第2話 月曜日
第2話です!!
桜木さん、しゃべります。
月曜日というのは絶望だ。
これから5日間も学校に行かなければ休息は訪れないのだから。
みんな憂鬱な気分で登校している。
俺もその1人である。
月曜日の1時間目から現代文。
もうこれは寝落ちラジオだよな?
教科書の本文のまま板書書く先生とかいるんだよな
あれ意味あるとか思ってる奴いる??居ねぇよなぁ!?
だからといって何の教科であっても文句を言うのだろうけれど。
クラスの半数以上が寝ているのはさすがにどうかと思うが、先生は何も言わない。
右斜め上あたりを見ながらずっと話っぱなしだ。
何でだろう?
まあいいや。
チャイムが鳴り、昼休みになった。
陰キャの俺には一緒に食べる人などいないが気にしたことは無い。なぜならご飯の美味しさをしっかり感じられるからだ!
たまには場所を変えて食べるのもありかな......などと考えながら教室を出ようとした時のことだ、
いきなり女の子が話しかけてきた。
「昨日はありがとうございました!!」
「え、俺? 」
「はい! 本当に感謝しています!」
突然美少女にそんなことを言われた。
あ、昨日の駅の子か……ってか同じ学校だったのか!!
雰囲気的に年下だと思った……
見るからに陽キャな美少女に絡まれるとは……
しかもこんな大衆の前でお礼とか……
ここは秘技、知らないフリを発動!!
「人違いじゃないですか?」
「人違いじゃありません! 私はあなたに助けられたんです! 倒れそうだったところを駅で!ご飯もくれたじゃないですか!」
「……」
「お礼をさせてください!!」
「……」
「何でもしますから!!!!」
おい!何でもするとか言っちゃだめでしょ!!
せっかくスルーしていたのにそんなこと言ったら俺が悪者みたいに見えるし!
ほら、ザワザワし始めたじゃん!!
何せ周りからの視線が怖い。
それはそうだろう。クラスの陰キャがいきなり美少女に頭を下げられているのだから。
――あの人、桜木さんに頭下げさせてるよ。下衆
――やだ、サイテー
――桜木さんに手を出す男は俺が許さん
―――てか誰よあの陰キャ、ストーカー?
―――今桜木さん何でもするって言ってた気がする
―――あいつ桜木さんの弱みでも握ってんの?最低
もうやめて、これ以上は身が持たない。
「もういいから、頭を上げてよ」
「命を救ってもらったんですよ? 言葉だけで足りるわけないじゃないですか!!」
「ほ、ほら、みんな見てるからもうやめて欲しいかなって……」
彼女はギャラリーに気づいたのか耳まで真っ赤にして俯いてしまった。
今まで本当に気づいていなかったのね!!
「ま、また帰りに来ますから」
こそっと耳元でそう言いうと、彼女は自分のクラスへと帰って行った。
美少女がそうやすやすと耳元で囁くんじゃないよもう。
破壊力抜群すぎる……
なんかいい匂いがするし……
――おい!誰かあいつに聞けよ
――命の恩人? どゆこと?
――あの陰キャ何者?
――羨ましすぎる、埋めとこう。
――桜木さんとあの距離で会話とか……殺す
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムが鳴ってくれたおかげでギャラリーは戻っていった。
ねぇ俺この後誰かに埋められたりしない?
月曜日からハードモードすぎないかこの世界。
助けたは助けたけど同じ学校の人だなんて聞いてないよ!?
しかもお礼を言いに来る?
その時はあまりよく見ていなかったけどめっちゃ美少女だし……
こうして俺の1人ぼっちの昼休みがギャラリー含めて30人ほどの昼休みになった。
月曜日からこんなことが起きるなんて、今週はなんだか嫌な予感しかしないな。
しかもあの子、帰りにまた来ますからとか言っていたしな。
よし、帰りはサッと帰ろう。
帰宅部代表なめんなよ?
帰宅に関して言えば、俺にかなうものはいない。
ふはははは。
なんてね。
たくさんの人に見られて疲れた俺は4限、5限としっかり睡眠をとった。
これで帰宅の準備は万全だぜ!
―――
ホームルームが終わった。
ここからが勝負だ。
絶対に誰にもバレずに速やかに帰宅する。
難易度Aランクのミッションだ。
自分を信じろ。
これをクリアして俺はAランク冒険者に……
「南楓汰さん!」
あ、ミッション失敗。
コンテニューはできません。
Aランク冒険者への道、秒で途絶えました。
というかなぜ名前を知っている?
「は、はい」
「ちょっと来てください」
なぜか美少女に手を引かれ、俺はどこかへ連れていかれるのであった。
俺にはAランクミッションはきつかったか......
帰宅部代表、これは辞任すべきか。
え、て、手!?なぜ手を引かれてる?
ギャラリーの殺気がすごいし。
何人かバタバタ倒れてるし。
出来るだけこの時間に投稿したいと考えています