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第6話 冒険者ギルドで

第6話 冒険者ギルドで


シルヴァナは冒険者ギルドの建物へと自信を持って足を踏み入れた。

その瞬間、彼女は特有の空気を感じ取った。——業務的な厳格さと、慎重な好奇心が入り混じる雰囲気だ。


広いホールには二十人ほどの傭兵がいたが、全員が入ってきたエルフの姿に目を奪われていた。

珍しい来訪者であり、しかも類まれな美貌を持つ存在が現れたのだから当然だった。


受付の老婦人が記録から顔を上げる。

「ようこそギルドへ。依頼ですか?護衛、それとも採取依頼でしょうか?」


だがシルヴァナは彼女の言葉を遮った。


「いいえ。依頼者としてではなく、冒険者として登録したいのです」


一瞬、場の空気が凍りついた。暖炉の火の音だけが響く。

二十の視線が一斉に彼女へ向けられる。


受付嬢は口を開けたまま固まった。

「……本気、ですか?冒険者に?」


「はい」シルヴァナは静かに繰り返した。


受付嬢は慌てて書類をめくる。

「そんなはずは……エルフが冒険者になるなんて前例が……」


「お願いします。手続きをしてください。すべて受ける覚悟はあります」


混乱の中、受付嬢はギルド長を呼んだ。

現れた男はシルヴァナを頭から足まで観察し、静かに言った。


「本当に冒険者になるつもりか?」


彼女は頷いた。


すると予想外のことが起きた。ギルド長は迷うことなく、彼女に冒険者カードを渡した。——それは第十ランクだった。


「なぜこんな高いランクを?」シルヴァナは戸惑いながら尋ねる。


ギルド長は微笑む。

「理由は単純だ。エルフは不死の種族に近い。人間のように成長が止まることはない。むしろ時間と共に強くなる」


受付嬢が続ける。

「あなたはこのギルド初のエルフ冒険者になります。この情報はすぐに広まるでしょう」


シルヴァナは一瞬言葉を失った。

自分の選択が、想像以上の影響を持つことを理解したのだ。


「私は……こんな形で目立つつもりはなかったのに」


彼女はカードを握りしめながら心の中で呟いた。


ギルド内の視線は依然として彼女に注がれていた。

その一つ一つが重圧のように感じられる。


シルヴァナは静かに一歩後退し、深く息を吸った。

そして落ち着いた様子を保ちながら、ゆっくりと出口へ向かった。

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