♥ 4基目 ── 魔王の塔を目指せ! 1
──*──*──*── フィールド
テイマー広場の出入り口で管理している兵士へ許可板を返した後、急いで≪ ランダントピアの街 ≫を出た後、ホワギナロがオレの影から出て来てくれた。
ホワギナロに事情を話すと、精霊を呼び出してくれた。
オレには姿が見えないけど、精霊と妖精が協力して助けた鳥の治療を始めてくれいる。
捨て場で見付けた鳥は、世間では “ ステモン ” と言われるらしく、謂わばテイマーから一方的に捨てられたテムモンなんだとか。
テイムしといて勝手に捨てるなんて酷いテイマーも居たもんだな!
テイマーが、この鳥を捨てた理由は分からないけど、捨て場に捨てるって一体どういう神経してんだ!
ゴミの中に生き埋めにするみたいに捨てられていたんだ。
捨て方に悪意を感じて止まない。
オレが鳴き声に気付かなかったら、このステモンはゴミに埋もれたまま息絶えて死んでいただろう…。
目の前で弱り切っていて苦しそうに…辛そうにしている鳥の様子を見ていると、鳥を捨てた無責任なテイマーに対して沸々と怒りが込み上げて来た。
アルト・ルキンツ
「 ──ホワロ、回復しそうかな? 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……問題ない…。
……怪物は動物と違って逞しい…。
……これなら昼には元気になる… 」
アルト・ルキンツ
「 そっか…良かった… 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……≪ ランダントピアの街 ≫から出来るだけ離れた方がいい… 」
アルト・ルキンツ
「 そうなの? 」
トッポ:ハイエルフ
「 気が変わったテイマーが捨て場へ戻って、ゴミを掘り起こすかも知れないからね 」
アルト・ルキンツ
「 そんな事あるかな?
誰かに見付けられないように生き埋めにした状態で捨てていたのに!
そんな身勝手な事── 」
トッポ:ハイエルフ
「 それが人間だよ。
今更何を言ってるのさ 」
アルト・ルキンツ
「 うぅ……確かに……。
それにしても、このステモンは何て名前何だろう? 」
トッポ:ハイエルフ
「 モンスター図鑑で調べてみる?
遭遇したり、倒した怪物の名前,出現フィールド,出現時間,姿が分かるよ。
倒すと、ドロップアイテム,素材,正規の販売価格も見れるよ 」
アルト・ルキンツ
「 凄いね、モンスター図鑑って!
そう言えばテントに戻ったら見せてもらう事になってたっけ 」
オレはトッポが出してくれたモンスター図鑑を受け取ると、開いてページを捲ってみた。
アルト・ルキンツ
「 随分とページ数が少ないね 」
トッポ:ハイエルフ
「 遭遇するとページが増えるようになってるよ 」
アルト・ルキンツ
「 へぇ、そうなんだ? 」
パラパラとページを捲っているとベビースライムだったニュイや進化したニュイのページがあった。
アルト・ルキンツ
「 ニュイの事も載ってるね 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜 」
アルト・ルキンツ
「 こうやって見るとフィールド上で遭遇した怪物って少ないんだね…。
──あっ、これかな?
えぇと…何々……グリンフェルノーツ…略してグリフェンと呼ばれている鳥の雛──ひな?!
えぇと……一部の地域ではグリンフェルノーツは災厄を招く鳥として恐れられており……。
雛鳥は雑食だが、成長するにつれて肉食になる。
成長すると馬車を引けるぐらい大きくなり、馬要らずとなるが、調教が難しくテイマーに雛鳥をテイムさせて調教させる事が一般的。
グリンフェルノーツは空を飛べない──。
成長したら馬車を引いてくれるんだ?
それは助かるね! 」
トッポ:ハイエルフ
「 馬車はあるし、引いてもらえるなら旅の移動も楽になるね 」
アルト・ルキンツ
「 そうだね。
ただ……肉食って… 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……問題ない…。
……餌の怪物もブェイが狩ろう… 」
アルト・ルキンツ
「 有り難う、ホワロ。
この子は何て名前だろうね? 」
トッポ:ハイエルフ
「 ステモンに名前はないよ。
テイマーに捨てられると名前を失うからね。
ステモンって言われてはいるけど野良テムモンと同じだよ。
野生には帰れないし、野生では生きていけない。
ストレス死するから長くは生きられない 」
アルト・ルキンツ
「 ……ストレス死… 」
トッポ:ハイエルフ
「 死なせない為にはアルトが名前を付ければいいよ。
ステモンや野良テムモンは名前を付ければ簡単にテイム出来るからね 」
アルト・ルキンツ
「 そうなんだ?
前のテイマーの元へ戻ったりはしないのかな? 」
トッポ:ハイエルフ
「 新しいテイマーと絆が結ばれるからね、戻る事はないよ。
名前を付ける? 」
アルト・ルキンツ
「 そうだね。
助けた者として死なせられないよ。
それに馬車を引けれるテムモンも欲しいし!
名前を付けるにはマナを消費するんだよね? 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだね。
LV1で弱いし、対価に支払うマナ量は少ないと思うよ 」
アルト・ルキンツ
「 よし、名前を付けるよ。
ニュイ、仲間が増えるよ 」
ニュイ
「 にゅにゅ〜〜 」
オレは治療を受けている最中のグリンフェルノーツの雛鳥に名前を付ける事にした。
名前は何がいいかな?
グリンフェルノーツだから、グリン…かな?
フェル,ノーツ,グリフェン,グリ……なんか嫌だな…。
そう言えば「 ちぃ〜 」って鳴いてたよな?
ちぃこ…チィコ……、……、……ティコ??
……、……、……チコ…??
──よし、チコだ!!
アルト・ルキンツ
「 名前を決めたよ。
その子の名前は “ チコ ” にするよ 」
〔 ステモンの名前を “ チコ ” にします 〕
〔 300000マナを対価として消費します 〕
〔 グリンフェルノーツの雛鳥をテイムします 〕
〔 アルト・ルキンツによるグリンフェルノーツの雛鳥のテイムが成功しました 〕
〔 グリンフェルノーツの雛鳥の名前は “ チコ ”となりました 〕
〔 アルト・ルキンツとチコの絆が結ばれました 〕
トッポ:ハイエルフ
「 終わったみたいだね。
これでボク達の新しい家族になったよ 」
アルト・ルキンツ
「 新しい家族か…。
今から宜しくね、チコ! 」
──っていうか、消費マナが30万って、どんだけぼるんだよ!!
全然少なくないし……。
ニュイ
「 にゅ〜 」
アルト・ルキンツ
「 ニュイに弟が出来たね! 」
ニュイ
「 にゅ?
にゅにゅ〜〜(////)」
ニュイは家族が増えて、弟が出来て嬉しそうだ。
弟──って言ったけど、雄で間違ってないよな??
雌だったらどうしような?
そんな事を考えながら、オレ達のパーティーは出来る限り≪ ランダントピアの街 ≫から離れる為にひたすら歩き続けた。




