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第6話 桜木さんは空気が読めない?

15分ほど遅れました。

火曜日だ。

月曜日と同じくらい絶望を感じるね。


水曜日になるとまだ半分かと絶望し、木曜日になるとあと2日もあるのかと絶望し、金曜日になると逆に重く感じる一日になる。

土曜日には休日があと1日しかないという絶望に、日曜日には新たな週の幕開けに向けて眠る絶望。

人間絶望しかしてないじゃん!


もちろん今日もしっかり授業中にも睡眠を摂るぜ!

高校生はいくら寝ても眠いよね~

特に昨日は色々あったしもう寝ても寝ても疲れが取れねぇよ......


授業中の睡眠って何だか背徳感があってより眠れるんだよな。

あ、変態とかじゃないからな!

みんなもそう思うよな? ね?


やっぱ昨日の昼の事があってからクラスメイトからの視線が痛いな〜。

前髪長くてよかった! 直視しなくて済む!

さすが俺、想定済みよ!

だけどやっぱりこれはきついな。

居心地が悪すぎる。


よし、昼休みになったら即退出するぞ!

帰宅部代表の維持、見せてやる。

今回のミッションはBランクといったところか。

前回はバレずに帰るという条件付きだったが今回はだ退出するだけなのだから。

さすがの俺でもこれは余裕だぜ!


キーンコーンカーンコーン


来たぞ、俺の勝負の時。

いかに早く出ていいポジションで1人落ち着いてご飯を食べられるかだ。


よし、行けそうだと思っていたところ......


「南さん! 昨日はカレーありがとうございました! 」


「げ!」


「げってなんですかげって!」


「みんながいるし場所を選ぼうか」


桜木さんがまたキョロキョロして顔を赤くしている。

本当に周りのこと気づかなかったんだな。


いや、これ今客観的に見たらやばいんじゃない?

美少女が陰キャのところに来て陰キャが美少女をどこかへ連れていく。


――あの陰キャまた桜木さんを......

――なにか弱みでも握ってるんじゃないの?

――ひどーい、サイテー

――キモイね


ぐはっ! 聞こえてるんだよなぁ全部。

俺は100000000000のダメージを負った。

なんつって。

まあ当たり前だよな。桜木さんみたいな美少女と俺が一緒にいるってだけでおかしいもんな。


「ねえ、桜木さん? お礼を言いに来てくれるのはいいんだけどね? 場所と状況だけは考えて欲しいかな」


「ごめんなさい。周りを見ていなくて」


シュン……という効果音が聞こえるくらい急に落ち込んでしまった……

だがこれは桜木さんのためでもあるのだ。

桜木さんにも重大さを分からせなきゃ今後何をしでかすか分からない……


「変な誤解されちゃうよ? しかも俺との誤解なんて桜木さんの株が下がっちゃうよ? こんな陰キャだし」


「私は別に......」


桜木さんがなにか小さな声で呟いたようだけど聞き取れなかった。


「まあ桜木さんに悪意はないみたいだしいいよ」


「は、はい......」


気まずい。微妙な空気にしてしまった。

俺、空気ブレイカーなのかな。

最近よくあるんだよなぁ。


「あの、南さん。お昼、一緒に食べませんか?」


「え? 今の話聞いてた? 変な誤解されちゃったら大変だよ?」


「構いません。早く食べないと昼休みが終わってしまいます」


「「「「「「「はいー!?!?!?」」」」」」」


廊下中に響き渡るギャラリーの声(悲鳴)の中俺たちは教室を後にして逃げた。


――帰ってきたぞ

――桜木さんに何かしてたらぶっ〇す

――ナニしてたんだろう

――許せんな


怖い。みんな怖いよ。

俺は決して何もしていないよ?

本当に何も!!

信じてくれよ……


男子からは目から血の涙がうっすらと見え、女子からはゴミを見るような目で見てきた……

ぎゃぁぁぁぁあああああ……


結局2日連続でギャラリーに囲まれた。

もちろん午後の授業は全部寝た。

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