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裏・代役勇者物語  作者: 幸田 昌利
第二章
45/138

45◆ゲルボドのスキル獲得と故郷へ戻る準備中

 ミラの参加表明と異世界スキルの仕様解明が切っ掛けになり、この日からギルドで戦闘系の依頼を受け、ゲルボドに魔法を使わせる日々が始まった。


「取り敢えず、手札を増やす為にやる事が有るわ。ゲルボド、あなたのスキルを習得しておきたいから、順番に使って行って頂戴」


と言う、私からの指示による物だ。

私達が、ゲルボドの魔法を使えれば非常に有効な物となるだろう。

回数制で使えるのかMP消費になるのかは判らないが、最低でも《快癒》の魔法が使えるだけで十分だ。

因みに、今となっては最初の低確率蘇生魔法が失敗して良かったと言える。

迷宮で使った最初の魔法で爺が生き返って居たら、高レベルの蘇生魔法が使用できずに《神官魔法(異世界)》を習得出来ず、ミラ以外の私達は《快癒》を使えない所だった。

運が良かった、いや本気マジで!!




 ☆ ☆ ☆




 ゲルボドとミラのランク上げを兼ねて、色々と受けては過剰な魔法を使いまくっていった。

その結果、《錬金魔法(異世界)》と《腕増やし》以外は《聖眼》で習得可能になった。

加えて、ルークは《盾(異世界)》等も全ての技や動作を確認したら可能になったので習得した様だ。

これによって、片手剣や盾が、


スキル:片手剣(多世界)…………聖眼熟練度84

スキル:盾  (多世界)…………聖眼熟練度80


等になったと言う。

80台とか、流石ゲルボド……凄いな!

もっとも、弱体化に引っ張られて現在値は低くなっているらしいが。

それでも、そこまで保証されていると考えたら凄い事だ。

これからも頼りにしているよ!


 折角こちらの人間達にも認知されてきたゲルボドが、《腕増やし》を使って人間から遠ざかるのは不味い。

戦力的には有った方がいいらしいが……そもそも何故三本なのかと。

せめて四本だろう!

ゲルボドにそう言ったら、


「腕増やしはスキルポイントがキツイシャ――――!」


だそうだ。

まぁ、どっちにしても自在に引っ込められないらしいので却下だ。

《錬金魔法(異世界)》は全魔法を使うには触媒が足りないらしいので今は断念した。

ゲルボドは効果に合った触媒があると見分けられるとの事なので、順次触媒が揃い次第使っていく事にする。


 ゲルボドに対して《隷属》を使用したミラだが、特に身体的に不調があったり、問題のある変化はなかった。

加えて、ゲルボドは基本的に命令をしない。

しないと言うか、よく考えたら今までも自分でやるか指示を受けた事しか無かった気がする。

よって、その後も当然変化は無い。

即ち、指示の無い《隷属》なので……心配する意味が無かった。




 ☆ ☆ ☆




 取り敢えず、私はこの後は村へ戻る事になって居る。

迷宮設置の為だ。

《迷宮創造》スキルが上がれば複数の迷宮を持つ事が出来るらしいので、いずれは私自身の迷宮同士で移動経路を確立したいが、まだまだ先になるだろう。

まずは、それまでの利便性を高める為の準備を行う。

故郷からエルナリアの街までは歩きで三日程度。

馬や馬車さえ使えば半分以下の時間で往復も可能だ。

現状だと、ルークの迷宮と併用すれば王都(正確には自分の居る場所)と実家を繋ぐ事が可能だと考えている。

そこで、まずは実家に小屋を建て、そこに迷宮の入口を設置する。

自由に出入り出来る人間は、当然私とルークだけにしておく。

実家の人間が迷宮に入るのは不味い。

マスタールームから、もし間違って迷宮内部に入られたら死の危険が待っている。

ゲルボドやミラならそんな事は無いだろうが、二人が向こうへ勝手に行く意味が無い。

結果、私とルークだけにする。

その準備も含めて、色々買い物をする必要が出てきている。


 あと数日でシェリーの入学する日が来る所まで時間は経過している。

私は今日も欲しい品が無いかと、色々な店へ足を運んでいる最中だ。

資金として、私は十数体のアイアンゴーレムと大半のストーンゴーレムを売った。

これだけで相当な資金になったので、その分で色々買い込んでいる。

因みに、ストーンゴーレムは私では原魔石の素材となる石を用意するのが困難だった事と、活動停止しても生物系の魔物と違って崩壊しないので、怪しまれずに売る事が出来る事が理由だ。

しかも、同じ迷宮が作り出したアイアンゴーレムと素材的相性が良かったらしく、一緒に売ったアイアンゴーレムとセットとしてならと、色を付けて貰えた事が大きな理由でもある。

私の場合は魔素による魔石や素材の浸食効果で相性すら変更できるので、売ってしまっても何も困らないのだから良い取り引きと言えた。


 この資金を元手にして、安い最下級の魔石を大量に買い込んだり、色々な加工品を作成した後に残る魔法物質を含んだゴミの様な土や石等を大量に買い込んだりもした。

それらの石や土は毎晩私が《変換魔法》と《錬金術》を駆使して、次々とブロック状にしてから、更に小屋へと組み上げて行っている。

実家に行ってやるよりも、今作ってしまって向こうで《アイテム》から出した方が楽だし早い。

師匠に手伝って貰って色々作る為の材料や、師匠の所に置いて来ようと思っている素材等も大量に準備したし、こちらでの準備作業も大詰めを迎えて居る。

もう少しだ。

頑張ろう!




 ☆ ☆ ☆




 こうして日々は過ぎて行き、シェリーの入学の日がやって来た。

下準備もほぼ順調に終わって居るので、ようやく本格的な修行期間が始まる事になった。

まずはゲルボドとミラのランク上げの続きをルークに頼んで、私は一度故郷の村へ戻る。

ミラには、私達について来れる最低限の強さになって貰う事が必要だ。

特に、危険な場所へ行く前に《快癒》の魔法が使えるようになって貰えれば最高と言える。

私が往復する期間は一応一ヶ月位と言ってある。

実際にはそんなにかからないのだが、折角なのでエルナリアの街へ行き、領主やクレリアさんにも報告と挨拶をしたあと、色々作成したり実験したりする予定だ。

素材も大量に買い込んだし、今から楽しみだ。


 因みに、シェリーは王都に居る間はミルロード六爵邸に世話になる事になったらしい。

寮もあるらしいのだが……ミルロード卿が、是非麗しいお嬢様達にこのまま留まって欲しいと言って決まったらしい。

まぁ、本来なら気障な馬鹿野郎だと白い眼で見てやる所だが、辺境の六爵家の娘に対して見下す連中が居る事を理解しているミルロード卿が、自分の我儘として助け舟を出した様だ。

シェリーも、それを理解しているので有り難く了承したようだ。

それに関しては正直私も気になってはいた。

前世の学校ですら、多くの人間が居る為に派閥や上下関係は有った。

こちらの貴族達なら、当然もっと酷い可能性が高い。

そこで私も、既に準備をしてある。

迷宮内部で馬車を守った、《アースシールド》に魔素を送り込んでいた魔法具。

あれを個人用に改良しておいたのだ!

最初の発動はシェリー達から日々吸収したMPと小型の魔石に貯まって居る分の魔素で発動する。

その発動に連動して、すぐに私の装備している魔送流の腕輪(仮)から魔素が流れる。

守る範囲が小さくなり、私のレベルが上がった影響もあって《アースシールド》の効果も上がっている!

ルークがやり過ぎなのではと言ってきたが、


「未来の妹候補に怪我をさせる訳にはいかないのよ! ルークは黙ってなさい!」


と、即却下しておく。

魔送流の腕輪(仮)の役立ち度は証明されたので、この機会に師匠と一緒にそれなりの数を作成予定だ!

これは最早失敗作では無く、新たな魔法具として使用法を確立した方が良い品だと私は考え始めている。

私の魔素以外にも色々と送れる物を確かめ、他のバージョンを作れないかも試す必要があるだろう。

結構な数の素材も購入してある。

楽しくなってきましたよ!

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