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それでも地球はまわってる  作者: 浅野エミイ


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Project

 私の手元に一台のカメラがある。私の仕事に使うもの。どこを撮影しているかって? 衛星カメラが今個人を特定し、地球にいる人間の行いを見ているのはご存じだろうか。


 私の仕事は人間たちのデータをファイルにまとめて「お上」に渡すこと。


 今日まとめる人間のデータを呼び出して、必要な写真をピックアップ。そして印刷する。今の時代、すべてエビデンスというものを求める。まったくもってくだらないと思いつつも、根拠だの証拠を私は集める。


 印刷した写真を一枚手に取ると、ため息をつく。なんで死んじゃったんだろう。この人はすごく優しかった。何が悪かったんだろう。優しすぎた、というのが原因かもしれない。くだらないことかもしれないが、下界の人間は愚かだと思えるほど鈍感な輩が多い。だからこそ、優しい人の多くが今はデータとなって私のもとへ送られてくる。


 私もこんな仕事を本当はしたくない。だが、人間には寿命というものがあるから、私の仕事はなくなることはない。だからと言って、自分の寿命を削るような生き方をするのは愚か者がすることだろう。なのに、優しい人間ほど自分の蝋燭の炎を、ドロドロな汚く蝋が下にこびりついているような人間に移してしまう。


 なんで……いつから下界はこんなに愚か者ばかりになってしまったのだろうか? 


『本日送られてくる人間のデータはできたか?』


 お上からの催促が来ると、私は『もう少しですよ』と返事する。


 私たちの審査した善人の魂だけが残る時代。


 ユートピア計画まで、あと数年――


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