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06.特殊詐欺電話にひっかかりそうになった中年男性と老婆


 これは今だから書ける恥ずかしい話ではある。


 近年の10年以内だったとは思う。

 警察を騙る振り込め詐欺、特殊詐欺電話というやつを信じかけたことがあった。


 40代になり立ての頃だったろうか。じゃあ5年以内じゃあねえか。


 警察の〇〇課を名乗る女性が「家族が起こした交通事故の件に関して」の話を突然に話し始めた。

 僕自身に交通事故なんて覚えがないものであったが、親は高齢者で当時まだ車の運転をしていて有り得ない話でもなく、何より突然のことに驚いて話に聞き入ってしまった。

 しまいには慌てて、相手が何かを言っていたのに「ちょっと待ってください! 親に確認してみます! 折り返し署のほうにも連絡入れますんで!」とか言って電話を切ってしまっていた。


 この一般的な社会人にはありえない慌てぶりが結局は良かったのだが。


 母親に確認を取るとそんな事情は一切なくて「あんたそれ、今流行りのなんとか詐欺ってやつでしょ。なんで騙されてるのよ」と一笑されてしまった。その後、母が警察にこういった電話があったと連絡をした。そして案の定、どれだけ経っても相手側からの次の連絡はこなかった。

 40代男性はひっかけられたが70代の老婆を騙せなかったと、こんなケースを詐欺グループ側も想定していたのかどうか。


 こうした特殊詐欺の電話で一番の問題は「警察を騙る」ことだと思っている。

 警察組織を信用できなくなってしまえば、一般市民はどこへ犯罪について訴え出れば良いのかとなってしまう。

 警察からの連絡も信用をしていいのかどうか。現代日本のような性善説や信用で成り立つ社会の破壊というのは極めて危険なものだ。いまだに根本からの対処がされないことに強い不満すら出る。



 そんな親だったが、最近別の手口の特殊詐欺電話に引っ掛かりそうになっていた。


 市の税務課だが税金についてどうのこうの未納分があるので確認のために情報を出せ、というようなやつ。

 恥ずかしながら未納分に心当たりがあったために、その電話の言われるがままに途中まで個人情報に関して受け答えをしてしまっていたという。

 ところが途中で「いや、それは払ってる。金額もおかしい」と電話を中断して役所に確認をとったところそんな不備は起きていないと。そして僕のほうにこれこれこういう電話があったと確認を取りに連絡がきたので、ネットで税金関係での特殊詐欺案件を確認したところ見事に同様の手口があったと判明した。

 税金関係で騙しにきていたということに怒った老婆(母)は、警察にこういった電話があったと連絡したときに淡々と反応していた警察にまで怒っていた。老人の八つ当たりである。


 自分の親が目の前で社会的に問題となっているカスハラ紛いのトークを繰り広げているのを聴かされると、思った以上に心労がくるものであった。いやもう、すんごい。40を超えてこんなストレスの在り方があるのかと。

 被害にあった直後で興奮してるのも理解できなくはないけど、警察は愚痴聞いたり興奮をなだめたりのサービスじゃあないのよと。言ったところで逆撫でするだけなのであまり言わなかったが。


 あとこういった犯罪組織も、数万円をすぐ払えずに滞納してしまうような老人まで狙うことないだろと。みんながみんなお金貯めてきた年寄りじゃあないのよね。



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