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第5話 街

第5話 都市


ペガサス隊と別れた後、シルヴァナは再び旅を続けていた。

しかし今の彼女の頭の中は一つの考えでいっぱいだった。——なぜ徒歩で移動する必要があるのか。彼女には従順なファミリアがいるのに。


「そろそろ自分の利点を使う時ね」


そう考えた彼女は小さな草原で足を止め、召喚の儀式を始めた。


詠唱が終わると空気が震え、次の瞬間、巨大な銀色の毛並みを持つ狼が姿を現した。

その瞳は淡い青色に輝き、どんな障害も越えられそうな力強い四肢を備えていた。


『ご主人様、お呼びでしょうか?』


頭の中に響く深く穏やかな声に、シルヴァナは一瞬固まった。

ファミリアが意思を持つことは知っていたが、ここまで明確に会話できるとは思っていなかった。


「……あなた、話せるの?」


『もちろんです、ご主人様!私はあなたに仕えるために存在しています』


「じゃあ、急いで街まで行きたいの。運んでくれる?」


『喜んで!どうぞお乗りください』


彼女が背に乗ると、狼は静かに走り出した。驚くほど滑らかで、ほとんど音がしない。

一時間もしないうちに都市の城壁が見えてきた。


街は圧倒的な存在感を放っていた。

外壁は四メートルほどの高さで都市全体を守り、その奥には尖塔を持つ城が見える。

さらにその上には山の頂に築かれた古い要塞がそびえ立っていた。


「上層階級の居住区……ね」


そう思いながら眺めていると、狼は門の前で足を止めた。


『到着しました、ご主人様』


銀色の毛並みが夕日に照らされ、淡く輝いている。


門兵たちは驚きで固まっていた。

しかしシルヴァナが落ち着いて礼をすると、ファミリアは光となって消えた。


その瞬間、緊張は解けたが、好奇の視線は残っていた。


「貴族の方ですね。こちらへどうぞ」


兵士の一人が丁寧に案内し、彼女は列を飛ばして通過した。


街に入ると、そこは活気あふれる市場だった。

香辛料、焼きたてのパン、肉の香りが混ざり合い、人々の声が響く。


シルヴァナは食事を取るため小さな店に入った。


「初めての街ですか?」店主が尋ねる。


「ええ。旅のための物資を探しているの」


「それなら冒険者区画へ行くといい。武器や魔道具なら何でも揃うよ」


道を教えてもらい、彼女は冒険者ギルドへ向かうことにした。


「この街は想像以上に整っているわね……」


彼女は静かにそう呟き、新たな出会いと情報を求めて歩き出した。

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