↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きと言えるのなら  作者: まる
PR
10/40

泣くのはやめる

帰り道

ピーンポーン。晴也は桜泉の家のインターホンを鳴らした。出てきたのは桜泉の母だった。

『あら、晴也くん。いらっしゃい』

桜泉の母は晴也を快く迎えてくれた。

玄関に入れてもらい話をした。

『あの桜泉は…』

『あのね…実は今日の朝、桜泉が学校に行きたくないって…』

『え…』

晴也は驚きを隠せなかった。ただの風邪かなと思っていたけれどそんな理由だったとは思っていなかったから。

『朝、お越しに行ったら号泣しながら私のことを押して部屋から追い出して鍵をかけてそれからずっと部屋に引きこもって朝ごはんもお昼も食べてないの…』

『そう…だったんですね…。あの、桜泉と少し話したいんですが…』

『桜泉は部屋にいるんだけど、開けてくれるかしら…。私、この後御近所のお婆さんの介護をしなきゃいけないんだけど…桜泉と話しててくれる?』

『あ、ありがとうございます!』

『じゃあ、桜泉のことよろしくね』

母は家を出て行った。

晴也は階段を上がって桜泉の部屋をノックした。


『桜泉?』

桜泉はハッとしてベッドから起き上がった。

『大丈夫?部屋、開けてくれる…か?』

晴也は桜泉に問いかけた。

桜泉は素直に起き上がると部屋の扉をゆっくり開けた。

すんなり開けてくれて晴也は驚いた。

桜泉は目が真っ赤だった。泣いたのだろうと晴也は思った。

『ありがとう。話したいんだ。部屋に入ってもいい?』

桜泉はコクっと頷くと晴也を部屋に招いた。


『学校行きたくないって…なにかあった?』

晴也が桜泉に質問をした。

桜泉は下を向いた。

『また、宮本たちにイジメられた…?』

桜泉はビクッとして涙を流した。

『まだあいつら懲りてなかったのか…』

晴也はやれやれと呆れた。

『ごめんね。』

桜泉は震える手で手話をした。

『謝んなくていいって。もしかして昨日もイジメられた?』

桜泉は頷く。

『え、いつ?』

『お昼休みと放課後』

桜泉は手話で震えながら答えた。

晴也はハッとすると『え…』と声を漏らした。

『昼休み…と…放課後…?昼休み、委員会じゃなかったっけ…』

『ごめんね。嘘ついてた』

桜泉は息を漏らしながら泣いた。続けて桜泉が

『体育倉庫に呼び出されて蹴ったり悪口言われたり蹴り飛ばされたりしたときに…トゲが肘に当たって…』

桜泉は大粒の涙を流しながら答えた。

『もう本当にあいつら許せねーわ。』


『晴也は……上部だけの付き合いじゃないよね…?私のこと…本当に好きだよね…?』

桜泉は手話で質問した。

晴也はビックリして戸惑った。

『何聞いてんだよ…。好きに決まってんじゃん。ていうか好き通り越して愛してるって』

晴也は少し照れながら答えた。

桜泉は嬉しくてまた涙が出てきた。

『宮本さんたちに「角北くんが本当にあなたのこと好きになるわけない」って言われて…。泣き虫でなにも喋ることできなくて友達少なくて…』

その途端、晴也は桜泉背中に手を回してギュッと抱きしめた。

『もう…辛い思いさせないから。そんなやつら相手にしなくていい。喋ることできないのは仕方ないことだろ?俺はそのことに関してはもう気にしてないから。いつも通り普通に過ごしてていいんだよ。』

晴也はギュッと強く抱きしめると頭を撫でてくれた。

安心した。

『(晴也は私のことわかってくれているんだ。)』

桜泉は晴也から離れなかった。晴也も離そうとはしなかった。

『なぁ桜泉?』

桜泉は晴也の肩にお腹に顔を埋めながら頷いた。

『俺、桜泉のこと気付いてあげられなかった。もう大丈夫。俺も気をつけて桜泉のこと見てるから。なんでも相談しろよ。桜泉のことは全部知りたいんだ。』

桜泉はコクコクと頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。