第21話 白波さんとお出かけ
ブックマークありがとうございます!!
今日は白波さんとお出かけだ。
この任務にあたり気をつけなければならないことがある。
それは同じ学校の人に俺と白波さんが一緒にいるところを見られないことだ。
なぜかって? それは俺の命が危ないからだよ。
―――午前8時45分
集合時間は9時だが、つい15分前に着いてしまった。
白波さんはまだ来てないよな……
「南くん、南くん!」
「あ、白波さん」
白波さんは大人っぽいワンピースを身に纏い、駆け足で俺の元に向かってきた。綺麗だ。
いつもが可愛い女の子と言うのならば今は美人という感じだ。
「どうしたの?」
「い、いや、なにも」
「ふ~ん。てっきり私に見惚れちゃってるかと……」
ギクッ
白波さんって絶対前世はエスパーだよね。
めっちゃニヤニヤしてるし
「ま、まぁ、いつもと雰囲気が違って綺麗だなと……」
「え?」
少し白波さんの顔が赤くなったように感じたが、すぐに振り返ってしまったのでよく分からない。
「じゃあ行こっか」
まずは洋服選びだそうだ。
俺に合う服を選んでくれるそうだ。
にしても俺なんかに合う服なんてあるのか?
「まずはここ! とりあえずこれとこれと、これと、これと……」
白波さん?服、何枚持っているの?
というかまずはって言ったよね?
一店舗目でこの枚数着せる気!?
「ほらほら~着てみてよ」
「うん」
選んでもらったため、断ることなどできない。
といっても7枚もの服が俺の手にある。
まあ着ていこう。
というか女の子の前で服を着て似合ってるかどうか見てもらうって……めっちゃ恥ずかしくないか?
「もう着れた? チラッ」
そう言って試着室のカーテンを少し開けて覗いてきた
おい!覗くなよ!
てかチラって口に出すかな?
白波さんは油断ができない。
「ま、待って!覗かないで!」
「うふふ~ごめーん」
白波さんがいつも桜木さんをからかっている時の口調だ。
今日のターゲットは俺ということか。
桜木さんの気持ちがよくわかるよ……
「どう、かな?」
「うんうん。いいじゃん」
その後俺は7枚の服を着替え、白波さんに見てもらった。
着替える度に覗こうとしてきたのは言うまでもない。
もちろん毎回チラッと言いながらである。
「じゃあ次はここだね」
「まだ回るの?」
今回で5店舗目だ。
女の子のショッピングってもしかして無限?
「私にお願いしたんだよね? ね?」
「あ、はい」
駄目だ。これは断れない。
2回目のね?がもう怖い。
俺が着せ替え人形になるのはもう確定した未来のようだ……
結局このあとショッピングモール内の全店舗を周る勢いで連れ回された。
―――
「ふぅ……」
「あれ?もう疲れちゃったの?」
「さすがにもう……」
「こんなんじゃ一日デート、耐えられないよ?」
え?一日デートってこれよりも大変なの?
俺もう30枚くらい服着替えてるよ?
でもまあ良さげな服を選んでもらったし収穫は大きいけどね。
「あ、南くん今私とデート出来て嬉しいって思ったでしょ」
「え?まあ嬉しいけど別に今そう考えていたわけではない」
「ふふふ」
「なんだよ」
「なんでも~」
まだからかいは健在だった。
―――
そしてやっと俺の買い物が終わった。
「ちょっと私も買い物したいから付き合ってよね」
「わかった」
俺の買い物に付き合ってくれたしそのくらいは当然だ。
付き合ってくれたというのが正しいのかどうかは分からないが……
とりあえず白波さんについて行こう。
―――
「ここよ」
「はい?」
俺が連れてこられたのは女性ものの下着売り場だった。
何やらホワホワした雰囲気だ。
これ、男子禁制じゃない??
いや俺ここにいたら犯罪者扱いされて捕まっちゃうんじゃないの?
「大丈夫だって、そんなことで捕まらないよ~。でも心配なら私から離れなければいいと思うよ~」
エスパー!?(n回目)
ああそうか。あまり離れていると女性下着売り場に男1人という構図になるからな。
なら白波さんの近くにいよう。
「南くん~どんなのが好き?」
「はい?」
「オトナな黒?それともピンク?」
「ど、どっちでもいいんじゃないかな」
「じゃあ今から履いて南くんに見て決めてもらおうかな?」
「な、な、な」
「いやだな~冗談だよ~」
男に女物の下着の好みを聞くなんて!!
ただここに居るだけで恥ずかしいというのに……
でも白波さんが付けるのは黒か?いや、ピンクか?
オトナの下着……………………
うーん。
「南くん、今想像したでしょー」
「い、いや?してないよ?」
「ほんとかな~」
「黒?ピンク?それとも……」
「お、おれ、外で待ってるから」
これ以上からかわれるのは御免だ。
外で待つのが得策だな……
下着選びに付き合わせる女子ってどうよ……
でも白波さんならやりかねないか、てかもうやってるしね。
「おまたせ~。何を買ったと思う~?」
ここに来てその質問か……
うーん、白波さんなら黒も似合いそうだし、意外とピンクとかも合うよな……
実は全然違って水色とかかな?
うーん…………
「南く~ん、妄想タイム終了~。正解は……赤でした~へへへ~」
「な!?赤!?」
「どんなのを想像してたのかな~?」
「いや、なにも」
おっと危ない。
動揺が表に出るところだったぜ。
ポーカーフェイス成功だね。だよね!
何だかどっと疲れた……
女の子との買い物って全部こうなのか?
いや、違うと信じたい。
全部こうなら世のリア充男子は死んでいる。
白波さんだからこうなるのだ。そうだよね?
「ねえ、南くん。髪を上げてみてよ」
「え?別にいいけど」
何故か突然髪を上げろと言われたので上げて持ち歩いているゴムで縛る。
「おお、これは予想以上……」
「それは褒めてくれているってことでいいのかな?」
「これは日和が惚れるわけだ……」
白波さんがなにか呟いたようだが聞き取れなかった。
「学校でも上げていればいいのに」
「考えとくよ」
「日和とのデート頑張ってね」
「う、うん」
こうして白波さんとの波乱のお出かけが終わった。
一応全身装備は買えたし、目的は達成出来た。
達成後がやばいくらい疲れたけど……
でもまあ数ヶ月前の俺じゃあ誰かと買い物に来るなんて考えられなかったし、楽しかった。
来週の桜木さんとのデートも楽しもう。
せっかくなら桜木さんにも喜んで欲しい……




