ブレイバーズストーリーです!!
結城 仮名......まさか......
「にゃは♥久しぶり~♪マナちゃん☆」
「......ミーニャ」
そして、ミーニャは口角を吊り上げ、嗤う。
「ようこそ☆ミーニャのダンジョン『世界樹』へ♥歓迎するよ~♥」
「......」
「む~♪反応が薄いとつまらないな☆ミーニャちゃんは~おこだよ♥」
そう言った後、ミーニャは何とも言えないの表情を見せる。
「マナちゃん♪君はまだ......本当の攻略者じゃない」
「どういう事?」
ミーニャが嬉しそうに両手を広げ、語り始める。
「『ブレイバーズストーリー』は、二つの物語が重なった世界じゃない♥二つの物語が繋がっている世界♪一つは『勇者』。もう一つは、『ラスボス』もしくは『魔王』」
まさか......私が倒した汚染の魔王も、元人間。そして、ゲーム攻略者。
だけど......
「ゲーム攻略者は、私ともう一人だけしかいなかったはず」
「そう♪マナちゃんは二人目のゲーム攻略者♥」
なら、魔王は一人までしか存在しないはずで、この世界にいるあと、六人の魔王は一体......
「さて問題☆『ブレイバーズストーリー』は西暦何年に作られたものでしょう♪」
愉しそうにミーニャが指を一本立てる。
「①西暦2000年。②西暦2100年。そして―――」
ミーニャは、さらに顔を歪め、三本目の指が立てられる。
「③元々、このゲームはゲームじゃない」
『ブレイバーズストーリー』は、ゲームではなく......
「マナちゃん☆この世界は♥現実世界だよ★」
じゃあ、この『世界樹』という存在は、『ブレイバーズストーリー』と『現実世界』を繋げてる"橋"だった。
「『現実世界』で死んだ人間★そしてゲーム攻略者は♥この『世界樹』を通じて『ブレイバーズストーリー』へと送られる☆そして、この生命維持装置兼、魂分断装置に入れ、ミーニャが創った身体にその魂をリンクさせる」
「ミーニャ、あなたは一体何者なんだ?」
ミーニャは全てを知っていたかのように嗤う。
「ちゃんとした自己紹介がまだたったね♥ミーニャは『人体実験』の魔王★そして、君達を創った神様だよ♪」
「人体実験......つまり、この結城 仮名という人は―――」
「そう♥君のクローン人間だよ★」
私と瓜二つの見た目をした、ラスボスは、私のクローン人間。
「何で......カナさん......」
「何でって♪ミーニャの為☆そして―――世界の為に君達は、実験台になってもらってる♥」
「どうして!!」
私が叫ぶと同時に、ミーニャが近付いてきて、私の目の前に立つ。
「君は本物と偽物。どっちが優れていると思う?」
顔がくっつくような至近距離で、目を覗きこまれ、心の底まで見られている気がする。
「じゃあ『現実世界』に今、どれだけの人間がいると思う?」
私の記憶では、何億、何十億人と思い浮かべる。
「その中に偽物は、何人いると思う?」
「えっ?」
さらにミーニャの顔が近付く。
「正解は......『現実世界』の99%がクローン人間」
「そんな事......あるわけ」
「マナちゃん。これが真実。だからこそミーニャには、やらなければいけないことがある」
ミーニャの瞳に深い闇が現れるのを見た。
「ミーニャは、本物が優れていると世界に証明しなければいけない。たがら......本物が、偽物を殺せ」
その為に私は創られた?
そして、なぜかミーニャに優しく抱き締められる。
頭の整理が追い付かない。ミーニャがこんなことをする意味が分からない。
だけどその全てが、ミーニャが望むことが、次の言葉で全てを理解した。
「がんばって、あなたは何よりも大切なミーニャの子供なのだから」




