俺の女は俺のもの、お前の女は俺のもの
神界で全くモテない神「ゼスト」
彼は、細マッチョでイケメンよりの顔をしているのだが、大雑把で性欲が強く、女神を見ると目が血走って、「女!女!」と追いかけ回すため全くモテない。
周りの女神たちから「性欲神ゼスト」と呼ばれ、神界の長である「マックス」からも「戦神ゼスト」から「性欲神ゼスト」へと称号を変更された。
ゼストは悩んだ!悩みに悩んだ!
「どうしたらいい!どうしたらハーレムを作ることができる!」
悩み悩み、苦しみに苦しみ、ついに彼は成し遂げる。
自分のユートピアを作ってしまった。
「性欲神ゼスト」が「あんなことやこんなこと、そんなことを」妄想しまくりできた世界、「ファウスト」。
普通の神が10000年を要して世界創成するところを、彼は生まれてたった1年で作ってしまった。
神界に、衝撃が走る!
「あの性欲神が世界をたった1年で作っちまったぞ!」
「おいおい!どうなってんだよ!」
「一体どんな世界なんだよ!」
他の神たちは気になり、彼が創造した世界をのぞいて見ることにした。
彼が創造した世界「ファウスト」は、中央に大陸があり、四方に囲むように日本本州ほどの大きさの島が存在していた。
想像したてだが、すでに生物は存在しており、生物の割合はメスが9割、オスが1割となっていた。
文明レベルはまだまだ火を起こすのがやっとで、大事な部分を藁のようなもので隠す程度。
1個体の強い雄に、メスが群がる世界。
当然、ただれた光景もそこら中で繰り広げられていた。
その中には、「フハハハハハ!さあ、どんどん来い!俺の性欲はこんなもんじゃないぞ!かかってこい!女ども!」
先頭を切って、10,000の女の相手をする「性欲神ゼスト」の姿があった。
「むははは!まだまだだ!人以外も遠慮せずにこい!俺は獣でもいけるぞ!」
それを見た神達は、「さすが性欲神だ」と彼を認めた。
それから時は勃ち、10000年。
性欲創造神「ゼスト」によってできた世界「ファウスト」の文明は進み、街には馬車が行き交い、家も煉瓦造りと発展していた。
変わらぬのは、男女比率と強い男がモテるということ。
そして、現在「ファウスト」では、勇者と魔王が存在していた。
勇者「アルケミスト」、その類まれなる強さと爽やかなイケメンさと性欲の強さから10000年かけてやっと精魂尽きて、仙人のようになった「聖神ゼスト」から勇者の称号を勝手に送られていた。
魔王「ゼファ」、類まれなる強さと性欲の強さ、独善的な性格から魔王の称号を勝手に送られた。
勇者「アルケミスト」は、西大陸の端から、その武と性の強さで女を瞬く間にハーレムを形成し、その勢力は西大陸、北大陸と南大陸の半分をハーレム圏としていた。
魔王「ゼファ」は、東大陸の端から、その武と性の強さで東大陸、北大陸と南大陸な半分をハーレム圏としていた。
お互いにハーレム圏がぶつかり、2人が戦うのは時間の問題だった。
そして、その時はすぐに訪れた。
「女は僕のもの。お前の女も僕のもの」と、勇者が魔王に声明を発表。
これに対し、「お前の女は俺のもの。俺の女も俺のもの」とやり返す。
これにより、決闘による決着が、「聖神ゼスト」によって宣言された。
決闘は、中央大陸で行われることになった。
内容は、武と性による真っ向勝負。
まず、1,000人の女を相手に準備運動をする。
お互いに体が温まったところで、武による決着をつける。
勝った方が、相手のハーレム圏を自分のものにして良いというもの。
全ては整い、準備運動を終えた2人は、剣を持ち向かい合う。
「ふぅ。いい運動になった。これで心置きなくこの世界を僕のハーレムにすることができる!」
「ふっ。獣を抱くことのできないお前には無理だな。この世界は俺のものにする」
魔王のいい終わりを合図に、その場から姿が確認できないほどの速度で移動し、切り結ぶ両者。
それから数合切り結ぶと大体実力が互角であることを、互いに理解する。
(これは出し惜しみできないね)
(勇者がここまで強かったとは。本気でゆくしかあるまい)
再び2人が切り結ぶ瞬間、2人は光に包まれる。
「な!なんだ!これは!」
「どういうこと!」
光の中で身動きができない2人は戸惑う。
そんな2人の前に、「聖神ゼスト」が現れる。
その姿はかつての「性欲神ゼスト」の姿となっていた。
「すまんな!お前たちの1,000人を相手にする姿を見ていたら尽きたはずの性欲が急に戻って、力を取り戻したわ!元々、この世界は俺の性欲によってできた世界だ。お前達が、ハーレム圏を広げると、この世界にはメスが100000人しかおらんのだ。俺が10000人プレイできなくなってしまう。それは困る。なので、邪魔なお前達には、冥域に行ってもらうことにした。さらばだ!性欲勇者と性欲魔王」
「ふざけるな!冥域なんてゾンビしかいないじゃないか!そんな奴らを抱くことなんて僕にはできない!僕は、人型の守備範囲は広いがゾンビだけはダメ!あいつらの穴は、グジュグジュでちっともいけないんだ!!」
「経験したことあるのかよ!」
「人型だったし……昔からちょっと興味があって…….」
「お、おお。そうか」
魔王は「これが勇気ある者と書いて勇者と称えられる存在なのか」と驚く。
ゾンビを相手にするとは、確かに奴こそが「勇者ww」だな。
「もう話は良いか?では、さらばだ!」
こうして俺たちは、亡者どもしかいない「冥域」ヘと飛ばされた。
俺たちのいなくなった世界では、「性欲神ゼスト」が、「くわははは!さあ!10000人かかってこい!」とおっぱじめる。
他の男達も涙を流しながら、勇者達のいなくなった世界で各々のハーレムを取り戻していった……
つづく……