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第8話 第1回勉強会

これから勉強会だ。

勉強なんてまともにしていないから軽く勉強アレルギー的な感じで勝手に体が家に向かってしまいそうだ。


昇降口に着いた。

そこにはもちろん桜木さんが居た。

昇降口に差し込む夕日のせいかいつもに増して美しく見えた。


「じゃあ行きましょうか! 今日からみっちり勉強ですよ?」


「みっちり......」


「毎日! みっちり! しっかり教えますからね?」


桜木さん、なんでそんなに目をギラギラさせているの?

怖いです。教えて欲しいと頼んだのは俺だけどここまで乗り気で来るとは思わなかった。

頼られたのが嬉しいにしてもこれは......


「怖い......」


「早く行きますよ? はやく!」


恐怖を感じながらも桜木さんの家に再び来てしまった。

まさかこんなにすぐ桜木さんの家に再び訪れることになるとはね。

周りにファンは居ないよな? 居たら暗殺されること間違いなしだ。

よし!俺は今決心した! 今日は勉強頑張ろう。


多分......


「リビングで座って待っていてください。 私は勉強用具を持ってきますから」


「うん」


女子の家で誰もいない部屋に居るってなんだか不思議な感じだ。

ソワソワする。

世の男子ならそうだよね?

俺が童〇だからじゃないもんね?


「じゃあ勉強を始めましょうか! 何からやります?」


「うーん、何からと言われても何をやればいいのかが分からない......」


「じゃあ腕試しに私が問題を出すので解いてください」


「わかった」


「問題、出来ましたよ。 では解いてください」


桜木さんが手書きの小テストをくれた。

小テストなんて学校とかだと嫌なんだけど手書きでこんなに丁寧に作ってくれたものを見ても嫌だとは感じない。


勉強嫌い対策として全世界の教師が手書きで丁寧にテストを作ることを提案します!


「早く解き始めてくださいね」


「うん」


お?なんだか俺でも解ける問題も入ってるぞ?

これは桜木さんの気遣いかな。

優しさが溢れてるなこのテスト。

まあ8割は解けませんでしたけどね。


「これは......教えがいがありますね」


うわ、テストの結果見てそんなことを言うなんて怖い。 目が笑ってないんですけど!


「お手柔らかにお願いします」


「とりあえず今から3時間やりましょう」


「3時間も!?」


人生で家で3時間も勉強をしたことがありません。

今から僕の初めてが始まります。



ーーー

桜木さんの教え方めっちゃ上手いな。

授業じゃ寝てしまうが桜木さんの教え方だと眠気すらしない。

やべぇ1回これを聞いてしまうと先生の授業なんて聞けなくなってしまう。

あ、普段から大して聞いていなかったわ。

毎日教わりたくなるわこれは。


―――

3時間がたち夜7時。

もうそろそろ帰った方が良さそうだな。


「今日はありがとう、桜木さん。 教え方めちゃくちゃ上手くて分かりやすかったよ」


「本当ですか? じゃあ明日からも勉強会してくれますか?」


「うん。こっちからお願いしたいくらいだよ」


「よかった......」


「じゃあ、また明日」


「はい。また明日! おやすみなさい」



こうして第1回勉強会が幕を閉じた。

明日も勉強会だが、勉強が少し嫌じゃなくなったかもしれない。

ちょっと楽しみだな。

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