表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/23

第11話 鉄

 さて、ここからかまど式コンロと包丁を作っていかねばならないが材料を見るの気が引ける。

 俺だって結構な数のゲームをやり込んできたがこういう名前の物は絶対材料が厳しいんだよな。

 どこで何が取れるかわからないからそろえようもないし。


 俺はロープフックで材料を集めながらひとまず、包丁から調べてみる。



 木の板 × 5

 鉄 × 1



 おっ! なんか簡単な気がする。

 でも問題は金属なんだよな。

 海に漂流してるもので金属なんて見てないし、これってどっかの島を見つけないとってことだよな。


 でも島見つけても金属ってどこにあるんだ?

 穴ほるのかな?


 どちらにせよ気は滅入る。


 もういい。わからないことを考えても仕方ない。かまど式コンロを調べよう。



 木の板 5

 土 × 3

 鉄 × 2



 クソゲームが!! 鉄で詰んでんだよこっちは!!

 なんでこうも設定がハードモードなんだよ。


 でも土ってたしか【農園】のスキルで作れるようになった気がする。

 調べてみよう。



 木の板 × 5




 アホか!! なんで木の板から土ができるんだよ!! 最後は土に帰るって言いたいのかよ!!

 もう何でもいいよ。

 とりあえず土は簡単に確保できそうだ。


 でもという事は鉄も案外何か別のものからできるのかな?

【鍛冶】のスキルを上げることで鉄が作れるようになるのかもしれない。


 もともとふざけた仕様の世界だ。

 そんな事があっても不思議じゃない。


 急いで俺はスキルの欄から【鍛冶】を選択。

 残りスキルポイントは5。【鍛冶】はレベル2だから必要ポイントは3。

 頼む出てくれよ。





 ”スキルポイントを3消費して【鍛冶】のスキルLvを上昇させますか?”




 YES     NO





 もちろんYESです。




 ”【鍛冶】のスキルLvが 1 上昇しました”

 ”【鍛冶】のスキルLvが 3 となりました”

 ”ヤリ”がアンロックされました”

 ”鉄板がアンロックされました”




 最悪だ。

 やってしまった。

 詰んでしまった。


 俺はうなだれるようにその場に寝転がった。

 空は真っ青な青。


「魚くいてぇ~。」





 ーーーーーーーーーーー






 ひとまず海藻と水があればすぐに死ぬことはない。

 それよりもサバイバルでは精神的な追いつめられ方で命を失う人が圧倒的に多い。

 間違った判断。これが現状一番してはいけない事だ。



 材料を調べてる間に少しではあるが他の備品のストックはしておいた。


 木の板は30枚

 プラスチックは20

 海藻も20



 急いでも何もいい結果は生まない。

 ゆっくり考えよう。


 俺は仰向けのままメニューを開きかまど式コンロの材料を見つめる。

 何はともあれ鉄だ。

 俺はボーっと考えながらとりあえず木の板を消費して”土”を作る。



 トンテンカンテン



 土を作るのになんでこの音なんだろう。

 もう気にするのもバカらしい。



 木の板は残り15枚になり、土が3つできた。



「はぁ~。種もないから農業もできない。鉄がないからかまどが作れない。てかそれならかまどだけでも作らせてくれよな。コンロじゃないとダメなのか? 鉄使わないとなんでダメなんだよ。」



 世界の融通の利かない仕様に腹が立つ。



「鉄かぁ~。」



 俺は材料に出ている鉄の文字を見つめる。



「どっかに落ちてないかなぁ~。鉄。」



 ジーっと”鉄の文字を見つめていると―――



 ブーン



 突然メニューの欄に新たなウインドウが出現した。

 いきなりだったので少し焦ってしまい寝転がったまま足をバタバタしてしまう。



「なんだいきなり!! ん?? んんん???」



 驚いていたのは一瞬だった。

 ウインドウの中には文字が書いてありそれを読んで俺は驚愕する。




 ”良くはない可能性の鉄です。海底で拾うことが叶います”




 クソか!! 海で拾えるんじゃねぇか!! クソか!!

 相変わらず文章おかしいし!!


 俺は怒りとともに先の見えた喜びを同時に感じていた。

 魚が食える。


 頭はそれだけだったけど。






 ーーーーーーーーーーー







 よく考えれば鉄は海底にあると書いてあった。

 それは俺が海に潜らなければならないという事を現していた。


 今、俺の目の前で巨大なサメがイカダをかじり、バシャバシャと暴れている。

 これだけ暴れているのにイカダはピクリとも揺れない。


 冷めた目でサメを見る。ギャグでは無くてマジで。

 こいつも結局この世界の仕様。


 サメはついに加えていたイカダの部分を”バキッ”と噛み千切りまた海の底へ潜っていった。

 噛みちぎられたというのにイカダの損傷部分は電動のこぎりで綺麗に切断されたかの如くまっすぐ直線的に損失していた。

 すぐに俺はその損傷部分に新しく踏板を作成する。


 なんかわかってきた。

 結局このサメって一定時間に一度イカダの一回で作成できる踏板1枚分をかじって持っていくのだろう。

 何もせずに生き残ることはできないって事にしたいんだろうけど、サメが一回で持っていくイカダの量が少なすぎてすぐに材料でカバーしてしまえる。

 だからサメが来ても特に焦ることがない。


 ここにきて序盤も序盤でこのありさまだ。

 難易度設定バグってねぇか?


 へんなとこ難易度高いし。



 てことはますます前に仮説を立てたあれが正しかったのを証明する結果になる。

 多分サメは海に入って3分後に出現する。


 3分間だけなら安心という事だ。


 なら早くいけよという事ではあるが、そうもいかないのが人間だ。


 たとえばサメのいる水槽で今サメさんは食事中ですから安全ですよと言われてホイホイとその水槽にダイブできますか? という事だ。


 この先に道がある。わかっていてもサメは怖い。

 絶対そうだと思うけど100%とは言い切れない。

 この世界すごい雑だし。


 まぁでもわかってるんだよな。

 行かないとダメってのは。


 ただの心の準備だから。

 足震えてるけど。


 前回は食事もままならないまま海に飛び込んだから足がつったけど今は水分も食事も完璧だ。

 問題ない。


 さぁ行くか.......






 ...............








 なんだよ、早く行けってか。わかってるよ。今行くよ。


 俺は自分に言い聞かすように覚悟を決め勢いよく海に飛び込んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ