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05話 『衣食住の確保』



 『6日 15:42』


 祭壇の上にある透明なパネルにはそう記されていた。ボタンを押してからの日付と時刻だと思われる。


 あれから環境を作るべくこの1階層を探索し続けた結果、前の2日間より更に情報を沢山収集する事ができた。

 にしても、これだけ探索したのに広すぎてわからない事の方が多い。全貌を知るには冗談抜きで後1ヶ月は掛かりそうだ。


 で、まずここの地形をざっくり言うとこんな感じだった。



中央──巨大な木と神殿があり、そこを中心に広大な草原が続いている。

東──うさぎが大量発生している低山がある。中央に向かっていくつか川が流れていた。

西──洞窟のある山があった。少し入ったところ結構奥まで続いているっぽい。

南──ただの木が生えている森。一部竹林であった。今後何かしら見つかるかもしれない。

北──大きな湖が森に囲まれていた。確認しなかったが、もしかしたら魚がいるかも。



 こうして俯瞰してみると、ここだけで生態系が完成してるんだよな。ここも迷宮の中なんだが、あまりにも想像とかけ離れていて実感が湧かない。

 俺が想像するのは、2階層目の壁みたいに石煉瓦のようになってるやつ。でも、それは空想の世界で現実はいろんなのが混じってるんだな。もしかすると、もっと下の階層では宇宙空間があったり……なんてあるわけねぇか。


 さて、無駄話は置いといて環境づくりに戻ろう。


 必要なものといえば衣食住。衣は今着てる服でいいから除外するとして、今日やるのはその内の一つ『住』から整えようと思う。

 といっても、建築の知識と技術があるわけがなく、いつぞやのディスカバリーチャンネルで観たサバイバル知識しかない。木造の立派な家が理想だが、そうもいかないだろう。

 木の棒を蔦で固定して骨組みを作り、その上に葉を乗せた原始的な拠点。もちろん枕と布団なんてなく、夜は葉っぱを体に被るだけ。今はこれが限界だろう。


 ところで、材料となる葉や枝はどこで集めようか。

 まず葉は確保はできたな。そこらにユグドラシルの巨大な葉っぱが落ちてる。



────────────────

【名称】ユグドラシルの葉

【等級】幻想級


《説明》

葉を傷口に貼ると癒す効果がある。ポーションの原料としても使える。

────────────────



 では、残りの枝は近くの森に行って集めてこようか。


 それから、俺は枝を何往復もして集め終え、神殿の近くに拠点を作ることに決めた。神殿に住むことも出来るんだが、下の階層から魔物が上がって来そうで怖くて仕方がない。

 記憶を頼りに試行錯誤をしながら、枝と森からついでに持ってきた蔦で骨組みを作る。


「よし、できた」


 これぞサバイバルって感じの拠点が出来上がった。テント風なので立ち上がれず、横にならなければ入れない。ベッドは葉を沢山敷き詰めてふかふかにしておいた。初めてにしては我ながらよく出来たもんだ。殆ど記憶が頼りだったけどね。

 と、そんなこんなで気づけば外は真っ暗だ。早速ここで寝て明日に備えよう。明日は『食』の確保だ。





◆◆◆





「いててて」


 朝起きたら寝違えてたらしく、腕は痺れて首はめちゃくちゃ痛かった。

 今日は『食』の確保のわけだが、首が痛くて億劫になってくる。いやいや、明日やろうは馬鹿野郎だ。今やらなきゃ俺の性格上、引き延ばしてやらなくなるからな。



 ということで、東にある低山までやってきた。

 まず、食料を確保する上で大切なのはその食料源が持続可能であること。この山に生息している兎は天敵がいないので、その心配はなさそうだ。

 で、あとは捕まえるだけなのだが、兎は時速40キロで走る動物。運動音痴な俺は、まず追いつくはずがない。罠を仕掛けるか、遠距離から仕留めるしか方法がなさそうだ。

 といっても、その肝心の罠の製作方法がわからないので、遠距離から仕留めるの一択になるんだけどね。


 よし……決めた!

 この無限の時間で最初に極めるのは、投擲技術だ!

 これから運動神経の悪い俺がどれだけ成長するのか楽しみになってきたぞ。

 仕方ないが、兎を仕留めれるようになるまではユグドラシルの実を消費することになってしまう。

 んじゃ早速、手頃な石をいくつか持って拠点に戻ってから鍛錬だ!



 そうして、時は流れだす──



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