと右側に清水の舞台が映ったので判った。
つまり映している場所は清水寺の奥の院辺りからだな。
多分だけど阪急桂駅が遠目に見える。
それが空から降ってきた黒い物体に因って吹き飛んでいく。
鈍く重い爆発音が聞えてくる。
映像の画面も揺れていて画面端にチラチラと迷彩色の服を着ている人が見える。
「む?この動画は自衛隊関係者の情報か。」
短い映像が途切れ、何度か見直してから呟く。
少し考え三人娘が起きてから相談することにする。
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午前六時、外は完全に明るくなっている。
隣りから人が動く気配がする。
暫くすると合図があったのでこちらも返しベランダの鍵を開ける。
いつもの様に挨拶を交わし、俺から今日の行動を相談する。
「そんな訳で今日はあそこのスーパーで食料を出来るだけ集めたい。海島さんには悪いけど、送って行くのはもう少し後にしてくれる?必ず連れて行くから。」
「あ、あの…、あたしも一緒に皆と居るのは駄目ですか?無理に琵琶湖まで行ってもらうのは悪いし危険だと思うし…それにあたしは皆と一緒にいたいし…。」
「えっ!?本当に良いの!?俺としては嬉しいけど、親族に会える最後のチャンスだよ?」
「もう決めたの。皆と一緒に居たい。」
「分かった。もう後戻りはできないからね?」
「はい。宜しくお願いします。」
そう言って頭を下げてくる海島さん。
俺も慌てて頭を下げて「宜しく。」と言う。
横で見ていた川田さんが言ってくる。
「お見合いは終わりか?式には呼んでくれよ。」
そう言って笑い声をあげる。
俺は照れ笑いを浮かべて言い返す。
「海島さんに悪いから、そう言う揶揄は無しでお願い。」
真っ赤になり俯きながら川田さんにポカポカ叩いている海島さんを見て言う。
「あはははっ悪かったって、加代っち。」
「そのまま叩きながら聞いてね海島さん。川田さんも叩かれながらで。メイも聞きながら食ってていいから。」
「止めてくれよ。」
苦笑しながらこっちを向く川田さんと叩くのを止めてこっちを向く海島さん。
メイはモグモグしながらこっちを見る。
「実は食料が足らない。この四人なら三か月は持つけど、少なくとも半年から一年程の量は確保したい。それで、そこのスーパーを探索したい。勿論かなりの危険がある。」
一呼吸つき続ける。
「しかし早めに物資を確保しとくとそれだけ時間に余裕ができる。最初に言った通り自給自足をするには、かなり時間を取られる。それを踏まえて、二年分は集めたいと思う。」
三人娘は顔を見合わせ頷き、代表して川田さんが言ってくる。
「皇の言いたい事は分かった。うちらはどうすれば良い?」
「本当は二対二で別行動をしたいのだけど、それは無しで、全員で行動する。」
そう言って行動時のフォーメーションや敵が来た場合の対応とかを教える。
「いい?敵はゾンビだけと思わないでね。人も全部、敵だとおもって行動する。たとえ相手が子供でも。それを徹底してね。もし隠れて子供を保護して、その子供が感染してたら保護した人も感染者として対応する。つまりもう仲間として、絶対に扱わない。その時点で俺が始末させてもらう。」
俺の言葉に三人娘は一斉に頷いた。
あと細々した取り決めをして出かける準備に入る。
絶対に犠牲を出さない思いを胸に秘め、生きて行くために。
さて、次は来月五日までにチートを。
この続きは未定で。
裏は来月末までで。
今年は雨の被害が多いので仕事の影響で時間がとれないのが辛いです。
遅い更新ですが、生きている限り続けますので何卒ご容赦を|д゜)