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Zな彼女とネクロマンサーの僕  作者: キノコ二等兵
レッドフィールド編
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司とゼロワン

ゼロワンは家の前に停められた車に乗り込み、そのまま車を走らせる。


「場所は分かってるんだ」


「予想される場所を社長さんが出してくれた」


家にいたはずと記憶していたゼロワンはその答えに疑問を憶えたが、まあいいと考えから消す。


車の荷台には中型サイズのケースが5つほど無造作に置かれており、ゼロワンはそれの1つに手をつけて開けると中には何かの武器の部品がまとめてあった。


「ゼロワンなら組み立てられるだろ?ついでに俺のもやっておいてくれ」


「よくもまあ小機関銃とかじゃなくて最新鋭の突撃銃を準備出来たね」


ゼロワンは組み立てながらゼロツーへ言葉を飛ばす。


「ここでは、って話だろ最新鋭の意味は。争いが少ない地域だから新規の物は入りづらいしな」


「上が横流ししてるのを拝借(・・・・・・)してるのかな?」


「そうかもな」


「昔じゃ考えられないぐらい腕あげたねーそういうの昔できなかったじゃん」


「俺も大人に近づいたってことだ」


「大人じゃなくて悪人だよそれは」


1つ目を組み立て終えると、安全装置をかけて助手席に立てかける。


「無駄に多いのはどうかと思うけどね」


「整備不良なやつもあるだろ?それを防ぐためだ」


「まさか1度も触ってないの?」


返事はない。つまりはそういうことだろう。


ゼロワンはため息を吐きながらも次の銃器に手を伸ばして組み立てていく。


「残りはそのままにしておくよ。弾倉は貰っていくけどね」


弾倉を数個掴み、バックミラーで見えるように向ける。


「半分くれ」


「とーぜん」


綺麗に半分の数を助手席に並べて置くと、ゼロワンは荷台のポーチを腰に巻き、そこに余った弾倉を入れていく。


「いつでもどうぞ」


「了解」


壁に寄せるように車を停めると、ゼロツーは助手席の銃器に手を伸ばし安全装置を外すと車の外に出る。それを追うようにゼロワンも外へ出る。


ゼロツーが向かう先は工事途中で放置されたような建物だった。誘拐する人間に御誂え向きだ。


入口の前にある左右の壁に取り付くと2人は目を合わせる。


ゼロツーは指を自分に向けたりしながら合図を送る。敢えて言葉で言うのならこんな感じか。


《俺が先行する。ゼロワンはサポート。いいな》


ゼロツーの指示をそのまま行い返答を返す。


《ゼロツーが先に行って、そのあと追うようにサポートね。了解》


足音を極力出さないようにしつつ奥へと入っていく。


隙間なく警備をしているわけではないようで、抜け目が多くみられた。いや違う。そういうのに慣れていないという感じか。


発砲しても問題はなかったが、弾の無駄遣いになるレベルでの粗だったのもあり、放置していく。


奥へと進んで行くと、ひとつだけまともに建てられているような施設が建造されていた。


「罠だな」


「罠だね」


誰がどうみても罠のような入口をしており、2人は互いの顔を見合う。


「取り敢えず迂回してみる?裏があるかもしれないし」


「逆に考えれば、罠だと思わせて迂回させるのが本命かもしれない。分かっている罠の方がマシだ」


「了解。それじゃあ君に従うよゼロツー」


扉を開けると壁に囲われた場所に出て、その十数メートル先に離れた位置からでも眩しいと感じてしまうほど光が漏れていた。


静かに1歩ごと進めていき明かりの場所まで向かうと、向かい側にはゼロスリーが立っていた。


ゼロツーは銃を構えながら問いただす。


「なんのつもりだゼロスリー」


「そりゃ元の目的はゼロワンの殺害だ。君こそなんで今までゼロワンを放置して逆に育ててるのさ。自分の夢を叶えたくないの?」


「弱い状態で勝っても意味がない。最も強い状態で勝ってこそ満足出来て夢を、願いを叶えてもいいと思える。そう決めただろ。それなのにお前は」


「もう2度と強くなることがないのなら今の強さで満足するしかないじゃないか。誘拐した子はこの先にいるよ。その子たちならいつでも持ってっていい。けど、ゼロワンだけは。レッドフィールドだけはこっちに残ってもらう」


左腰から小太刀を抜きその刃先をゼロワンへと向ける。


ゼロツーはそんな挑発に乗るなと、ゼロワンの前に立つ。


「分かった残ろう」


ゼロワンも銃を構えながら答える。


「ゼロツーは邪魔だから、子供のところに行きなよ」


「そうそうこれはボクとレッドフィールドの戦いだ。助太刀邪魔立てはなしとしてもらいたいな」


「・・・今の身体でやれるのか?ゼロワン?」


「出来ないなら来ない」


言葉数は減り、その視線はゼロスリーへと向けられていた。


そうかと呟いたゼロツーは、ゼロスリーへの狙いを辞めて、先へと走っていった。


「さあ始めようよ!思う存分」


その言葉を皮切りに2人の戦いは始まった。

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