第28章 男爵との謁見
第28章 男爵との謁見
帰還
アンドレイは街へ戻った。城門の衛兵たちは彼を見るなり、意外な知らせを伝えた。
「男爵がお待ちです」
彼はすぐに理解した。これは先日の出来事――高位の人物の娘を盗賊から救った件に関係している。
城へ向かう途中、彼は冒険者市場に立ち寄りヴェルンと出会った。商人は上機嫌だった。
「盗賊のおかげで他の商人が撤退してね、大きな利益が出たんだ!食料価格が上がって、かなり儲かったよ」
そして続けた。
「商品と鉱石を仕入れたんだが、一人で行くのが不安でね。ウラルまで護衛をお願いできないだろうか?」
アンドレイは頷いたが、条件をつけた。
「先に男爵のところへ行きます」
「今日はもう遅い。明日出発しよう」とヴェルンは答えた。
待機室での2時間は長く感じられた。暇を潰すため、アンドレイはインベントリからルービックキューブを取り出して遊び始めた。通りかかる使用人や衛兵は困惑し、奇妙な物体を見て笑いを堪えていた。
やがて扉が開き、彼は謁見の間へ案内された。
そこには
・男爵(装飾された鎧をまとい、玉座に座る威厳ある男)
・書記を持つ側近
・控える使用人たち
がいた。
男爵は立ち上がった。
「冒険者よ、娘を救ってくれたことに感謝する。あなたの勇気と技量は最大級の報酬に値する」
使用人が宝箱を運び入れる。中には
・光る石の付いたアミュレット
・精巧な装飾のベルト
・模様の入った指輪
が入っていた。
アンドレイは「評価」スキルで確認し、それらが彼にとっては価値の低い装飾品であると判断した。丁寧に頭を下げて言った。
「ありがたく存じますが、私には不要です。代わりに1000ゴールドをいただければ十分です」
男爵は困惑した。
「これは我が宝物庫でも最高級のアーティファクトだぞ」
短い沈黙の後、男爵は同意した。しかし続けて提案した。
「では、街のために危険な盗賊の首領を何人か討伐してはくれないか?」
アンドレイは静かに答えた。
「現在、他に優先すべき用事があります」
男爵は少し残念そうだったが、受け入れた。形式的な別れの後、アンドレイは城を後にした。
彼は歩きながら考えていた。明日、ウラルへ戻る。すべての始まりの場所へ。
男爵は不満を残したが、アンドレイの決意は揺るがなかった。他人の期待に流されず、自分の目的を優先することを彼は選んだ。




