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危機回避・未来  作者: 中野翔
僕に危機回避能力は存在しない
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人気者



 

  全校生徒が少ない希愛中学に転校生が来たという話はあっという間に広がった。

  それは一日限りとはいかず、数日間継続され、桜華は幸磨のクラス…いや、学校のアイドル的存在

 へと自然に祀り上げられてしまうのだった。


   

  「歌藤さん、すっかり人気者だね~」

  「最初は皆、美人転校生って言ってたのが、今では彼女のことを『桜華様』って呼んでるからな」

  彼女が転校してから一週間が経過し、桜華は希愛中学だけでなく、他校にも名前が知られるように

 なった。アイドルからお姫様のような扱いへと変わり、彼女を様付けで呼ぶようになったのだ。

  まるで操られているかのように…。

  「炎樹…」

  「心配するな。俺は騙されてないから」

  「本当かよ」

  月冴は渋い顔をする。

  「それよりどうする?このままだといづれはこう君にまで…」

  「あぁ…それだけは絶対に阻止する。絶対に」

  それから少しして、月冴と炎樹は幸磨が待つ教室へと戻って行くと…。

  「「っ!?」」

  教室の扉の前で月冴は……マリアと桜華の二人に支えられる幸磨の姿を目の当たりにしてしまう。

  「幸磨君っ!!!!!!!!!!!!!!!」

  月冴はすぐに幸磨を二人の手から奪い、彼の安否を確認する。

  幸磨はただ気絶しているだけだったが、こうなった原因を彼らは知らない。

  だから月冴と炎樹は早速、こうなった状況を把握するべくマリアと桜華の二人に尋ねることに。

  「マリアちゃん、歌藤さん、いったい何があったんだい?」

  そう聞いたのは炎樹だった。

  「それが、さっきまでマリアちゃんと三人で話をしていたんだけど、突然倒れて…」

  「話しただけ?」

  「えっ、えぇ…そうだけど」

  月冴の鋭い目つきに桜華は無意識に後退りしてしまう。

  その後、幸磨は午後の授業に出ることなく、担任教師の車で月冴と一緒に早退して自宅へ帰った。

 子機には学校を出る前に連絡していたため、車が自宅へ着くと子機が外で待っていてくれていた。

  「お母さん、ごめん。幸磨君が…」

  『月冴、話は後で聞くわ。それより幸磨を部屋へ』

  「…分かった」

  月冴は子機に言われて、幸磨を横抱きにして家の中へ入って行った。

  月冴が完全に家の中に入ったことを確認すると、子機が担任教師に声を掛けた。

  『先生、幸磨と月冴を送ってくれてありがとうございます』

  本来なら家の者が学校へ迎えに行くべきなのを、担任教師自ら生徒を車で自宅まで送り届けて

 くれたのだから、保護者としてはお礼の言葉を言わずにはいられない。

  「…いえ、僕は二人の担任ですから」

  少し間を空けて担任教師は子機に伝える。

  すると子機は『うふふ…』と、なぜか笑ってしまう。

  「何かおかしいですか?」

  『いいえ、全然おかしくないですよ。お気になさらないでください』

  「そうですか」

  『はい。では、ここで失礼します。ありがとうございました、霜月先生』

  「…お大事に」

  担任教師、霜月は車に乗り込み、学校へと戻ったのだった。

  

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