⭕ 1基目 ── 魔王の塔を攻略せよ! 1
──*──*──*── 18日目・10日後
なんて──、思っていた頃がオレにもありました。
オレの考えが甘かったです。
LV5000なんかで最上階へ行けるとか思っていたオレは魔王の塔を完全に舐めくさっていた。
だってな、魔王の塔に出現する魔族のLVが8000を超えてたんだぞ!!
魔王のLVは幾つなんだよ!!
最低でもLV9000はないと最上階へは行けない。
然もだ、魔王の塔はダンジョンになっている。
入る度に中身が変化するダンジョンだ。
地図を描いても意味がない。
まるでポ◯ロ◯グのダンジョンみたいだ…。
これ絶対に魔王の塔を勇者に攻略させる気ない悪意をビンビン感じる。
然も、ダンジョンを隅から隅まで探索しないと転移陣前に立ちはだかる魔王の配下と対峙が出来ないようになっている。
見えない壁みたいなのが消えてくれないんだ。
……これ完全にポ◯ロ◯グのダンジョンをパクってる仕様だろっ!!
まぁ、仲間を見付けるような手間がないだけマシだよ。
因みに宝箱なんてもんは魔王の塔には一切無い。
回復する為の魔法陣なんかも一切無い。
罠の類いも無いみたいだ。
出現する魔族のLVが高過ぎるから罠なんか作る必要ないよな…。
オレには精霊王のホワギナロと妖精王のトッポと裏技を使って最終進化になったニュイが居てくれるから、完全回復する魔法陣が無くても困りはしないんだが──、他の勇者にしてみれば地獄どころではない。
一介の勇者が魔王の塔を攻略するなんて、何百回転生しても無理だろう。
〈 大陸神 〉が祝福の裏技を使ってでも、勇者を召喚したいと思った気持ちが今なら分からなくはない。
これはアカン。
世界を終焉させたい奴がどんな奴なのか分からないが、とんでもない腐れ外道ぶりのゲス野郎なんだろうと思えて止まない。
召喚した勇者達を弄んで楽しんでいるんだろうか…。
どっかで見てんのかな…。
オレは未だに魔王の塔1階でダンジョン内をウロチョロしている。
ダンジョン内が無駄に広いからだ。
魔族の出現率が以上に高いし、魔族との遭遇率も鬼高い。
然も、だだっ広いダンジョン内を隅々まで歩いてマップを完成させないといけない。
もう嫌だ……。
お金は貯まるし、LVも上がるけど……止めたい……。
今すぐ電源を切って、この無理ゲーを止めたい。
本体とコントローラーとソフトを思いっきり壁に投げ付けて、ぶっ壊したい衝動をどうにかしてほしい……。
この世界は多分、ゲームの中でもなければ、ゲームに似た世界でもない。
リセットボタンも電源も有りはしないだろう…。
取り敢えず、1回ぐらい魔王の塔から出たい。
太陽の光を浴びて、風を感じて、青空の下で生きてる事を実感したい。
だけど、それは出来ない。
魔王の塔から出てしまえば、折角の完成間近なマップが消えてしまうし、また最初からマップを完成させないといけなくなる。
魔王の塔のダンジョン攻略は精神的にキツい。
勇者クラッシャーだよ、このダンジョンはよ!!
精霊王:ホワギナロ
「 ……今夜は此処で野宿しよう… 」
トッポ:ハイエルフ
「 そうだね。
アルト、今日も御苦労様だったね。
明日、1日あればマップも完成するよ。
明後日は愈々魔王の配下と戦闘が出来るよ。
楽しみだね 」
アルト・ルキンツ
「 ……、……、……ははは…… 」
精霊王:ホワギナロ
「 ……2階へ転移出来たら魔王の塔を出よう… 」
トッポ:ハイエルフ
「 それが良さそうだね。
──アルト、キャンプ地の準備が出来たよ。
入浴してから食事にしよう 」
アルト・ルキンツ
「 ……そうだね… 」
オレはヨレヨレでガタガタの身体に鞭を打ちながら、トッポが用意してくれた風呂に入る事にした。
風呂と言っても耐熱性抜群なビニールプールにお湯が注がれているだけなんだが…。
着ている衣服を脱いで真っ裸になったオレは、前も隠さないで湯船に浸かる。
疲れ果て過ぎて前を隠す気力もないわけで……。
オレが湯船に浸かっていると、ニュイも入って来る。
オレが湯船の中で寝落ちして溺れないようにニュイも入浴してくれている。
ニュイはホンマにエエ子やぁ〜〜(////)
単に湯船に浮けるのが気に入ってるだけな気もしない事もないが…。
オレが入浴している間にホワギナロが料理を作ってくれる。
いや、本当に有り難い。
本来なら自分で作らないといけない所だけど……、異世界に生まれ変わって、母親の存在の有り難みが身に染みる。
ホワギナロはオレの母親じゃないけどな……ははは…。
トッポは倒した魔族から回収したドロップアイテムの仕分けを妖精にさせている。
回収した死体の解体も妖精にさせているし、肉と素材の分別も妖精にさせている。
トッポは妖精に指示を出すだけで、一切何もしない。
何かすると言えば、やたらとオレの全身にマッサージをしたがる所だろうか…。
マッサージをしてもらえるのは有り難いんだが……トッポの目が何か恐怖い。
オレは獲物じゃないんだけどな……。
入浴を終えると妖精が用意してくれたラフな部屋着に着替えて、ホワギナロの作ってくれた手料理を舌鼓を打ちながら食べる。
出来立てホカホカの美味しい料理を食べれるこの幸せぇぇぇぇえええええッッッ(////)
絶大な安心感と確保されている絶対的な安全の中で得られる入浴と食事と睡眠がなければ、オレの心は既にボロボロに壊れていただろう。
ニュイという最高の癒しも傍に居てくれるしな。
食事をしているオレの隣でニュイが御機嫌に歌を歌っている。
どうやらニュイは歌が好きらしい。
だから、オレは気分転換も兼ねてニュイの前で前世で好きだった歌を歌ってみたりしている。
その歌を気に入ったのかニュイが歌っているのだ。
始めから終わり迄「 にゅー 」ばっかだけどな〜〜〜。
それにニュイはオレの為なら枕にもなってくれるし、必要ならベッドにだってなってくれるんだ。
本当にエエ子なんだよな〜〜〜ニュイって奴はさ(////)
◎ 変更しました。
妖精王:トッポ ─→ トッポ:ハイエルフ




