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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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アクション

 カメラが回っている。


 チュンチュンと、小鳥のさえずりが聞こえる。窓からは光が差し込む。……いい朝だ。よく眠れて、気分も上々だ。起き上がって伸びをすると、あくびが出る。


 窓を開けると、天気雨が降っていることに気づく。狐の嫁入り。日の光が差し込んでいるから、てっきり晴れていると思ったのに。雨の冷たい空気で胸がいっぱいになる。――私は雨を吸い込んでしまったのだろうか? 深呼吸すると、パラパラ降っていた雨はぴたりと止んだ。そして、日の光に雨粒が反射して、虹が浮かぶ。


 朝からいいものを見たな。顔を洗って、キッチンへ。コーヒーの準備をして、トーストを焼いているうちに、サラダとスクランブルエッグを作る。私は横着して、スクランブルエッグにする卵をフライパンにそのまま割り入れる。油が跳ねる。跳ねた油が肌に触れる。反射的に「熱っ!」と言ってみるが、痛みは感じない。おかしいな。鈍感になったのだろうか? 


 トーストが焼けた。お皿にパン。その上にスクランブルエッグ。そしてサラダを載せて、白い部屋にポツンとおかれたミニテーブルの上に乗せる。いただきます。


 ――あなたはもし、痛みや悲しみを感じない体になったら、どうしますか?


 朝日が差し込むさわやかな部屋で、虹を見ながらの食事。さながらユートピアだ。こんな世界があるのでしょうか? それともこれは夢? 頬をつねる自信がない。こんな幸せな夢なら、覚めないでほしいから。


 ドリップしていたコーヒーもできたようだ。贅沢だなぁ。マグカップに注ぐと、窓際に向かう。相変わらず鳥たちはおしゃべりに夢中。素晴らしい日だ。こんな日がいつまでも続くといいのに。


 カメラが、回っている。


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