表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
9/43

第9話 推しヒロインのグループ





「それじゃあ、改めて。こちら入江文学くんこと、文くんです」


「おー……ぱちぱち」


「………………」



 なんやかんやあって七瀬が所属するトップカーストの女友達グループに混じってお昼ご飯を食べることになった。


 なんだろう……この、俺の異物感は。まるで高級フランス料理の中にぶぶ漬けが混ざっているみたいだ。



 月見さんに至っては『なんでここにいるんだテメー』みたいな目でこっち見てるし!!



 最高に今すぐ逃げ出したい。



「……ちょっと、なんでこんなことになってんの」



 隣の月見さんがこちらを非難するような目で囁いた。



「……その、展開の速さについていけなかったというか。流れに身を任せた結果というか、断りきれなかったというか……へたりました。はい」


「……くそざこなめくじ」



 おい、やめろ。そんなセリフを耳元で囁くんじゃない。



「……二人とも、なんか近くない?」


「「別に近くない」」



 七瀬の言葉に対してハモった瞬間、横から月見さんの肘が飛んできた。



「……私、実は前から入江と話がしてみたかった」



 そう呟きながら興味深そうに俺を見つめるのは芹澤美鈴せりざわみすず


 セミロングの美少女で眠そうな目と口数の少なさからどこかミステリアスな雰囲気がある。



「ひよりのスカートを履いて女装する恋愛歴10連敗以上の強者……実に興味深い」



 ちくしょう。両方本当のことだから否定出来ない。



「やっぱ、変態じゃん」


「で、でも文くんはいい変態だから!」



 七瀬さん。何のフォローになってない。



「それにひよりは最近、入江の話ばかりする」


「そ、そうかな?」



 そういえば、さっき月見さんも同じ様なこと言ってたような……



「うん。この前数えたら10回は入江の話をしてた……」


「え……」


「ひより、こいつのこと大好きじゃん」


「ちがっ!! 違います!!」


「だから、ある程度は入江のこと……私たちは知ってる」


「そっか……あれ? だったらもう俺を紹介する必要ないのでは?」


「ひよりは……入江に私たちを紹介したかったんだと思う」


「う……」


 

 見るからに動揺する七瀬。どうやら図星だったみたいだ。



「ほんとはね……これをきっかけに私だけじゃなくて、ほしのんとみーちゃんとも仲良くして欲しかったの」


「それは……どうして?」


「その、文くんが一人ぼっちでいるところを見ると……辛くなるの。それで、ほっとけなくて……」



 だから、このグループに入れる様にセッティングしてくれたのか? 俺がひとりぼっちにならない為に……


 なんか、申し訳なくなってきた。



「そう、だから私たちはひよりの為に一刻も早く絆を深めなければいけない」



 なぜかドヤ顔で力説する芹澤さんに思わず、七瀬の方を見る。



「……そうなの?」


「へ? まぁ、文くんには私達のグループに早く馴染んで欲しいけど」



 なるほど、一応? 芹澤さんの言っていることは正しいらしい。



「だから、入江。今日の放課後……私とデートしよう」


「ああ……うん」



 ……うん?



「……は?」


「……え?」



 七瀬と月見さんが呆然としながら俺たちを見ているなか、芹澤さんは楽しそうに微笑んだ。



「楽しみにしてる……ね」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ